ポケベルです。
ポケベルは1968年（昭和43年）の登場ですが、1986年（昭和61年）位から一般の会社でも使われ始めたようです。
私が会社で営業の外回りを始めた頃ですから、私には思い出深い時代の機器です。
しかし、会社からの支給で、楽しい呼び出しはありません。
1993年のドラマ（ポケベルが鳴らなくて）の主人公の水谷（緒形拳）の様に格好良くなく、裕木奈江みたいな女性と知り合いになれませんでした。
0840（おはよー）0833（おやすみ）の数字の語呂合わせをした記憶もありません。
ただ、会社からの呼び出しで、公衆電話を探すだけでした。
公衆電話用のテレホンカードも流行ってました。
会社にお客様から電話が入る、注文とか簡単な問い合わせは事務員さんが処理してくれます。
（クレーム）の場合は担当者が呼ばれる事になるので、会社からのポケベルの呼び出しで、会社に電話すると（なんとか会社のなんとか部長が、怒ってるから電話してください❗）でした。
それを聞いて、原因を思い出します。だいたい注文が間違ってるとか、まだ届かないとか、納品書の価格が話と違う! みたいな事ですので、心当たりのクレームを会社に調べてもらいます。
そして、（言い訳）を考えます。
なんとか部長の怒った顔が浮かんで電話するのが厭だな〜と、煙草をすったり、缶コーヒーを自動販売機で買ったりします、この時点でポケベルの呼び出しから１時間以上かかってます。
なんとか元気を出して、なんとか会社に電話します。だいたいなんとか部長は居ません。ちょっとホッとして、（また電話します）になります。
するとまたポケベルが鳴ります。営業車を公衆電話で停めて、会社に電話します。
こんどは（かんとか会社のかんとか課長から理由のわからない電話がかかってきたので電話してくれ❗）との事ですので、今度はそのまま電話します。
だいたい、かんとか課長からの値引き交渉です。判りました会社と調整して頑張りますと答えて電話を切ります。
すぐに、ポケベルが鳴ります。
また車を停めて公衆電話から会社に電話します。なんとか部長からまた電話がかかってきたとの事で、今度はすぐになんとか会社に電話するとなんとか部長が出て、（注文品がまだ届かない！）と怒ってると判ります。
それで会社に電話して（なんとか会社の注文がどうなってるのか?）と聞きます。（調べて連絡します）との返事で、次の約束があるから急ぎます。次の会社で打合せの途中でポケベルがなるのであわてて止めます。
打合せが終わって、公衆電話から会社に電話します。
（なんとか会社の注文は、明日夕方に着くと運送会社が言ってるとの事）です。
それでなんとか部長に電話すると、（夕方では間に合わないから午前中に届けてくれっ❗）との事。
また会社に電話して（運送会社に早く着くようにお願いしてくれ！）と頼みます。
そして次の約束地に急ぎます。
また打合せの途中で、ポケベルが鳴ります。
打合せが終わって会社に電話すると、（なんとか会社の商品は運送会社の汐留倉庫に今日の夜入荷するから、夜8時以降に取りにくれば渡します）との話ですと事務員さんが調べてくれたので、（じゃ、夜8時に自分が取りに行って、明日午前中になんとか会社に届ける）事にします。
それから、なんとか部長に電話して（明日午前中に私が持ってゆく）と伝えます。部長は喜んでくれます。
それから会社の仕入れ部長に電話して、（かんとか会社の売価を値引きできないか?）相談します。仕入れ部長は（注文個数を増やしてくれればなんとかする）と言ってくれます。
それから、かんとか課長に電話して、（注文個数を増やしてくれれば安くできる）と伝えます。課長は電話を保留して社長と電話口で相談しています。結果（注文は2倍にするから安くしてくれ！）との返事、喜んでくれると、ただし（支払いを手形にしてくれ）との話、これは会社に相談しないで了解してしまって電話を切る。
あぁ〜と思いながら最後の約束のお客さんの所に行くと（こんなに遅く来ても、担当者は居ない）と言われてしまいます。
またポケベルが鳴ります。会社に電話すると（営業日報が3日出ていない！）と叱られます。
（明日必ず提出します！）と謝り、今日は運送会社に荷物を取りに行くので遅くなると営業部長に断ります。
すると営業部長は（お客さんの言う事をそのまま聞いていてはきりがないので、上手く説得しなくてはいけないと叱られます。）
あまり了解はできなかったが（判りました）と言って電話を切り、汐留倉庫に荷物を取りに行って会社に帰ると９時で、家に着いたのが、10時過ぎました。
妻には（遅くなるなら、電話してよっ）と言われます。
明日早いからもう寝ると言って寝てしまいます。
夕食の残りで缶ビールを飲んで寝ます。
こんな１日で、こんな ポケベルの思い出です❗
おやすみなさい。
