児玉清さんの訃報に際し
ご冥福を心からお祈りいたします

昨年、秋の始まりの頃だったか、家内の恩師である 学習院大学 小林忠先生による
日本美術のご講義を拝聴出来る貴重な機会が持てると出向かせて頂いた所

児玉清さんが学習院大学 篠沢教授の車イスを押しながら入場された

僕は席に既についていたことと
その場のアカデミックな雰囲気、常に児玉さんの篠沢教授を労わるお姿に
ご講義が終わってからも「はじめまして」の後輩のご挨拶をしないまま、そのまま
その場を後にしてしまった

よくよく考えてみれば、僕も大変可愛がっていただいている石井ふく子先生や水前寺清子さん
など日頃からお付き合いが深くていらっしゃり、そうしたことからでもご挨拶は出来たであろうに尻込みをし、後輩として大変礼を失していたと思う。

児玉さんの後姿には薫りがあり、篠沢教授と並ぶ姿には和かな日差しがお二人を包んでいるような、周囲を和ませるオーラがあった
そこは東京ではなく 海外の美術館にいるかのような錯覚を覚えた

日々不勉強で僕は足元にも及ばないが、あの時、偶然でもその場に居合わさせていただいた
時間をしっかりと刻み直しながら ご冥福をお祈りしたい

遠くからでもお教えいただきたいことが沢山ある
残念でならない