6日に歌舞伎座昼の部、芝居前と関の扉を見てきた。
まず、芝居前、猿若祭50年を寿いで、男伊達女伊達に、仁左衛門親子の呉服屋夫婦と福助、芝翫の猿若町名主夫婦に扇雀の芝居茶屋女将が居並んでいる景色は華やかで春を待つ雰囲気が心地よい。居並んだ中では種之助の女伊達が若い娘らしく可愛いのが目立った。仁左衛門は筆者が見た日はちょっと台詞がしどろもどろなところもあったが、17代目、18代目勘三郎の思い出も織り交ぜて、勘九郎に向かい「私の達者な内に勘三郎襲名を」と言った時は場内大きな拍手が起った。勘九郎は笑みを浮かべながら「まだまだです」と言ったが、現在44才。父親の勘三郎が49才で襲名をしていることを考えると、その日も近いと感じる。
関の扉はその勘九郎が期待を上回る出来を見せた。まず、関兵衛の只者ではない古怪さと大きさが出ていたし、踊りも丸く大きく踊っていて、広い歌舞伎座の舞台を埋めるようであった。ぶっ返りになるといよいよこの世ならぬ大悪人の迫力で七之助の墨染め桜の精に詰め寄った。YAHOOによると、この関兵衛、故吉右衛門に習ったそうだ。本来、父、祖父にならい宗貞をやる人だろうが、この役や熊谷など、父祖父を越える役柄の広さを体現している。対する小町、墨染め桜を演じた七之助はやや細い感じはするものの、桜の精らし い、この世の者ならぬ凄みを出していた。宗貞を演じた菊五郎も柔らかみがあって、どこか祖父7代目梅幸を思い出させる演技だった。
