2017年8月13日。
山の日に「奥多摩湖いこいの路」を歩いて来ました。
「奥多摩湖いこいの路」は、奥多摩湖を半周する12Kmのコースです。
これだけだと、スタート地点に戻って来れないので、「湖畔の小道」という別ルートも使って、ゴールの小河内ダムまで戻って来ました。
以下、山行記録です。
8月11日(金)、山の日。
僕は小河内ダムにある「水と緑のふれあい館」前の、無料駐車場に車を停めた。
この日は、以前から1度歩いてみたかった、「いこいの路」で、奥多摩湖を周遊するのだ。
僕は小河内ダムから、まずはバスに乗り、小河内神社まで移動した。
小河内神社バス停は、奥多摩湖の対岸へ渡れるドラム缶橋がある場所だ。
ここから湖面に浮かぶドラム缶橋を渡り、「湖畔の小道」を使って、第1中継ポイントの「山のふるさと村」をまずは目指すのだ。
このドラム缶橋から湖畔の小道ルートは、三頭山へ行くルートでもあって、湖畔の小道に入ってすぐに、三頭山方面への分岐が現れる。
三頭山といえば「奥多摩三山」に数えられる山で、登山者に大変人気のある山なのだが、この日は「山の日」にも関わらず、誰も歩いていなかった。
そういえば、小河内ダムからバスに乗った段階で、登山者らしき人を含め、乗客は4人程しかいなかった。
今にして思えば、このルートから山を歩く人は居ないのだなぁと、気づくべきであったのだ。
三頭山に向かう人が居ないくらいだから、当然、湖畔の小道など誰も歩いていやしない。
人の通らない道は、蜘蛛の巣をかき分けながら進むので嫌だ。
木々に囲まれた鬱蒼とした道は、涼しくて傾斜もないから、歩きやすい道なのだが、湖などは殆ど観る事ができない、代わり映えのない退屈コースだった。
唯一の変化といえば、時折、奥多摩湖へ流れ込む沢を、越える為に渡る橋くらいであろうか?
サイグチ沢を越えた頃、第1チェックポイントの、「山のふるさと村」のビジターセンター前に到着した。
昨年ここで、テント泊した事を思い出す。
ここから、いよいよ「いこいの路」へと繋がるのだが、どこで繋がるのか分かりづらかった。
「いこいの路」への入口は、WCの先にある東屋の先にあった。
「ここからまだ12Kmも歩くのか~…。」
僕は、単調な道のりにも、そろそろ飽きが来はじめていた。
「いこいの路」入口には、思いっきり「熊出没注意!」という看板が貼ってあった。
今までだって、こんな看板はいつだって見かけたので、僕は「どうせ熊なんか会いやしないだろう…」と、軽く考えて「いこいの路」へと入って行った。
だけど、今まで「熊注意!」の看板は見かけてきたが、それはあくまで、登山者が僕以外にも歩いていた場所だった。
案の定、こちらのコースも誰1人とすれ違わず、蜘蛛の巣が顔に掛かる具合から判断して、人は殆ど立ち入らない場所なんだと感じた。
そして僕は、第2中継ポイントのある「いこいの広場」を目指す。
ここからまだ6Kmも先である。
「山のふるさと村」と「いこいの広場」のちょうど中間地点、もっとも人が立ち入らないであろう場所に、差し掛かった時であるッッ!!
※画像はイメージです。
柵のない崖沿いの道の下から、つまり湖の方から、1匹の熊が突然駆け上がって来たのであるッ!
熊よけ鈴が鳴っているので、当然僕がここにいるのが分かってるはずなのに、熊は怖がる事なく、まったくお構いなしに、僕の前方3m先に現れたのだッ!
※画像は関係ありません
熊の大きさは、セントバーナード犬くらいの大きさだったので、まだ子供くらいだろうか!?
という事は、近くに親熊も潜んでいるはずである!
僕は熊を刺激しないように、ゆっくり後ずさりした。
そして手元に、何か武器になる棒のようなものを探した。
※画像は関係ありません
僕は昔、剣道を結構ガチでやっていたので、棒があればツキノワ熊と戦っても食い止める自身はあった。
熊が襲って来るのは1分間だと云われている。
何故か分からんが、熊は1分持ちこたえれば、あとは何も無かったかのように去っていく習性があるらしいのだ。
※画像は関係ありません
1分間持ち堪えれば…ッ!
ところが、棒が無いッ!
道には何も無いッ!
小石しか落ちていないではないかッッ!! ^^;/
それから僕が、棒っきれを探している間に、前方の熊が曲がり角に消えたので、どこにいるのか見えなくなったのだ。
※画像は関係ありません
うげ~~~~ッ!
1本道だから、その先に曲がられたら、前に進めね~じゃんかよ~!
僕は1分くらい時間を置いてから、熊と戦う覚悟を決めて、曲がり角を曲がってみた。
※画像は関係ありません
そしたら熊は居なかった。^^;
上にも下にも居なかった。
逆にどこから襲って来られるのか分からない状況であるッ!
僕は早々にその場を立ち去る事にした。
※画像は関係ありません
僕は少し離れてから早歩きで歩き出す。
なんで少し離れてから早歩きにしたのかというと、熊は犬と同じで、走ると追いかけてくる習性があるからだ。
なので熊から離れた場所で、小走りになったのである。
※画像は関係ありません
ヤバイヨ!ヤバイヨ~!
こんな誰も通らない場所で、熊に襲われたら自力で戻れなくなってしまう!
僕が走り抜けると、木の上からバキバキバキと、凄い音で枝が折れて来た!
きっと熊か、猿が、人間がイキナリ走って来たのでびっくりしたようだ!
※画像は関係ありません
バカヤロ~ッ!
びっくりするのは、こっちの方じゃいッ!
こういった、枝が折れて落ちてくる現象は、その後、何回もあった。
どうりで、こんな整備された道なのに、トレイルランナーが1人も居ない訳が分かった気がする。
だってこれなら、トレランの人が駆け抜けてたら、熊と鉢合わせになる可能性が大だもんね!
そして、ようやく第2ポイントの「いこいの広場」に到着した。
早足で駆け抜けたが、緊急事態だったので、まったく疲れを感じなかった。
取り敢えず、ここでコンビニで買ったオニギリ2個を食べる事にした。
ベンチに座ると、スズメバチクラスのデカイ虻が身体に止まって来るので、落ち着いて飯を食べる時間もありゃしなかった。
こういう人が居ない山では、座って休憩してると、ここぞとばかりに、デカイ虻が寄ってくるのだ。
僕は早々に「いこいの広場」を後にして、3Km先にある、ゴール地点の小河内ダムを目指して歩き出した。
ここから先までは、比較的、人が出入りしている気配があるようだったので、気持ちも大分落ち着いた。
そしたら疲れがどっと出て、歩くスピードも遅くなった。
それでもゴールの小河内ダムがある出口までは、誰ともすれ違う事はなかった。
車を停めた小河内ダムまで戻って来た。
ダムの上を歩いている途中に展望塔があったので、上がってみる事にした。
そして駐車場まで無事に戻って来る事が出来た。
それにしても、今にして思えば熊と会った証拠写真を撮りたかった。
だけど実際に目の前に現れたら、そんな余裕なんか無いよね!?
声だって出なかったもん。
みなさんも山の1人歩きには気をつけましょうね。^^;
おしまい