これは2014年5月14日に行われた『ツブヤケナイ大学アイドルビジネス vol.2 イマドキのアイドルの育て方』レポである。
そしてまた『PIP(Platonics Idol Platform)』――批評家・情報環境研究者である濱野智史氏が手がけたアイドルグループ、その結成前夜の異様な熱気を最も伝えるイベでもある。
なぜ今更こんな過去のレポを公開するのか、以下簡単に説明する。
2014年6月15日に総勢22名でデビューしたPIPだが、その後度重なる卒業によりメンバーを次々と減らし、最終的に今年2016年2月28日を持ってメンバー八名のうち七名が卒業という最後を迎えた。
公式に解散のアナウンスは無く、活動休止というのが正確なところだが、PIPというプロジェクトは実質終了した。
PIPは終わった――はずだった。
しかし。
突如、謎に包まれたグループ『・・・・・・・・・』(正式な呼び名はまだ未定。一部通称dots)、そして元PIPメンバー二名が所属する『ICE CREAM SUICIDE』のデビュー。柴崎氏(元あヴぁんだんど運営、濱野Pと共にPIPの立ち上げに関わった)の言葉を借りるなら「PIPの遺伝子」「PIPの残党」と呼ばれる動きがここへ来て急に現われ始める(てかその呼び方柴崎さんしか言ってないわけなんですが……なんなの?)。
まあそれはともかく、巡りあわせでその二つのグループのお披露目に行って、そうしたら周りに懐かしのPIPPERたちがいて、特にアイスクリームほにゃららの方は推しだった子が再デビューして、胸中複雑だけどなんだかんだで超嬉しかったりで、まあ、色々PIPについて振り返ることがここ最近多くなりまして。
で、そこで思い出したのがこのレポ。
確かこのツブヤケナイ大学はTwitterで内容を呟いてはいけないというルールがあって、その分講演者がここだけの濃い話をしてくれるという趣旨だった気がする(全然違ったかもしれない)
注目なのはこのイベで濱野さんがPIPのコンセプトを初披露したこと。確かこの時詳細は伏せてほしいと言っていて、なのでこれは当時仲間内のSNSだけに向けて投稿したものである。とにかく濱野さんの異様な「熱気」を伝えようと思って、そこに心を砕いた(だから大変読みづらい)。
いつかPIPが大成功しブームになったとき満を持して発表するつもりだったが、PIPが残念な形で終了してしまって、このまま埋もれるのはちょっと惜しいかなと思ってたので、思い切ってこのタイミングで発表してみようかなと。
「時代は変わる。だけど僕らは前しか向かねえ!」(死語)とは申しますが、来し方を振り返るのも悪くはないかなと。
なお自分のレポだけだといろいろ不足してる部分が多々あるので、予備知識として以下を参照してもらえるとありがたい。
『ツブヤケナイ大学アイドルビジネス vol.2 イマドキのアイドルの育て方』紹介
Real Sound 『でんぱ組.inc、武道館ライブを達成できたワケ もふくちゃん「我々よりも世間が変わっていった」
でんぱ組.inc@武道館のライブ記事反応ともふく古参という視点
PIPペディア(おまけ・PIPについて知りたい方)
そんな訳で以下レポ。
「必ずレスがある公演」とか言ってたなあ……(遠い目)
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ツブヤケナイ大学アイドルビジネス「イマドキのアイドルの育て方」レポ。
でんぱ組武道館ライブを成功させたばかりのアイドルプロデューサー・もふくちゃんと、最も熱い現場オタであり、新たにアイドルプロデュースにも乗り出した濱野さんの二人ががっつり語る2時間のトークイベ。
もふくちゃんのでんぱ組やディアステの話はどれも面白い。意味合いは微妙に違うかもしれないが、「叩き上げ」感みたいなのが凄い。
「(昔自分が書いたものを読み返して)自分は7年前から何も変わってないんだなと思った。むしろ変わったのは世間の方だった」と語るように「正統派」のアイドルヲタたちからそっぽ向かれつつも、独自の道を貫いたもふくちゃんのブレなさ。
そんなもふくちゃんの「独自の道」を象徴する一つとして「ファッションは大喜利」という言葉が印象に残った。細かい文脈はちょっと忘れてしまったが(汗)、ある時そういう気づきを得て、ディアステではとにかく衣装について「ダサいといわせない」「ダサいという奴こそがダサい」という空気を作ろうと思ったというのは、けっこう深いなーと感じたり。このへんアイドルとファッションの関係性についてあらためて考えさせられた。
でんぱのプロデュースに関してもう一つ、もふくちゃんとメンバーとシェアハウスで共同で暮らしていた話もなかなか印象的。ずっと一緒の「濃い」時間の中で過ごしていたからこそ「何かが生まれなきゃおかしい」と強く思ったという感覚はよく分かるし納得いく。やっぱりなんでも「関係性の濃さ」が面白さを決めるというか。
そしてもふくちゃんの後、濱野さんのアイドルグループコンセプト初お披露目。
「アイドルをつくるアイドル」「再帰的アイドルプラットフォーム」。
グループの展望を示し、武道館で「必ずレスがある公演」を実現という発表に、会場は爆笑したり、ドン引きしたり、とにかく沸いたwww
先のもふくちゃんのでんぱやディアステ話がある種伏線として機能して、濱野さんのプレゼンの尖り具合やキレッキレぶりは最高に高まっていた感じ。自分の目から見てこの時の濱野さんは、去年のガリバー氏のイベントにおけるJJ小野氏ばりの「アツさ」と「カルト」感を放出しまくっていたw
そんな濱野さんにもふくちゃんが先輩アイドルプロデューサーとして「(メンバーにとって)それは辛いよ!」とか「そんなレス乞食じゃないし!」(←これくっそわろたwww)とか即座に反発していたのが見ていて面白かったw 他の参加者も半信半疑の目を向けていて会場の「アンチ」感を良い感じにかき集めてたかと。
でもこれが最終的に「なんかよく分からんが面白いんじゃね?」的な空気に収斂していくから、ますますカルト感あるというかw
いやー、これはもう言葉では言い表わせないですよ。
そんな感じの「濃い」あっという間の2時間。濱野さんのアイドルグループはどうなるのか、ますます期待が高まる。ともあれ6月のお披露目には必ずや駆けつけたいと思います!
○他に印象に残った話題について補足○
①もふくちゃんはでんぱの武道館ライブは「即日完売するまでやらない」と決めていた。そのレベルに達してなければやる意味がない、と。
実際に先行の段階で一万、見切れ席の応募をしたときは数千の応募があったらしい。
②公にしてないがもふくちゃんは元制服向上委員会ヲタwww
「今のグループアイドルの要素はすべて制服向上委員会でできあがっていた」みたいなことをおかしなテンションで語るもふくちゃんに「闇」をビシバシ感じたw
「制服向上委員会が現代グループアイドルのルーツ」という言説は個人的に懐疑的だったが(要は歴史を整理してみたらたまたまそういう風に見えるだけ、みたいな。実態は全然知らんけど)、もふくちゃんや桃井はるこが制服向上委員会ヲタだということを考えると、見えざる影響力は確かにあるのか、、、
③ 実はもふくちゃんは正統派アイドルがやりたい。
WWDは最初おニャン子の「会員番号の唄」みたいなのをヒャダインに注文して、メンバーのパーソナルを伝えたら、後日出来上がったのが「正統派」とかけ離れた暗い歌だったというwww
それをレコード会社に「これナシですよね」と持ってったら「いいね!」とまさかの大絶賛で、否定派はもふくちゃんだけだったwww
こういう経緯があったから次の「でんでんぱっしょん」では明るい曲をやろうとふんだんに盛り込んだそうな。
あともふくちゃんが「(メンバーとか)毎日見てればかわいいと思う。自分の子供ってまさにそういうことでしょ」みたいなこと言って、これ東浩紀の「要は前田敦子はキリストを超えるというのは、だれでも自分の子供のほうがキリストよりも大事ということの言い換え」という言葉を連想した。
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以上。再掲にあたり特に手は加えていない。
今、こうして見返すと、最後のもふくちゃんの言葉「(メンバーとか)毎日見てればかわいいと思う。自分の子供ってまさにそういうことでしょ」、それから過去の自分が連想したあずまんの「要は前田敦子はキリストを超えるというのは、だれでも自分の子供のほうがキリストよりも大事ということの言い換え」という部分にはちょっと驚いた。最終的に濱野さんに子供が生まれて、PIPから離れていったことを知る現在の視点から見ると示唆に富んでいる気がしないでもないなーと感じたり。
まあ、とりあえずさしあたってそんなことはどうでもよくて。なんでこんなものを急に公開したかというと単に自分自身がPIPの思い出に浸りたくなったという、ただそれだけの話なんである。
これを読んであの当時の濱野さんのビジネス感ゼロの、狂ったガチヲタの異常な熱気が少しでも伝わればいいなと思う。
そしてPIPに興味が無い人も、こんな世界があったんだなと少しでも思いを馳せてくれればうれしい。
そんな感じ。