Nobuさんの多国籍ツアーブログNo.25
●Nobuさん(東京都/男性)
参加ツアー:2012年8月 Las Vegas to Grand Canyon 4日間 (トレックアメリカ社)
LAS VEGAS TO GRAND CANYON 【DAY5-3】 ~体感しよう!~
一行はついに最後の宿泊地、グランドキャニオン国立公園へ入園する。
料金所で料金を払う。期間や目的によって金額も異なるようだ。受付もその料金設定が
いまいち頭に入っていないのか、リーダーのChrisが気付くまで誤った料金を請求していた。
料金は様々。
オプショナルのヘリコプターについてChrisが説明する。
「今日ヘリコプターに乗る場合、ハイキング組とは別行動になるので、どちらに行くか選択
してほしい」
え!?そうなの?なんだかあんまり満喫できそうに無いな・・・。
Chrisが話を続ける。
「ただ思ったんだが、ヘリコプター(のスケジュール)を明日の朝にまわせば、今日全員が
ハイキングに行けるな」
もちろんお得なそっちでしょ!満場一致で決定。
ビジターセンターの駐車場に到着。Chrisがランチの準備をしている間、我々はフリータイム
なのだが・・・英語が聞き取れず出遅れてしまう。Chrisに再度説明してもらっているところへ
Dominiqueがやって来た。トイレ経由でマーサーポイント(Mather Point)へ連れて行って
もらう。
グランドキャニオン、その名の通りまさに大渓谷。 相変わらずの雄大すぎる風景に身震いが
止まらない。そのあまりに壮大な景観に、きっと他に呼びようがなかったに違いない。
見渡す限りの大渓谷。 実際に対峙しなければ分からぬ迫力。
「そろそろランチの仕度、できたんじゃないかしら」
Dominiqueの声で現実に引き戻される。もう少し堪能したかったが、明日もここで日の出を
迎えるらしい。今は我慢しよう。
そろそろ残りの食材も使い切りたいというところで、テーブルにはいつものトルティーヤを
はじめ、様々な食べ物が並ぶ。
タトゥのDannyが悲鳴を上げる。
「シリアルに牛乳を注ぎたいんだけど、平らな皿しかないよ!」
定番のトルティーヤ。 皿の端を折り曲げ、牛乳を注ぐDanny。
「Nobu、この後は18時までフリータイムだ。ここから1時間から1時間半かけてグランド
キャニオン沿いの道を歩き、余った時間で渓谷を少し下りてみたり、集合場所のブライト
エンジェル・ロッジ(Bright Angel Lodge)でくつろいだりしてくれ」
英語の聞き取れない僕に、個別で説明してくれるChris。
「あるいは渓谷をもっと深く下ってみたいなら、片付けの後に一緒にバンでロッジまで行こう。
早く到着する分、ブライトエンジェル・トレイル(Bright Angel Trail)を長めに下りることが
できるよ。どうする?」
実はブライトエンジェル・トレイルは前回歩いているので、今回は他のルートを歩いてみよう
と思ったのだが、ここからロッジまで歩いても単調な気がしてならない。さらにヤバパイポイント
(Yavapai Point)や先ほどのマーサーポイントはサンセットやサンライズで訪れると言うし・・・。
さて、どうしよう。
「ここから歩いていった場合、途中に何か見どころがあるの?」
「1時間半、ずっとグランドキャニオンが見れるよ」
そりゃそうだ。
前回と同じになってしまうが、やはり広大なグランドキャニオンを体感するには水平移動より
垂直移動か・・・。みんなの出発を見送り、ランチの片づけを手伝う。
今後の予定について話すChris。
Chrisにバンを運転してもらい、ロッジへ移動。乗車しているのは僕と韓国人のJolieだけ。
意外とアクティブな娘だなぁ。
「違うの。紛失したパスポートの件でChrisに問い合わせてもらうの。時間が余ったら少しだけ
下ってみるわ」
どうやら今回も1人で下るらしい。
「じゃあNobu、18時にこのロッジに集合だ」
ロッジでトイレを済ませ。トレイルのスタート地点へ向かう。
前回訪れたのが8年前。記憶も全くよみがえらず、途中の売店で道を尋ねながら移動する。
おっ!プラトーポイント(Plateau Point)が見える。丸一日かけて、よくあんなところまで
行ったものだ。
美しい景色やかわいらしいリスたちについつい足を止めてしまう。それにしたって、トレイルの
入口までこんなに距離があったっけ?
道の途切れる崖の先端がプラトーポイント。 もちろん今回はあそこまで行けない。
いたるところでリスを見かける。 いつまでも眺めていたい。
下り始めて早々に岩のトンネルが現れる。その脇に目をやると・・・。
え!?あの人、何やってるの?
どうやってあんなところに行ったんだろう?
答えはトンネルの向こう側にあった。
ここから行ったのか・・・。って、立入禁止じゃないの!
時間が限られているため早足で下る。しかし写真を撮ったり、靴に入った小石を取り除いたり
していたため、同じ人を何度も追い越し、追い越される。
おかげで「あなたとはよくお会いしますね」と笑われてしまう。
どこをとっても絵になる。 足を止めてばかりで先に進まない。
そろそろ本腰入れて下ろう!黙々とつづら折りの道を下り続ける。
ところが、たかだか数10メートル下ったくらいでは全く麓に近付いている気がしない。
それどころかさっきまでの位置と変わっていないのでは・・・。
1時間少し下ったのだが、結局桁違いな自然の大きさを思い知らされただけであった。
16時も回ったので折り返すことにする。
まだまだ先は長く・・・。
いざ引き返すとなると、今度は巨大な岩の壁が僕の前に立ちふさがる。
こんなに下って来ちゃったの?と先程とは真逆の思考回路に組み替わる
普段運動していないだけあって身体が重い。いや、あるいは昨日のホースシューベンドの
せいか。脚が全く上がらない。
追い討ちをかけるように降り始めた雨が、集中力を低下させる。次第に強くなってきたので、
仕方なくトンネルで雨宿りしながらポンチョを羽織る。濡れたポンチョを乾かし、たたむのは
正直なところ面倒なんだよね。
この高さを上るの!? みんな雨宿り。
せっかくポンチョを取り出したというのに、あっさりと雨が上がってしまう。
こんなことなら多少濡れてもこのまま歩けばよかった。
心臓も肺も破裂しそう。進めば進むほど休憩の間隔が短くなっていく。
17時半か。こりゃ18時に間に合いそうに無い。スマン、みんな。
いつでもどこでもヘロヘロ。 絶対、間に合わないって!
もう、勘弁してくださいよ!
あれ?よくよく時計を見たら、今17時。
一体いつから1時間見間違えていたんだろう?
急いで上っていた自分がバカみたい。もう少しペースを落とそう。
チクショウ、楽しそうにダイブなんぞしやがって! ハート型の岩。
太陽も姿を見せ、ゴールまでももう少し。
最初のトンネルをくぐり、記念写真を撮っているとGeorge & Gemmaコンビが下りてきた。
Gemmaが驚いて尋ねてきた。Georgeは相変わらず無愛想。
「どこまで下りて来たの?何か面白いものあった?」
「どこまでというより、1時間ちょっと下って引き返してきただけだよ。特に何も無かったけど、
大自然を体感してきたよ」
「私たち、これから下るんだけど、どこまで行けるかな?」
「今からだとそんなに先には行けないんじゃないかな。だけど、少し先にある岩のトンネルなら
行けると思うよ」
快晴まではほど遠い。 ゴールまであと一息。
記念撮影。 行き交う人々に笑われる。
ついたーーーーっ!!
水平ルートを歩いていた他のメンバーもこの時間帯に辿り着いたらしく、ちらほらと出くわす
ようになる。彼らにトレイルのスタートの場所を教えながらロッジまで戻る。
さてと、運動の後のビールでも飲みますか!
何気に入ったロッジの土産屋で、心惹かれるステッカーを発見。早速レジへと持って行く。
店員の女性は学生のアルバイトであろうか。不慣れなのか、計算が苦手なのか、なんだか
見ていて心許ない。案の定、釣り銭が足りていない。当然、足りない分は返してもらったが、
もう少ししっかりしてもらいたいものだ。
さて、ビールだ!と、隣りのレストランに入って気付く。
しまった、ステッカー、レジに置いたままだ!
どうやらしっかりしなければならなかったのは、僕の方だったらしい。
そういえば、ステッカーは?
◇◆比べてみよう◆◇
よくもまあ、あんなところまで歩いて行ったものだ・・・。
プラトーポイントにて。 いろいろな人と出会い、いろいろな事に気付かされた
いいトレッキングだった。