20190519
今から10年ほど前、本を書いた。
我が家の息子と娘と、そして、母の成長記みたいな本。
息子が成人を迎える、その時に合わせて自費出版した。
ここまで良くやった!頑張ったね「わたし」!!のご褒美もかねて…
1989年(平成元年)8月某日
生まれた息子の体重は2075グラム。
出産予定日近くまで胎内にいたにもかかわらず、
出征時の体重が2500グラムに満たない新生児を
SFD児(低出生体重児small-for-dates)
と呼ぶことを先生から説明を受けた。
なぜおなかの中で育たなかったかは特定できないそうだが、
母親である私の「喫煙が原因だと思われる説もある」と聞いた。
今では禁煙も15年を過ぎ、吸わないことが当たり前の毎日だが、
確かに、あの時のわたしは、タバコを憩いの友 だと言って 吸っていた。
絵を描く仕事を副業的にしていたので、絶えずタバコが口元にあった。
副業とはいえ 稼ぎにはあまりなっていなかったので、
趣味のようなものだったが・・・。
生まれて間もない息子はそのまま、新生児保育器に運ばれ
対面できたのは翌日の昼過ぎだったと記憶している。
病室はふたり部屋で、
同じ日に産まれたとなりの男の子はお母さんのベットの横でスヤスヤと寝ている。
我が家の息子といえば・・・
ガラス張りの新生児室の中の 更に小さなガラスケースの中。
2日目から授乳が始まったが、吸う力が弱く、
母が自分で搾乳した母乳を小さな哺乳瓶で飲ませようとしても
中々上手くは飲んでくれない。
息子の頭は、私の掌にすぽりと筒まり 親指と小指で耳を塞げるほど小さかった。
か細い指はしっかりと私の指を握ってくる。
初めて授乳した時は、「ゴメン ゴメン」と
謝りながら涙が出てきた。
2019年5月13日 夕方 息子からのライン
「家族性大腸腺腫症(FAP)は、
親がその遺伝子を持っている場合50%の確率で子に遺伝する。
特発性の場合は、また事情が違うらしい。」
家族性という事で、
妹もその対象になる・・・ことに
「俺がまず問題の遺伝子を調べて、あたりを付けてから
家族がその遺伝子があるかどうか調べるんだよ。
対象がふたつあって、どっちなのかもわかっていないから。」
「とりあえずは血便が出ているかどうかで、ポリープあるかないかの推測できるから。
今、血便がないなら…どうかな。分らんけど…。
俺の場合は普段からかなり赤かった。痔だと思ってたんだ。
検査の結果は、6月半ばくらいにまでにはわかると思う。
それから、そっちの検査でも遅くないよ」
息子のラインは、
淡々と事実だけを伝えてくる
3.4年前に、健康診断の延長で検査を受けた母(わたし)の大腸は
先生が太鼓判するほど、 キレイで
記念に写真をもらってきたくらい!に
ピカピカのサーモンピンクだった。
家族性大腸腺腫症(FAP)は、
100個以上の腺腫性ポリープが結腸および直腸の一面を覆うように生じる。
この疾患は、15歳までに50%、35歳くらいまでには95%の患者でポリープが認められ、
未治療のままだとほぼ全例で、40歳までに癌が生じる。
わたしの大腸と取り換えられるものなら 取り替えたい!!
子育て波乱万丈
SFD児で小さく生まれた息子も
今こうして三十路に向かおうとしている中、FAPと診断された息子も
母は母であり
子は子であることに 変わりはない