少子・高齢化対策特別委員会の中間報告 | 田中しんすけ オフィシャルブログ Powered by Ameba

少子・高齢化対策特別委員会の中間報告

今日も胸を張って、元気よく!!

福岡市議会議員

田中しんすけ33歳でございます。



 海外から帰国して、初めての議会活動。

 本日は、午前中から少子・高齢化対策特別委員会が開催され、これまでの調査活動に関する中間報告(案)が示されました。


 今回の中間報告の内容について、福岡市議会が保健福祉行政に対してどのように認識しており、今後、どのような態度で臨もうとしているかという点について示唆を与えるものであると思いますので、以下にその全文をご紹介したいと思います。



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1.高齢化対策について

 高齢化対策については、平成24年度から26年度までの3年間において、本市の持続可能な高齢者保健福祉施策の総合的な推進と介護保険制度の円滑な実施を図るため、高齢者に関する各種施策の基本方針および具体的な事業ならびに介護サービスの見込み量等を定める「福岡市高齢者保健福祉計画(案)」について調査を行った。


 本市における高齢者人口は、総人口の伸びより65歳以上の高齢者人口の伸びが大きく、高齢者世帯については、平成7年と平成22年を比較すると、高齢者単身世帯は237%、高齢者夫婦世帯は184%と大きく増加している。また、要介護認定者については、要介護認定率が平成12年度の制度開始以来、毎年上昇していたが、18年度以降は19%程度で、ほぼ横ばいで推移し、計画期間中は19.7~19.8%で推移すると見込んでいるが、要介護認定の状況は高齢者数の増加に伴い年々増加しており、平成26年度には約5万7,000人に増加すると見込まれている。要介護認定者数の増加に伴い介護サービスの必要見込み量も増加が見込まれ、第5期介護保険事業にかかる費用の見込みは、国における介護報酬改定率を2.5%と仮定すると、保険給付費と地域支援事業費の合計が2500億円、第4期と比較して23.9%の増と試算される。


 さらに、平成22年度に実施した高齢者実態調査結果などから、

①高齢期を元気で生きがいを持って生活することができる支援体制の構築が望まれていること

②高齢者一人ひとりの状態に応じた、日常的、継続的な健康づくり・介護予防事業を引き続き推進していく必要があること

③高齢者が持つ豊かな知識や経験を活かし、活躍できる地域活動の場づくりや、社会参加活動への支援の充実が求められていること

④いつまでも住み慣れた家庭や地域で自立した生活が続けられるよう、きめ細やかでバランスのとれた介護基盤の整備を行い、高齢者を地域全体で支えるネットワーク機能の充実を図る必要があること

という、高齢者を取り巻く4つの課題がある、との報告を受けた。


 同計画案では、「高齢者一人一人が、生きがいを持ち尊厳を保ちながら住み慣れた地域で自立した生活を安心して続けることができる地域社会の形成」を基本理念とし、

「健康でいきいきとした豊かなシニアライフの実現」

「要援護高齢者の総合支援の充実」

「地域生活支援体制の充実」

「安全・安心な生活環境の向上」

の4津の取り組みの視点を骨格として、その下に14の施策区分を設け高齢者保健福祉施策を総合的に推進するとされている。


 また、その具体的な内容については、

○介護予防事業の推進や地域における健康づくりや介護予防の取り組みに対する支援

○地域全体で認知症高齢者等やその家族を支援するネットワークの充実強化

○地域包括支援センターの相談体制の強化や自治会・町内会等の地域組織や民生委員などが連携した地域の特性に応じたネットワークを形成するための支援

○高齢者の状態に応じた良質な住まいの確保

○「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサルシティ福岡」の実現に向けた都市環境のバリアフリー化の推進

等が盛り込まれている。

 なお、第5期の介護保険料については、第4期より多段階化して、これまで以上に負担能力に応じた保険料を賦課するとともに、乗率の引き下げ等により非課税段階の方の保険料を軽減することとし、また、第4期に設定した特例割合は、第5期も継続するとともに、財政安定化基金や介護給付準備基金を活用していく旨の考えが報告された。


 急速な高齢社会の進展に伴い、高齢者保健福祉施策の総合的な推進と介護保険制度の円滑な実施は重要な課題であり、今後、公平・公正な要介護認定の取り組み、介護保険サービスの基盤整備および質の向上、地域包括支援センターの地域との関わり方、福祉・介護サービス分野の人材確保、保険料等の対策、介護予防の推進、高齢者の権利擁護等について、調査・検討を進めていく必要がある。



2.少子化対策について

 少子化対策については、平成22年度から26年度までの5か年の計画となっている「新・福岡市子ども総合計画(次世代育成支援福岡市行動計画・後期計画)」について、4つの目標ごとに施策を体系化しており、

○目標1

「子どもの権利を尊重する社会づくり」

○目標2

「地域における子育ての支援と健全育成の環境づくり」

○目標3

「子どもを健やかに育む学校教育の推進」

○目標4

「安心して生み育てられる環境づくり」

について、それぞれの目標の概要について報告を受けるとともに、目標4「安心して生み育てられる環境づくり」に関する調査を行った


 本市の出生数については、政令指定都市への移行や第2次ベビーブームなどにより増加した時期以降は、減少、横ばい状態にあったが、平成18年度から増加傾向にあり、平成22年の出生数は1万4,483人となっている。また、本市の合計特殊出生率は、若い独身女性が多いなどの本市の特性を反映して、19政令指定都市中で16位と低く、全国平均より低い値で推移しているものの、平成22年の人口1,000人当たりの出生数は、政令指定都市の中で第2位となっている。


 「新・福岡市子ども総合計画」の4つの目標の一つである「安心して生み育てられる環境づくり」については、施策の基本的方向として、社会全体が「子育て」は次世代を育む重要なことであると認識し、子育てを社会全体で支援する環境づくりを推進することや、子育てに関わるすべての人々が、安心して、夢を持って、楽しく子どもを生み育てられる環境づくりを推進するとしており、

○保健医療の充実と子どもの健康づくり

○保育所整備の推進

○多様な保育サービスの充実

○ひとり親家庭への支援

○ワーク・ライフ・バランスの推進

○子育て家庭への経済的な支援

○子育てに対する意識改革

○子育てを支援する住まいづくり・まちづくり

など、本計画に基づき、安心して生み育てられる環境づくりを目指して、さまざまな取り組みを推進している、との報告を受けた。


 今後、この計画に基づいて展開されるさまざまな子ども施策について、調査・検討を進めるとともに、社会全体ですべての子どもと子育て家庭を支援する仕組みづくりなどの課題についても、引き続き、調査・検討を進めていく必要がある。


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田中慎介