委員会視察2013(1日目:桶川市)【2013年8月28日】 | 田中しんすけ オフィシャルブログ Powered by Ameba

委員会視察2013(1日目:桶川市)【2013年8月28日】

今日も胸を張って、元気よく!!
福岡市議会議員田中しんすけです。

福岡市議会第3委員会は、8月28日から30日にかけての3日間にわたり国内視察を実施しました。この委員会視察は毎年夏の時期におよそ3日間の行程で行われるもので、第3委員会の場合は経済観光文化局、港湾局、農林水産局の3局を所管していることから、毎年順番に担当局を変えて視察先を決めています。
今年は農林水産局が担当するということで、
①水面を活用した再生可能エネルギー開発への取り組み
(埼玉県桶川市)
②牡蠣を利用した水産振興
(宮城県石巻市、東松島市)
③農業の6次産業化への取り組み
(岩手県紫波町)

をそれぞれ訪問しました。

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初日に訪問したのは埼玉県は桶川市。
ここでは、メガソーラー発電施設「ソーラーオンザウォーター桶川」と呼ばれる太陽光発電システムを視察しました。この「水面を活用した」という点がミソであり、全国でも初めての事例だということでした。竣工時期も平成25年7月ということで、まさに稼働したばかりの最新の施設です!
(※上記の写真は、当該施設に併設された環境学習教室)

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上記写真の通り、水面に浮かぶのは大量の太陽光パネル。
設置面積は、およそ3万㎡の後谷調整池(洪水調整機能を持つ大きな池)の40%を占める約1万2400㎡で、発電出力は1,180kW(≒1メガワット!)という大規模な太陽光発電施設です。桶川市担当者の説明では、この発電規模で「年間発電量は、4人家族の一般家庭およそ400世帯分の消費電力に相当する」ということでした。

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実は、これと同程度の発電規模を誇るメガソーラー発電施設は福岡市にもあるのですが(西区中田埋立場に整備されている大原メガソーラー発電所)、桶川市の特徴は、それを活用が難しい「水面」に設置したことです。
桶川市が言うには、このメガソーラー発電ありきというよりも、「行政財産」として保有している調整池を何とか有効活用できないか?、という発想から始まったということ。このような行政財産は桶川市や福岡市のみならず全国の自治体が多く保有しているのですが、一般的にこれら行政財産と呼ばれる施設は維持管理費用がかさむ、財政的に言えばいわゆる「お荷物」のようなもの。それを収益源に変えるための一つのソリューションが、このメガソーラー発電施設の建設というわけです。

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実は、このメガソーラー発電施設の建設や維持管理に関して、桶川市の財政負担はゼロ!
施設の建設・維持管理については民間会社である株式会社ウエストエネルギーソリューションが負担し、その代わりに当該施設で発電した電気を販売(設置期間は20年間)することで採算をとるというモデルを採っているというお話でした。
自治体としては、これまで「負の財産」でしかなかった調整池を利用して財産使用料約180万円と固定資産税などの収入約200万円が入る。民間事業者としては安くで敷地を確保するとともに、20年間の使用協定を結ぶことで安定的な収益が担保されているということで、双方にとってメリットがある形での運営が実現したということです。

再生エネルギー源の開発については、福岡市でも昨年度末に福岡市環境・エネルギー戦略有識者会議による提言がなされ、その中では再生可能エネルギーの規模を、現在の4.5倍(約43.6万kW)まで拡大させるべきという内容も含まれています。
今年度は、河川の水流を利用して電気を生み出す小水力発電に関する取り組みが進んでいる福岡市ですが、今回の視察の成果も踏まえて、調整池におけるメガソーラー発電施設の可能性も調査すべきだと思いました。


田中慎介