2月4日に投開票される「京都市長選挙」に注目が集まっている。

 

立候補者は届け出順に、いずれも新人で、

▽無所属で共産党が支援する元京都弁護士会副会長の福山和人氏(62)。

▽無所属で元京都市議会議員の村山祥栄氏(45)。

▽無所属で元京都府議会議員の二之湯真士氏(44)。

▽無所属で自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党が推薦する元官房副長官の松井孝治氏(63)。

▽諸派で事業家の高家悠氏(35)。

の5人。

 

↓候補者の選挙公報はこちら↓

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政治とカネの問題が各報道で注目される中での、政令市長の選挙とあって、注目度も増していることと思われる。

 

そんな中、筆者が注目をしたのは財政問題だ。

 

京都市は門川市長が「財政再生団体」への転落を示唆するほど、財政難を抱えていた。

 

しかしながら、京都市は市民サービスの見直しなどで、令和4年度の決算で22年ぶりの黒字を達成。

 

令和3年8月に策定した行財政改革計画では、収支均衡の達成に10年以上を要するとしていたが、策定からわずか2年で黒字化を成し遂げた。

 

将来的な財政状況は決して楽観視できる状況ではなく、門川市長も「今後も財政は厳しい見込み。以前の状態に戻さないことが重要」と語っているほどだ。

 

そんな京都市の今後を占う大切な京都市長選挙で、候補者が掲げる今後の「政策」と合わせて重要なのが「財源」なのだ。

 

1月19日にKBS京都が開催した「【報道特別番組】京都市長選2024争点激論 立候補予定者討論」を視聴した。

 

 

番組は、各候補者から、行財政改革と人口減少対策について話した後、それぞれの候補者に対する質問を行うクロストークとなった。

 

そこで衝撃の討論が展開されていた。

※動画を元にやりとりを記載するが、簡潔にまとまった動画を見つけたので、時間がない方はこちらを視聴を推奨します。(1分20秒程度)

 

 

松井「福山さんへの私の質問はですね、その500億円の裁量的経費、この中でですね、さっき おっしゃったような、いろんなもの無償化 どんどんするとおっしゃるんだけど、非常に勢いはいいんですけどどうやってその財源 を工面されるんですか」

 

福山「500億あるのであれば その中から100億、暮らし優先でお金を 出すことは十分可能じゃないですか」

 

なんと、福山候補は「ないもの」を「ある」かのように錯覚させて、自らの政策の財源としようとしていたのだ。

 

早速、京都市議を務めた村山候補から指摘があがった。

 

村山「箱物削るっていう話なんですが、もう大型の箱物工事って ほとんど終わってるはずなんですよ。これからないんですね。これからその予算かけなきゃいけない建設費のほとんどは、学校の改修であったりとか、橋梁の改修であったりとかほとんどが回収費に回されるはずなんですよ。だからそれは僕もう削れないと思っていて、そうでなくても僕京都市は 非常に全国的に少ない方なので、じゃ具体的に北陸新感線以外で何を削ろうとなさってんのかが分からないんで教えていただきたいですね。」

 

これに対する福山候補の回答は

 

福山「大型公共事業について、京都市が実際にその170億で シーリングしてる。これは事実ですよね。そのことは共通認識になりますよね。だからそれを150億に落とすということを私、申し上げておりましてそれ自体としては この間130億でシーリングした時もあれば、150でシーリングした時もあります。それは個々の事業をいつどのタイミングで、どれだけ進めていくのかいうことについての一致点がどうできるかによりますので、150億っていうことでやることは十分、可能だと思いますよ」

 

というものだったが、再び村山候補から

 

村山「だったら大型公共事業をやめて回すって話じゃないですよね。大型公共事業はそこにはないんですから、公共投資の話です。 具体的におっしゃったのは 北陸新幹線だけですからねその大型公共事業と具体的に名指しでおっしゃった案件は」

 

というツッコミが入った。

どうやら福山候補は市民サービスに直結する公共投資を、あたかも削減可能な箱物の大型公共事業と偽って、削減できる費用として支持者に説明しているようだ。


さらに福山候補の頓珍漢な発言が続く

 

福山「いや私はそれ以外にも、もうすでにこれ終わってる事業ではあるけれども、その市庁舎の立替えや芸大の移転など」と

 

今後の費用の話をしているにもかかわらず、過去の話を持ち出してきたのだ。

 

あきれた村山候補も

 

村山「終わってる事業は いいと思うんですよ終わってるから。こっからが難しいっていう話なんですね。具体的に先ほどから おっしゃってる財源を確保しないと多分 おっしゃることできないと思うんですね」

 

とたたみかけた。

 

結局、福山候補は最後まで、誰もが納得できる財源を示すことはできなかった

 

この一連のやりとりを見た瞬間、福山候補は「ないもの」を「ある」と言い、耳障りの良い、大盤振る舞いの政策を掲げて、大衆を扇動する危険な候補だと感じた

 

2月4日の投開票まで、まだ考える時間は残されているものの、自らが掲げる政策を実現するために必要な財源を確保できそうにない福山候補だけはオススメできない

 

京都市民の判断が試されている。