※前回からの続きです。



【回想:ゲルトラウト視点】






ある日、3人で放課後遊ぶ約束をしていたが女の子に声をかけられる。



ゲルトラウト

『ごめん2人とも〜先行ってて』



アンガス

『おうー、早く来いよ』



ロニー

『お待ちしてますね』



2人と別れ女の子についていくと案の定言われる。



『あの、ゲルトラウト君ってロニー君と仲良いよね?これ渡してくれない?』



差し出されたのはロニー宛てのラブレター。

自分で渡せよ



ゲルトラウト

『え〜?そーゆうの自分で渡した方が良いよ』



『減るもんでもないし良いでしょ?お願い!』



ゲルトラウト

『…悪いけど自分で告白する勇気もない奴にロニーは渡せないから』



作り笑顔で警告する。

女の子はそれを汲み取ったのか逆ギレしてくる。



『心せっま!ロニー君を見習ったら?』



そう吐き捨てて逃げるように去っていく。

なんで自分から評判が下がるような事してるんだろ。

僕はアイツらを見返したいだけなのに。

その頃、あの4人がゲルトラウトを憎たらしそうに見ていた事をゲルトラウトは知らない。





僕は急いで2人の元へ向かうと2人の話し声が聞こえてくる。



アンガス

『なぁ、なんでお前はオレに何も言ってこないんだ?』



ロニー

『私は…』



こそっと後ろから2人を覗いてみる。

2人の話が聞こえる位置に移動し聞き耳を立てる。



ロニー

『貴方は嫌じゃないんですか、ゲルトラウトのしている事は時に行き過ぎたようなものじゃないですか』



やっぱロニーもそう思っていたんだ。

それを望んでいたはずなのに心のどこかでは傷付いている自分勝手な部分がある。

そろそろかなアンガスもいい加減嫌気もさしてくるだろう。

そう思って覚悟を決めたのに予想と違った答えな帰ってくる。



アンガス

『んいや?だってオレ達友達だろ?それに他の皆は離れていったけどお前らはずっと一緒にいてくれる』



表情が見えなくても分かる。

アンガスは今きっと無邪気な笑みを浮かべているだろう。



アンガス

『だから1度も嫌とか思った事ないぜ!』



その言葉につい泣きそうになる。

ここで泣くのは、ださい。

そんな事言われたら離れる覚悟が余計出来なくなるよ。

僕は加害者で他の人は被害者だ。

僕が被害者ぶっちゃダメでしょ。



ロニー

『…友達ってなんですか?』



アンガス

『なんだお前、頭良いのにそんな事も知らないのか?仕方ねぇな!教えてやるよ』



友達、そう言えば僕も同じ事を聞かれた事があるな。



アンガス

『お互いを信じあって悪い事はちゃんと止めて、お互いを尊重し合えて一緒に居ても苦にならない関係だぜ!そうだな、時にぶつかり合うのも友達かもな!』



そのセリフを聞いた時思わず吹き出しそうになった。

それ、僕が教えたやつじゃないか。

星の日、水源の滝でアンガスと1度だけ出会ったことがある。

その時にアンガスは友達というものに頭を悩ませていた、だから何も知らない僕は理想の友人像を言ったのだ。

利用されてる事に気付いていない時期だったから、今に聞いたら少し恥ずかしいよ

絶対にアンガスにはあれが僕って教えてやんないけど。



アンガス

『勿論、ロニーとも友達になりたいと思ってるぜ!』



本当にアンガスは昔から眩しいよ。



ロニー

『…口だけは達者ですね、良いですよ。改めて宜しくお願いしますね』



ロニーの声色が柔らかくなった気がする。

これで2人は本当の友達のスタートラインに立てたかな。

僕は握手してる二人の間に割り込む。



ゲルトラウト

『あ!なに2人で仲良くしてるの!僕もまーぜて!』



ロニー

『用事はもう大丈夫なんですか?』



ロニーのサラサラとした髪が風になびく。

本当にロニーはカッコイイや。



ゲルトラウト

『うん!なんか知らない女の子から告白されたんだけど興味無いから断ってきたの〜』



全部嘘だけど、知らない方がいい真実もあるよね。

じゃぁロニーを利用した真実も言わなくても良いんじゃないか?

それなら誰も傷つかない、ずっと一緒に居られてみんなハッピーだ。



アンガス

『まじかよ、もったいな!』


ゲルトラウト

『こんなの頻繁にあるし〜、まぁ非モテなアンガスには無いだろうけどねぇ』



アンガス

『は!今に見てろよ!絶対将来は可愛い女の子と結婚するからな!』



ゲルトラウト

『出来ると良いねぇ〜』



こんなくだらない日常も楽しいなんて、ほんとどうかしてるよ。





※まだ続きます〜えーん

もう少しでゲルトラウト視点は終わります!

次はアンガス…ですかね…えー

次回もよろしくお願いします!