◆(田中たかのり議員) 私は,右京区選出の田中たかのりでございます。繁隆夫議員,椋田隆知議員に続き,自由民主党京都市会議員団を代表し,質問をさせていただきます。
 世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。私たちの生活スタイル・価値観を大きく転換させ,まだまだ先が見えない状態でありますが,京都市民の皆様と力を合わせ,一日も早い収束,復興に取り組まなければなりません。今年は,京都市にとって京都市基本計画の第2期「はばたけ未来へ!京プラン」の最終年度であり,次期京都市基本計画策定に向けた取組を進める10年間を振り返る,また次の10年間を見据えた節目の年であります。現在京都市のおかれている現状を踏まえ,新型コロナウイルス感染症とどう向き合うのかウィズコロナ対策,収束した後のアフターコロナ対策もしっかりと考え,次期計画を策定していかなければなりません。そのことを踏まえ質問に入ります。
 まず,スタートアップ・エコシステムについてお伺いいたします。スタートアップ・エコシステムとは,京都の経済2019の記載をまとめると,世の中を変えるようなイノベーションを引き起こす,ベンチャー企業が次々と生まれる仕組みという説明があります。京都市は,国が企業環境の整備を進める整備を集中支援するスタートアップ・エコシステム拠点都市に,特に全国で3箇所程度のグローバル拠点都市に京都・大阪・神戸の3都市で応募され,選定結果を待っているところです。グローバル拠点都市には,東京,福岡の2都市が有力と言われ,あと一つの枠を京阪神と,愛知との争いではとお聞きしています。京都市は,戦後生まれたベンチャー企業が今の京都経済をけん引する世界的企業に成長した一方で,近年,開業率が全国平均より低く,次世代を担う京都企業が少ないというのが現状です。そんな中,昨年3月に京都経済センターの開設,地元金融機関と連携したファンドの創設,京都スタートアップ・エコシステム推進協議会の設立など,京都市はもちろん京都府,地域企業,大学,経済界,金融機関,産業支援機関のオール京都でスタートアップを支える体制ができました。
 また,京都は,歴史,伝統,文化を市民が継承し,伝統と革新により,異なる文化や価値観の調和・融合で発展してきたイノベーションのまちであり,全世界から15万人の学生が集まる大学のまちでもあります。さらに近年は,パナソニックやLINEなどの研究施設に加え,有望なベンチャー企業の成長を加速させるための支援を行うアクセラレーターが相次いで拠点を構えるなど,京都市民と産・学・官の連携を図りながら,京都のみならず世界の起業家が新規事業を育むエコシステムも構築されつつあります。これだけの環境が整いつつある今,市長はどういった企業を望むのかを明確に示すことが必要であります。私は,京都には,この京都の抱える社会的課題の共有し,そしてその課題を京都のまちで実証実験,そして,京都市とベンチャー企業の人材交流,京都の成長と共に持続可能な範囲で成長するベンチャー企業が求められると思いますがいかがお考えでしょうか。
 次に,京都市のデジタル・トランスフォーメーションについてお伺いいたします。デジタル・トランスフォーメーションとは,デジタル機器を使って今まで人の手で行っていた作業を効率化したり,顧客が喜ぶサービスを提供したり,大量のデータから新しい価値を見つけて新しいサービスを生み出したりするデジタル化のことです。新型コロナウイルス感染症対策の特別定額給付金の支給には,手作業による送付先の名簿の整理・発送から受付・申請書類の整理,情報の入力などの事務に大都市ほど,世帯数が多く時間が掛かります。マイナンバーカードによるオンライン申請の手続もありますが,受け付けた情報は,全てがデジタル化されたわけではなく,職員の手作業で確認されるとも伺っています。今回の給付に当たり,事務経費は全国で約1,500億円。仮に,今後も同様の事務が行われる場合は,前回,自治体に申請した口座と同じでいいのかというのを郵送で確認する必要などがあり,その度に同額の経費が掛かるという話になります。こういった手続をオンラインで完結することが多い欧米と比べると,人海戦術で対応する日本では,スピードもコストも見劣りするのは明らかであります。今回の特別定額給付金は,自治体がプライバシーの保護も考えつつ,行政のデジタル化を進める必要性を実感する機会となっています。国においても,昨年5月,行政事務のスピードアップとコストダウンを進めるために,行政手続を電子申請に統一するデジタルファースト法を成立させました。また,近年,行政・地域のあらゆる部分にテクノロジーも活用して,住民本位のデジタル・トランスフォーメーションを進める自治体が増えてきています。
 行政におけるデジタル・トランスフォーメーションとは三つ。一つ,デジタルでできることはデジタルで,またテレワークやフリーアドレスなど,自由な働き方で効率良く働ける行政業務のデジタル化。二つ目,手続を全てデジタルで完結するデジタルファースト,提出した情報は二度と提出を求めないワンスオンリー,複数の手続を一度で済ますワンストップなどの住民にとって便利な行政サービスのデジタル化。最も重要なのは三つ目,環境やエネルギー,人口問題などの都市を取り巻く社会的課題をAIやビッグデータなどを使って,自動運転や遠隔医療,遠隔教育など,新しい技術とアイデアを組み合わせ,その相乗効果で解決する次世代のまちづくりを目指すスーパーシティ構想に象徴されるまちの全てのデジタル化の三つが考えらます。
 かつて,オムロンの創業者立石一真氏は,機械にできることは機械に任せ,人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきであると言われました。今,デジタルにできることはデジタルに任せと置き換えると,デジタル・トランスフォーメーションより,更なる創造的な活動が生み出され,持続可能な京都市の成長にもつながるのではないでしょうか。京都市でも,デジタル・トランスフォーメーションを進めるには,デジタルに余り慣れていない方も含め誰もが使える,そして何のためにするのか,行政との信頼関係などの明確なビジョンと方向性を市長が示すことはもちろん,それをけん引していく権限のあるリーダーの選任とデジタル技術に詳しいIT分野の人材獲得が必要だと思いますがいかがですか。
 次に,京都市の地域コミュニティ活性化推進計画についてお伺いいたします。京都市は,地域の力で支えられています。その核となるのが,町内会・自治会,自治連合会をはじめ,体育振興会,自主防災会,少年補導委員会,社会福祉協議会,地域女性会,民生児童委員会,交通安全推進会,保健協議会,消防団などの各種団体であり,地域の福祉や健康,安心安全など地域コミュニティの支えとなっています。特に,町内会・自治会の活動は,京都市地域コミュニティ活性化推進計画でも京都の発展に大きく寄与してきたとあります。
 しかしながら,近年,退会したい理由として,高齢のため,子供たちが大きくなった,役をやるのが嫌だということなどで町内会・自治会を退会される方が見受けられ,地域コミュニティの更なる活性化に取り組む必要があります。しかし,町内会に入りましょうと声を上げても限界はあります。だからといって町内会に入らなければならないと強制することもできません。税金を払っているからといって何から何まで行政がやってくれるというわけではありません。まちの安心安全は,警察や消防だけが守ってくれると思っているものも,実際は,自主防災会や少年補導委員会,消防団などの地域コミュニティを支えていただいている個人や団体のサポートなしには成り立ちません。まちの課題にも,これまでも,市民や地域コミュニティなどの協力で解決してきたのではないでしょうか。今の現状を例えますと,バケツリレーに例えると,始めと終わりには行政がいるものの,間をつなぐ市民が一人抜け二人抜けていき,残された一人一人の負担が大きくなってきているのが現状です。次期京都市地域コミュニティ活性化推進計画では,まちの課題解決には,地域コミュニティを支える個人・団体が大きな役割を果たしていることをお伝えするのはもちろんのこと,スマートフォンアプリなどを活用し,地域に参加したり,パブリックコメント等に協力すると,利用者に自治体ポイントや地域デジタルマネーを付与するなど,インセンティブも考えられるなど,誰もがまちの課題に参加していただける仕組みを考えることによって,地域コミュニティの活性化につなげる必要があると思いますがいかがですか。
 ここで前半の質問を終わります。

○議長(山本恵一) 門川市長。
 〔門川市長登壇〕

◎市長(門川大作) 田中たかのり議員の御質問にお答えいたします。
 スタートアップ・エコシステムについてでございます。新たな技術や斬新なアイデアと,その融合によって,社会を変える新しい価値を創出するスタートアップは,経済と社会の活力を生み出すエンジンとなるものであります。近年,世界的なリーダーとしての役割を果たしているイノベーション創出支援企業が続々と京都に進出するなど,スタートアップを支援する環境は京都でますます充実してきております。そのような中,この4月には京都経済センターの京都知恵産業創造の森に,京都市,京都府,経済界,大学,スタートアップ支援組織等と課題を共有し,連携と交流を推進するスタートアップ推進部が設けられ,本市も新たに2名の職員を派遣するなど積極的な役割を果たしているところであります。
 しかし,今般のコロナウィルス感染拡大により,世界中でスタートアップの資金調達が苦戦されるなど,事業継続に不安を抱え,このままでは将来の成長につながるイノベーションの芽が絶たれてしまうのではないかという状況も生まれてきております。そのような状況下でありますが,京都において医療,福祉,教育,文化等の様々な分野で,これまで想定できなかった新たな課題が顕在化している今こそ,確たる哲学,そして新しい技術,文化,芸術,斬新な発想でイノべーションを起こし,社会的課題を解決していくスタートアップを力強く推進するとともに,京都の中小企業や伝統産業,大学等の活性化につなげ,コロナ禍を乗り越えていかなければならないと考えております。このような大切なときに,スタートアップの都を目指すオール京都の取組のすばらしいリーダーとして御尽力されていた立石義雄前商工会議所会頭が志半ばで御逝去されたことは誠に無念であります。その御遺志を引き継ぎ,京都から全国を,また世界をリードするスタートアップを創出し,社会的課題の解決へ貢献できるよう全力で取り組んでまいります。
 次に,コミュニティの活性化についてでございます。住民自治の伝統と支え合いの精神が受け継がれてきた京都におきましても,地域コミュニティの核である自治会・町内会の多くは,高齢化や担い手不足の課題を抱えており,また,現在は新型コロナウイルスの影響で,会合や戸別訪問等,人との接触を自粛していただかなければならない危機的な状況にある,そんな状況であります。
 一方で,地域でのつながり・きずなの重要性を再認識されているところでもございます。このようなときにこそ,市民の皆様に地域コミュニティの重要性をしっかりとお伝えするとともに,地域活動への参加につなげていくことが重要であります。京都市ではコミュニティ活性化推進条例を制定し,自治会・町内会の運営等に関する相談窓口であります地域コミュニティサポートセンターの設置・運営をはじめ,自治会加入の意義を分かりやすくお伝えする地域活動ハンドブックや困ったときのヒント集の発行などを通じ,活性化へ成功された事例を共有し,地域の実情や課題に応じた支援に取り組んでおります。現在,地域コミュニティ活性化推進計画の改定に向け,審議会で御議論いただいているところでございますが,田中議員の御提案も踏まえまして,SNSやアプリを活用した自治会・町内会活動への参加促進やコミュニケーションの円滑化等につながるICTの活用方法についても広く議論を深めまして,地域コミュニティの更なる活性化に向けて,京都が誇る地域力を守り,育て,発展させる取組をしっかりと推進してまいります。
 以下,副市長が御答弁申し上げます。

○議長(山本恵一) 岡田副市長。
 〔岡田副市長登壇〕

◎副市長(岡田憲和) デジタル・トランスフォーメーションについてお答え申し上げます。
 本市では,情報通信技術いわゆるICTの発展に的確に対応し,市役所業務の改善・効率化はもとより,市民サービスの向上や地域経済の活性化などを図るため,本市の情報化に関するビジョンであります京都市高度情報化推進のための基本方針を策定し,戦略的かつ積極的なICTの活用,情報資産の厳格な管理の徹底という基本方針を掲げ,市長を先頭に主体的にICTの戦略的かつ積極的な利活用を推進しているところでございます。直近では,単純かつ定型的な作業を自動化するRPAの導入や紙文書をイメージスキャナ等で読み取り,データ化するAI-OCRの導入などにより,事務の効率化を図っております。また,令和元年12月には,デジタル行政推進法が施行され,国や地方公共団体におけるICTを活用した行政の推進に関して,行政手続を原則,電子申請に統一するデジタルファーストなどの基本原則が定められたところであり,法の趣旨を踏まえた取組を一層推進してまいります。
 職員の体制につきましては,これまでから民間企業等職務経験者採用試験等において,ITやデジタル技術などに詳しい人材を積極的に採用し,高い専門性が求められる職場に重点的に配置しております。今後とも目覚ましいスピードで進展する高度情報化社会に対応できる組織運営に努めますとともに,新たな社会を見据えたデジタル技術の知見等を高度情報化推進のための基本方針に盛り込み,更なる行政のデジタル化を推進し,市民サービスの向上,業務の改善,効率化を図ってまいります。以上でございます。

○議長(山本恵一) 田中たかのり議員。
 〔田中たかのり議員登壇(拍手)〕

◆(田中たかのり議員) 御答弁ありがとうございました。
 スタートアップについては,もっと具体的に京都市が解決したい社会課題を終始,ここ京都で京都市民と京都市と一緒になって実証実験に取り組み,イノべーションを起こすスタートアップ企業を引き寄せていただきたいと思います。
 また,デジタル・トランスフォーメーションについては,答弁いただいたデジタル機器を単なるデジタル化ではなくデジタル化によって今までと違う新しい価値観を創造し,生活様式や働き方のいい意味での変化のあるデジタル化を進める必要があります。例えば本をネットで買うということが単なるデジタル化であれば読みたいときに電子書籍を買う,またおまけに重たい本を持たなくても済むというのがいい意味での変化のあるデジタル化であります。真のデジタル・トランスフォーメーションの実現にはどの自治体もそうですが,京都市も今後不足するIT分野の人材が明らかに足りていません。そのことを申し上げ,経済産業省が警鐘を鳴らすデジタル・トランスフォーメーション2025年の崖から落っこちないように,今この瞬間にスイッチも入れていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 次に,不妊治療についてお聞きします。不妊治療は保険適用外です。これは,体外受精などは患者の生殖機能を直接改善させる行為ではないため,疾病に対する治療なのか判断が難しいからだそうです。病院によって価格にばらつきがあり,例えば,体外受精では1回30万円から50万円と高額です。保険適用外のためにもちろん全額個人負担です。国などの制度により,所得,年齢,回数などの制限付きで治療費の助成はあるものの,不妊治療で生じる悩みは治療費だけではありません。
 厚生労働省によると,不妊治療を続ける方の中には,経済面の負担感と共に,身体面や精神面の負担,妊娠・出産に至らない辛さ,夫婦間の関係性の変化,生活・仕事と治療の調整,治療の終結の決断など,様々な悩みが生じていくことがある。また,通院先の医療機関に対しては,結果が伴わない治療内容や医師とのコミュニケーション不足に不安とストレスを感じる場合もある。治療の結果は常に期待と不安が伴い,出口の見えないトンネルに例えられることもあるほど心身共に疲弊する。自責の念や子供のいる友人と疎遠になるなど,ネガティブな感情や環境の変化が起こることもあるとあります。実際,不妊治療の集中する病院では,人があふれ,予約が取りづらく,流れ作業化しているのではとの声もあります。高額な治療費にもかかわらず,患者が多すぎるので,一人一人の診察時間も短く,ゆっくり相談できず,時には違う治療を指示されることもあるそうです。決して病院側が手を抜いているわけではなく,明らかに受け入れる患者数と病院とが合ってないということです。
 近年,5.5組に一組が不妊治療に取り組んでいるにもかかわらず,社会や会社に余り現状を知られていないのではないでしょうか。不妊治療は,急に治療日程が決まることもあり,仕事を続けるのが困難となり,辞めざるを得ない方もいらっしゃいます。京都市は,不妊治療に取り組んでいる夫婦の生活・仕事と治療の悩みを助成を受けられている方も助成を受けられていない方にもしっかりと調査し,不妊治療に取り組む方々に寄り添った独自の制度も考えられてはいかがでしょうか。
 また,現在,京都市の不妊不育の相談事業すずらん相談会・交流会については,年間100万円の予算を計上されておりますが,利用者が少ないともお聞きします。周知不足なのか,相談しにくいのかは分かりません。京都府も同様の相談事業,妊娠出産・不妊ほっとコールなどと連携して電話,メールなどのほかにSNSも活用し,不妊治療に取り組む方々に寄り添った相談しやすい事業とされてはいかがでしょうか。子育て環境日本一と同時に,子宝・子授かり環境日本一も目指してはいかがでしょうか。
 次に,北部山間地域の関係人口についてお伺いいたします。京北地域は,豊かな森林や清流などの美しい自然環境に恵まれ,その中にすばらしい文化や伝統,そして何よりも温かな人のきずなが息づいています。今年度は地域の要望でありました京都京北小中学校が開校いたしました。これまでに御尽力いただきました皆様には心から感謝申し上げます。
 さて,今年で京北地域は,合併から15年。5年前に策定された「京都 京北未来かがやきビジョン」は,10年後の京北の目指す未来像を明文化したものであり,今年はその折返しの年であります。また,過疎地域自立促進特別措置法により策定した京都市過疎地域自立促進計画は,最終年度の年となりました。この5年間も,ビジョンでは目標数値を設定し,移住促進や北部山間かがやき隊員との地域活性化などの取組を進めていただいているものの,人口減少は進んでいるのが現状です。
 そこで,魅力あふれる京北地域を盛り上げていくためにも,人口減少に焦点を当てるだけでなく,京北地域を様々な形で応援してくれるファンを増やす関係人口づくりが重要だと思います。例えば,森林を丸ごとテーマパークにした福井県池田町や体験型農業のテーマパークのある茨城県行方市,閉校した小学校を森林・林業,山村に関わる事業に活用した岡山県西粟倉村,温泉の利用で内陸なのにフグの養殖に成功した栃木県那珂川町,村を丸ごと売り込むブランド戦略に成功した高知県馬路村,IT技術を使って効率的な葉っぱビジネスを展開する徳島県上勝町,島留学で島外からの子供たちが集まる島根県海士町など,アイデアが形になり,取組が伝わり,人が集まる仕組みづくりによって関係人口を増やすことで新たな可能性が生まれた地域はたくさんあります。関係人口を増やすことは,京北地域同様の北部山間地域,北区中川,小野郷,雲ケ畑,左京区花脊,久多,広河原,大原,右京区水尾,宕陰にも地域の皆様と取組を進めていただきますようお願いいたしますが,お考えはいかがでしょうか。
 あと2点要望させていただきます。まず,西京極総合運動公園について要望させていただきます。西京極総合運動公園は,プロスポーツのみならず,全国的なアマチュアスポーツにも使用され,また日頃は,市民の皆様にも公園としても利用されています。私は,かねてよりスポーツの枠を超えた活用をお願いしてまいりました。かつて,工夫・研究してまいりますとの答弁も頂いておりますが,改めて,更なるにぎわい,魅力づくりのためにもスポーツ以外での活用もお願いするとともに,こうした大型施設は,災害時には避難所としても重要な役割を果たすため,西京極総合運動公園だけでなく,京都市内のスポーツ施設をスポーツの枠に捉われず,たくさんの相乗効果の生まれる施設として,活用されることを改めて強くお願いを申し上げます。
 次に,都市計画道路葛野西通,通称七条通の葛野大路通と大門町バス停付近間の道路の拡幅整備についても要望いたします。この区間は,バス路線にもかかわらず,バスの離合が難しい箇所もあるくらい狭く,通行者にとって大変危険な道路です。京都市は,昭和32年に都市計画を決定し,60年以上が経過いたしました。この間,京都市会において請願の採択,京都市の今後事業を実施する路線に位置付けられ,今年度は測量に入るとお聞きしております。これまでの取組には感謝申し上げ,今後,誰もが安心して安全に通行できる道路として整備を進めていただきますよう改めて要望をさせていただきます。
 以上で,私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(山本恵一) 門川市長。
 〔門川市長登壇〕

◎市長(門川大作) 引き続き,田中たかのり議員の御質問にお答えいたします。
 北部山間地域の関係人口の拡大についてでございます。北部山間地域は,豊かな自然や歴史,伝統文化,そして温かな地域コミュニティが息づく,魅力あふれる地域であります。これまで本市においては,北部山間地域全体の活性化も視野に入れた京都 京北未来かがやきビジョンを策定し,地域の魅力発信や移住相談,さらには,地域に根差した活動を行う北部山間かがやき隊による地域の取組支援等,移住促進や定住人口の増加に向けた取組を全庁横断的な体制で推進してまいりました。田中議員御指摘の市民の皆様をはじめ,様々な地域から多様な関わりを持つ関係人口の創出に向けた取組としまして,市民による農業体験や,地域への愛着を育むファンクラブの取組,地元中高校生と管弦楽団とのコンサート,さらには大学生との地域連携活動など,またさらに近年,SDGsの取組などに進めているところであります。また,この間,光ファイバーを利用したインターネット環境整備,また京北地域・花脊地域における小中一貫校の開校,地域水道等の環境整備も進めてまいりました。コロナウイルスと共存していく社会においては,密な都市と対照的な山間地域の価値観が見直される,いわゆる開疎化に向かうという考え方もございます。これまでの取組をいかし,市内外を問わず,より多くの方々に関心や愛着を持っていただける取組を更に推進していくことで,関係人口の拡大に取り組むとともに,地域の皆様と一体となって,北部山間地域の活性化に努めてまいります。
 以下,副市長が御答弁申し上げます。

○議長(山本恵一) 村上副市長。
 〔村上副市長登壇〕

◎副市長(村上圭子) 私からは,不妊治療についてお答えいたします。不妊治療は,身体的,精神的,経済的な負担感と共に,治療に対する職場の理解が得られにくいなど,様々な面において悩みや不安を抱えられる方も多く,その支援の充実は市政の最優先課題の一つと認識しております。このため,本市では約3億5,000万円の予算を確保し,府市協調の下,国制度を更に充実させた治療費の助成を実施するとともに,すずらん相談・交流会やにんしんホッとナビといった取組を通じて,治療に取り組まれる方などの不安や悩みに寄り添った支援を心掛けてまいりました。田中たかのり議員御指摘のすずらん相談・交流会につきましては,助産師の専門的な助言を得られたり,同じ悩みを抱える方同士が思いを共感できる場として有意義ではあるものの,利用者が少ない状況にあることから,更なる取組が必要と認識しております。そのため,まずは助成制度の利用者の方々に対しまして,生活や仕事,治療の悩みなどのアンケート調査を行い,その結果を分析したうえで,職場などの理解が得られやすい環境づくりに向けた啓発やSNSの活用など,これまで以上に,利用者の不安や悩みに応えていけるよう新たな取組について検討してまいります。今後とも,不妊に悩まれる方々にしっかりと寄り添い,支援をしてまいります。以上でございます。