妻が
尿路感染症の疑いで
施設から病院へ入院した。
抗生剤の点滴と
飲み薬で治療したが
・微熱が続き
・血液の炎症反応の
CRPが 下がらない
もしかしたら
・以前に患った 肺の病気の
抗酸菌症かも知れないと
疑いがかかった。
入院先の病院に
呼吸器科はない。
生まれて初めて
妻を 車椅子に乗せて
長尾にある
公済病院の呼吸器科
の診察を受けた。
結果は
・抗酸菌症は異常なかった。
・高齢になると
食べ物を飲み込む力が
弱くなり
口の中の雑菌や細菌が
咽喉や気管支に入り込んで
狭い範囲で炎症を起こす
「慢性的誤嚥症」という
診断だった。
この病気の
治療法や治療薬は
今の所なく
様子を見守るしか
ないと言われた。
予防法は
食べた後や 口の中を
清潔にすることが
大切だと説明を受けた。
妻は
認知症と誤嚥症の
二つの病気に
罹ってしまった。
どちらも治療法はない。
そして
寝てばかりいるので
もう
自力で歩けなくなっている。
「お父さん 私 足腰は
丈夫やろ」 と
はしゃいでくれた頃の
妻の姿が目に浮かぶ。
私としては
どうしてやることも出来ず
地団駄を踏んでいる。
歯がゆくて
悔しくて
不憫でならない。
もう入院して
1ヶ月になろうとしている。
私は
毎日 妻の好きな
飲み物と食べ物を持って
見舞いに行っている。
自分では
食べられないので
食べさせている。
「お父さん ありがとう
これ美味しいね」 と
ニコッと笑って食べて
くれている。
その顔見たさに
毎日
通い続けている。
ほんとに
可哀想でならない。
「早く元気になって
施設に戻って
みんなと一緒に
歌を唄おうよ」
いうと
歌の好きな妻は
「はい。」 と弱々しく
応えてくれる。
これが唯一の
励ましの言葉だった。
「豊子。 頼むから
早く元気になってくれよ」
と毎日祈っている。