【終了しました】

8月8日(土)〜8月21日(金)『夜叉ヶ池』風組版

有料配信!!


暑い夏、お家での舞台鑑賞はいかがでしょうか。配信チケットは以下でお手続きください。


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朱の会Vol. 8 泉鏡花『夜叉ヶ池』
原作 / 泉鏡花    翻案 脚色 / 夢乃玉堂
2025 年 5月28日(水)~ 6月1日(日)
中野スタジオあくとれ 


【物語】

 大正二年のある夏の日、越前の国、三国岳の麓の琴弾谷のある村に一人の男がやって来た。男は諸国を旅する山沢学円という学者で、行方知れずの友人 萩原晃を探していると言う。偶然出会った美しい百合という女性にそう語る山沢。なんと百合の夫はその萩原であったのだ。山沢と再会した萩原は、自分がこの地に住み着いたいきさつを語り始める。

 ➖山麓の鐘を日に三度つかなければ、夜叉ヶ池に封じ込められている竜神が暴れだす➖

 鐘を守り続けてきた老人の死後、萩原はその意思を継ぎ、百合と結婚して村にとどまり鐘をついてきたのだった。再会を喜ぶ二人。

 一方、未曾有の日照り続きに村人たちは苦しめられていた…

 卑小な人間の世界が、神の世界の前であらわになる、幻想と伝説の世界。    


【夢を繋いで・・・】朱の会主宰  神 由紀子

 本日はご来場ありがとうございます。2018年から朗読を主軸に活動を続けてきた〈朱の会〉初めての芝居『夜叉ヶ池』。じつは当初は朗読劇の予定でした。泉鏡花『外科室』を朗読用に翻案されたことのある夢乃玉堂さんから、朱の会の為にお手伝いしますよと声をかけていただき、『夜叉ヶ池』の朗読劇構想がスタート。語り部のおばぁを登場させ物語を進めていく案で第一稿を仕上げていただき、さて演出はどんな風に・・・と、考え始めてすぐ、この作品は朗読劇では絶対に無理であると思い至ります。“このスケールの大きさは芝居でないと”〈朱の会芝居公演〉へと舵を切り直しました。 
 さて初めての芝居づくりですが、配役がなかなかぴったりで、本読みから出演者の熱量の高さに驚かされました。芝居とはここまで人間を熱くさせるものかと、自分自身よその演劇公演に俳優で参加してきているのに改めて感じたり、面白いものです。泉鏡花の作品の魅力、凄さのなせる業でもあるでしょう。
 
 泉鏡花とのはっきりとした出会いは、1992年公開の映画『外科室』(坂東玉三郎監督、幻想的な映像美が印象的)。それから時を経て、阿部寿美子先生の朗読教室で再会しました。
 阿部先生は俳優座の1期生(正確にはまだ養成所は存在していなかったよう)で、在団中、そしてフリーになられてからも舞台、映画、吹き替え、ラジオドラマ、TVドラマとあらゆるジャンルの第一線で活躍された女優さんです。その阿部先生がもっとも大切に取り組んでおられたのが“朗読”で、阿部先生主宰の朗読教室「半夏生の会」2004年の立ち上げから12年間わたくしは参加、指導を受けてきました。
 その朗読教室で泉鏡花作品をテキストにすることがあったのです。阿部先生が辻村ジュサブロー氏(人形作家)と行った人形劇(語り:阿部寿美子 人形操作:辻村ジュサブロー)の台本である泉鏡花『風流蝶花形』『化鳥』を、なんとか声に出して読みました。泉鏡花の師匠である尾崎紅葉『二人比丘尼 色懺悔』(阿部先生NHKラジオで朗読)も無理矢理最後まで。当時何が何だか・・・でしたが、今では貴重な経験だったと感謝しかありません。


【泉鏡花】

明治6年(1873年)彫金師と能楽師の血を受けて金沢市に生まれ、10歳のとき最愛の母・鈴を喪う。美しい母への追慕、それに代わる“幻の姉”への憧憬は、生涯を通じて作品のすべてを彩ることになる。23年の上京後、尾崎紅葉の門下となり、明治25年19歳のとき「冠弥左衛門」の新聞連載で文壇デビュー。21歳のときには「義血侠血」22歳では「夜行巡査」「外科室」を発表。観念小説と称され脚光を浴びる。「照葉狂言」(1900年)以降は浪漫主義的作風に転じ、江戸文芸の影響を深く受けた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで、幻想文学の先駆者と評されている。

〈鏡花の影響を受けた文豪〉谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、夏目漱石、芥川龍之介 

〈代表作〉「高野聖」「婦系図」「歌行燈」「天守物語(戯曲)」「海神別荘(戯曲)」

 

〈三島由紀夫と澁澤龍彦 対談より〉(1969年1月)

三島由紀夫と澁澤龍彦が鏡花の戯曲「山吹」を絶賛し意気投合。その際の三島由紀夫の言葉が印象的

 

― 鏡花は、あの当時の作家全般から比べると絵空事を書いているようでいて、なにか人間の真相を知っていた人だ、という気がしてしようがない ―

 

【翻案・脚色:夢乃玉堂】

鏡花作品には「違和感」が埋め込まれている。

それは文語体による幻惑であったり、破綻すれすれの展開だったり、行動の背馳だったりする。

ところが、それらを凌駕する凛としたセリフや行動が後に待っているのだから、読者はついつい引き込まれてしまうのだ。綺麗にまとまり過ぎない、違和感に基づく不安定な引力。それはある種の呪術なのかもしれない。

今回の『夜叉ヶ池』では、うつつとあやかしの境界線がその役目を担っている。妖怪・精霊と人間たちが互いに鐘(契約)を巡って影響し合って存在する図式に、舞台と観客の間に乖離が起きないよう登場人物に現代的行動や表情を加えたセリフを織り込み、語りやすく組み直したが、合間に言葉の齟齬を織り込むなど、「違和感に基づく不安定な引力」を失わないように変化を付けている。舞台に展開する物の怪、純愛、現代的感覚の境界線を時に転げ落ちながら、鏡花の呪術を楽しんで頂ければ幸いである。

〈夢乃玉堂〉

TV・CMなどのディレクターとして2000本以上の作品で企画・演出・脚本。

現在は定期的に幻想的作品や怪談・ホラーなどを発表している。Amazon電子書籍にて短編集などを発売中。


【登場人物・配役】

 

◆琴弾谷 

萩原晃(鐘楼守) 髙井康行 

百合(晃の妻) 日髙悠美       

山沢学円(文学士) 三瓶裕史

 

◆回想

弥太兵衛(先代の鐘楼守) 中野順二

泰澄大師(旅の僧侶) 高橋壮志

 

◆妖怪たち〈眷属〉

白雪姫(竜神の声) 神 由紀子

湯尾峠の万年姥 平山真理子

木の芽峠の山椿 木村優希(風組) 清水川千紘(星組)

白男の鯉七 佐藤英征(風組) アンディ本山(星組)

大蟹五郎 安藤俊昭(風組) 山本祐路(星組)

黒和尚鯰入(剣ヶ峰の使者) 竹廣零二

鯖江太郎 高橋壮志

鯖波次郎 福冨 翔

虎杖の入道 藤本 至

十三塚の骨寄鬼 中野順二

影法師 那由多凛

笠(声) 日髙悠美

 

◆鹿見村の人々

お政 那由多凛

神官(鹿見宅膳) 宮沢 天

教師(斎田初雄) 高橋壮志

力士(小烏風呂助) 福冨 翔

村人A(畑上嘉伝次) 竹廣零二

村人B(田野松三) 鯉七役兼任                                     

代議士(穴隅鉱蔵) 藤本 至

伝吉(博徒) 中野順二

その手下(梅吉) 大蟹役兼任

 

【スタッフ】


原作  泉 鏡花

 

脚本 (翻案・脚色) 夢乃 玉堂

演出  神 由紀子

音楽  余田 崇徳

照明  由利 優樹 

美術  加藤 ちか

衣装  朱の会

衣装協力  阿部美千代

衣装協力  小春家

舞台監督  荻野 貴継

写真撮影  天神木健一郎

動画撮影  小出 元太 

スライド   高畑 洋平

チラシデザイン 古川 寛章

チラシ絵   坂畑 杏

会場係   渋沢 やこ いまいゆかり 羽生 直人

制作協力  J-Stage Navi    平田 愛奈

 

企画 製作 制作  朱の会 (小川由紀子)         

 

 

助成 : 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京       

   【東京ライブ・ステージ応援助成】

 




金沢の泉鏡花記念館を訪ねました。


鏡花が幼少期によく遊んだと言われる神社の境内。


鏡花の生きていた頃の匂い漂う










【星組】アンディさん、清水川さんは居ない日。ユーロくんは黒子帽かぶってます。