令和6年新宿区議会第1回定例会で「新宿区の創業支援と女性起業家支援について」一般質問を致しました。

2022年11月、政府により「スタートアップ育成5か年計画」が策定されました。
革新的なアイデアで短期的に成長する、創業2~3年の企業であるスタートアップを、官民が、協働で支援することにより、社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現。
投資額を、5年で10倍の10兆円規模にし、将来においては、ユニコーンと言われる評価額10億ドル以上の企業を100社、スタートアップを10万社創出することを、大きな目標に掲げて取組を進めていくというものです。
これまでにない、国を挙げて創業を積極的に支援するという、総合的な計画で、地方自治体にも、地域の特色や社会問題の解決などを踏まえた、創業支援が求められています。

一方、起業家の男女比を見ると、日本政策金融公庫が実施した、「2023年度新規開業実態調査」によると、2023年度の開業者の割合は男性が75.2パーセント、女性が24.8パーセントで、開業者に占める女性の割合は調査開始以来最も高くなったとのことです。
起業する人は男性が圧倒的に多いのが実情ですが、女性の割合が年々高まってきています。
10年前の2013年は15.1パーセント、さらにその10年前の2003年は13.8パーセントであり、この20年間で1.64倍に増加しました。
起業という働き方が浸透してきているため、今後も女性の社会進出が進み、起業家の女性比率は高まっていくと考えられます。
とりわけ、女性による起業は、産業の新たな担い手として、女性ならではの感性を生かした、これまでにない製品やサービスを創造することも期待できます。
起業分野も、女性の特性を生かし、子供、女性向け用品、食品の販売、エステなどの理美容、飲食、家事、介護サービスなど、多様な業種、分野での起業支援が求められると思います。

本区ではこれまでに、どのような創業支援活動が展開されてきたのでしょうか。
それらの活動の変遷、現在の状況と評価についてお尋ねします。
また、本区の女性の創業支援に対する重要性やニーズに対する見解と、今後の女性の創業への支援策についてお聞かせください。

本区は、「産業競争力強化法」に基づき、平成27年10月から、「新宿区創業支援等事業計画」の認定を受け、関係機関と連携・協力して、区内で創業を予定している方や、創業後5年未満の方を支援する「特定創業支援等事業」を実施しています。
 本区の「特定創業支援等事業」による支援を受けた方は、同法の規定により「会社設立時の登録免許税の軽減」、例えば株式会社設立時には、最低でも15万円の登録免許税が必要ですが、それが半額の7万5千円に、
合同・合資・合名会社については6万円の登録免許税が3万円になるなどのほか、
「創業関連保証の特例」としては、日本政策金融公庫の融資関係では、「新規開業支援資金」の貸付利率の引き下げの対象となり、無担保・無保証人で利用できる「新創業融資制度」の創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要とされる「自己資金要件」を充足したものとする、という特例があります。
また、信用保証協会の無担保、第三者保証人なしの創業関連保証について、前倒しで利用が可能となる等の、優遇措置を受けることができます。
さらに、「新宿区中小企業向け制度融資」においては、区内で創業しようとする方や創業して5年未満の方に対して、低利の融資を紹介する「創業資金融資」があり、区では利子と保証料の一部を補助しています。
こちらは金利1.8パーセント以下のうち、本人負担が0.2パーセント以下、区負担1.6パーセント以下、
信用保証料に関しては、支払った保証料の2分の1を、上限26万円まで補助するというものです。

そして「商店街空き店舗活用支援資金融資制度」、こちらは、区内で、区の認める商店会、商店街振興組合の区域内にある空き店舗を活用して新たに出店し、創業しようとする事業者を対象に、利子と保証料を全額補助する融資を紹介する制度です。

これらの「日本政策金融公庫」、「信用保証協会」の各制度、「新宿区中小企業向け制度融資」「商店街空き店舗活用支援資金融資制度」それぞれの、本区において利用された実績と相談件数、そしてその内の女性の占める割合と、これらの周知方法と、問題点と現状に対するお考えを教えてください。

次に創業セミナーに関するお尋ねです。
起業して経営者となるためには、経営・財務・労務・販路開拓等のスキルが必要ですが、
女性が起業する場合の資金繰り、相談窓口、起業時のコスト軽減支援など、の環境が、現況では、十分に整っているとはいえず、女性起業家の支援には、抜本的な強化が求められています。
女性だけの安心安全な環境をつくることで、自分と同じような立場の参加者と、共に切磋琢磨しながら学ぶことのできる、女性に特化した創業支援の場が必要と考えます。
区では、高田馬場創業支援センターにおいて、創業セミナーを開催していますが、近年は女性に特化したセミナーがありません。
区では創業セミナーにどのように取り組んでいて、これまでの実績や女性の参加に関してはどのようなものでしょうか。
お隣の豊島区では、女性に特化した創業支援が行われております。
「サクラーヌbiz応援プロジェクト」というネーミングで、としま産業振興プラザを使って
女性のための起業塾を全8回8,000円定員30名で、これまでに9回開催されています。
講義・グループワークを通じて、アイデアのブラッシュアップや事業を始める上で必要な実務知識を学ぶとのことです。
本区においても女性起業家向けのセミナーを開催すべきと考えますが、いかがでしょうか?
以上、ご答弁お願い致します。