決算分科会質疑(2011年:農林水産局) | 田中しんすけ オフィシャルブログ Powered by Ameba

決算分科会質疑(2011年:農林水産局)

今日も胸を張って、元気よく!!

福岡市議会議員

田中しんすけ33歳でございます。



今日は分科会質疑の中日。

農林水産局関連事業の決算審査が実施されました。


 農林水産局は、その名の通り、農業、林業、水産業といった一次産業の振興にかかわる行政を担当しています。田中しんすけの選出行政区である中央区には農地が全く存在しない(少なくとも、福岡市の農業統計では)し、魚が水揚げされる漁港も抱えていないため、直接その産業を支える市民の方々からご意見をうかがう機会は多くありません。

 それでも、ちょっといい感じ表現すると、「直接のしがらみがない」からこそ、好き勝手に物事が言えるという風に言えなくもないのかと。大所高所から質疑に臨みました。



 農林水産局の決算審議は独特で、農林水産業それぞれに関する施策について、具体的にかなり掘り下げた形で質疑が展開されます。農林水産行政の論点がまだ把握できていない状況の自分にとって、最初に質問した委員の『市街化区域内の農地の固定資産税の在り方について』という質問はかなり新鮮でしたね(笑)

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 市街化区域内の農地は、他の土地種に比べて優遇されてはいるものの、そこから産出される収穫物売上のほとんどすべてが、固定資産税として消えていく。これでは、都心部では農業をするなと言っているようなものだ。市街化区域内の農地にかかる固定資産税を下げられないか?

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という当該委員の指摘も、なるほどごもっとも。行政は、いまでも十分に優遇している、とのつれない回答でしたが。


 さらに、農林水産行政に投下している予算約200億円について、

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 福岡市の農林水産業に従事する人口はおよそ1万人で、全体の1/100にも満たないにもかかわらず一般会計予算の1/40が充てられている、という指摘もあるが、食糧自給率の向上のためには一次産業の振興は欠かせないし、森林や環境の保全にも寄与していることを考えるべき。また、農産品全体が行政から守られているという認識が広がっているが、守られているのはコメだけ。野菜についての関税は平均でおよそ2~3%程度で、世界の野菜と戦っている。

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 なるほど、農林水産業といえば、現在国論を二分しているTPPについても関連があるわけですよね。そのような大きな視点からも議論が出来るのが一次産業の世界か。勉強になります!



 田中しんすけも、農林水産局での決算審議は初めての経験ながら、先輩議員の江藤議員(第3委員会歴が長いベテラン)と役割分担し、いくつかの項目について質疑を行いました。田中しんすけが担当した項目は、農業の担い手育成に関する事業、および事業貸付資金に関するもの。


 農業の担い手育成に関する事業として、農業インターンシップ事業と農業塾に関して質問。どちらも、将来の就労を希望する受講生が農業を営む上で必要な知識について講義を受けながら、現役農家のもとで実際に農作業を体験するというメニュー。事業成果について質してみると、ほとんど100%の受講者が就農までたどり着いているということ。しかも、2つの事業合わせて300万円という決算額。有意義な事業なので、今後は積極的に予算を拡充すべきと指摘しました。

 ただ、広報の仕方が不十分な点も明らかに。農業塾は応募倍率が10倍を超えていたにもかかわらず、同じような取り組みの脳御油インターンシップ事業は1.5倍。前者の広報にも力を入れていただきたい。


 もうひとつは事業貸付金制度

 福岡市は、農林業資金貸付制度と水産業振興資金貸付制度という2つの貸付制度を持っており、それぞれ融資を実行する金融機関に預託金としてお金を預けています。それぞれ、12億円、27億円という予算を組んで金融機関に預託しているのですが、毎年の不用額がそれぞれ9億円と15億円!

 もちろん、この不用額は年度末に福岡市の歳入としてカウントされ、翌年度の預託金として再利用しているという意味では純粋にムダ金とは言えませんが、福岡市全体で見た時の財政運用の在り方としては非常に効率が悪いわけです。たとえば、農林水産局以外の中小企業向けの事業貸付制度に振り替えたり、経済振興局で力を入れているコミュニティビジネスやソーシャルビジネス事業者に対する事業貸付制度の預託金として活用したりと、予算編成時点でもっと検討できるはず。「必要なところに、必要な税金を」という観点からは、見直しを検討すべきだと指摘しました。



 そのほかにも、松くい虫対策を充実させるべきとか、学校給食でのパンを米粉パンに切り替えるべきだとか、市民農園の使い勝手を良くすべきだとか、福岡市で獲れる魚に触れる機会を増やすべきだといった意見も。委員会を移動したら、ますます福岡市の行政に対する理解が深まりますね!




田中慎介