「物理学と心理学の接点」~【札幌・仙台・東京・大阪・沖縄】「出版記念ワークショップ情報」 | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ
心理セラピストの棚田克彦です。
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物理学の研究分野の一つに、

「素粒子物理学(elementary particle physics)」

と呼ばれるものがあります。






素粒子物理学とは、

物質の最も基本的な構成要素である素粒子の性質を

研究対象とする物理学の一分野を指します。






物質をどんどん細分化して原子・分子よりも

さらに小さな構成要素(素粒子)にまで分解し、

クォーク、レプトン、グルーオン、フォトン、

ウィークボソン、グラビトン、ヒッグス粒子等と

称される素粒子が持つ性質を研究します。






素粒子物理学は日本のお家芸で、

中間子の存在を予想した湯川秀樹先生に始まり、

繰り込み理論のアイデアによってQED(量子電磁力学)における

場の量子論の摂動の紫外発散の問題を解決した朝永振一郎先生、

近年では小林-益川理論で有名な小林誠&益川敏英両先生、

そして、

「自発的対称性の破れ」の発見によって

物理学のあらゆる分野に多大な影響を与えた

日本が世界に誇る南部陽一郎先生等、

数々のノーベル賞物理学者を輩出してきました。






そういえば、

今年(2015年)のノーベル物理学賞も

ニュートリノが質量を持つことを発見した功績によって

東京大学の梶田隆章先生が受賞されましたね。






ところで、

物理学の研究分野には、

素粒子物理学とは180度異なる方向を目指す

「凝縮系物理学(物性物理学とも言う)」

と呼ばれるものが存在します。






すなわち、

素粒子物理学が万物を素粒子と呼ばれる

最小の構成要素にまで小さく分解して

その性質を研究するのとは対照的に、

凝縮系物理学では、

原子や分子が寄り集まることで出来上がった物質の

さまざまな巨視的性質を研究対象とします。






相互作用を持つ互いに影響し合う

マクロな数の原子・分子が集合すると

一体何が起こるのか?






・・・・・常識を超えたとんでもない事が起きます。






たとえば、

オランダ人のカメルリング・オネスよって発見された

「超伝導」と呼ばれる物理現象は、その一つです。






超伝導物質(ある特定の金属や化合物)を冷却すると、

その温度が絶対零度(摂氏マイナス273度)に達する前に

電気抵抗が急激にゼロになり、

それ以下の温度では私たちが中学生の理科で習った

「オームの法則(E = R x I)」が見事に破綻します。






カメルリング・オネスは1911年に超伝導現象の発見

によってノーベル物理学賞を受賞しましたが、

超伝導現象が発現する仕組みについては

天才物理学者アインシュタインを持ってしても謎でした。






その後、

超電導現象発現のメカニズム(BCS理論)は、

イリノイ大学のバーディーン、クーパー、シュリーファーの

3人の研究者によって解明されました(1972年ノーベル物理学賞受賞)。

http://yclept.ucdavis.edu/course/242/Publ/BCSa.pdf






BCS理論の核心は、

「エレクトロン-フォノン相互作用を介して

フォノンを交換する2つの電子間に引力が働き、

クーパー・ペアと呼ばれる電子対を形成する」

という点にあります。






そこには、

「エレクトロンやフォノンといった相互作用する

ミクロな粒子の集合体が織りなす純粋に量子力学的効果が、

ゼロ電気抵抗という観測可能なマクロな物理量として現れたもの」

という面白さがあります。






しかし、

ちょっと考えてみて下さい。

この理論、どこかおかしいと思いませんか?







BCS理論は、

「超伝導現象が実現している物質の内部では、

マイナスの電荷を持ったある電子と

マイナスの電荷を持った別の電子とが

互いに引き合って対(クーパー・ペア)を形成する」

と主張しています。






しかし、

「マイナスとマイナス、プラスとプラスのように

互いに同じ極性を持った荷電粒子同士は互いに反発し合う」

と小学校の理科で習いましたよね?






もちろん、

BCS理論に間違いはありません。






相互作用を持つマクロな数の粒子が集合すると、

「マイナス電荷を持つ電子同士に引力が働いてペアを形成する」

のような通常の物理学の基本法則では理解不可能な

特異な物理現象が出現します。

そこには「電子はパウリの排他律に従うフェルミオンである」

という量子力学的効果も関係しています(フェルミギャップの存在)。






超電導現象は、

物質を個々の要素に分解することで様々な

現象や物理法則を理解しようとする素粒子物理学

によっては解明されない問題であり、

「相互作用するマクロな数の粒子の集団」に固有の

振る舞いに対する特別な物の見方や考え方、

法則の発見が要求されるのです(量子統計物理学の多体問題)。






このことを1977年にランダム系において電子の

波動関数が空間的に局在する現象に関する理論、

いわゆるアンダーソン局在の理論で

ノーベル物理学賞を受賞したP.W.アンダーソンは、

“More is Different !(多は異なり!)”

と分かりやすく表現しています。






ここまでの話しをまとめると、

物理学の研究には大きく2つの方向性があって、

その1つ目は、

全ての物質を構成要素(素粒子)にまで分解して

その現象の発見や物理法則の解明を試みる素粒子物理学。






そして2つ目は、

相互作用するマクロな数の粒子の集団において現れる

特異な現象や物理法則の発見を目指す凝縮系物理学。






ちなみに、

私は元々、20代の頃は後者の凝縮系物理学の研究者でした。






さて、

長い、長い、難解な前置きが終わりました。

ここからが本題の心理学のお話です。






以上の物理学における研究の方向性について述べてことは、

そのまま心理学においても当てはまります。





「人間の意識(心)は意識と無意識の2つの部分から構成されていて、

私たちの思考や感情、行動は無意識の部分から多大な影響を受けている・・・」

という話は、私たち人間一人ひとりの心の仕組みを解明することで

悩みや問題を解決しようとする試みであり、

素粒子物理学的なアプローチに相当するものです。






昔から存在する従来の心理学は

ほとんどすべてこの素粒子物理学的な

アプローチを採用しています。

ビリーフチェンジもこの中に含まれます。






ところが、

どれだけ人間一人ひとりの心理に対する

現象の発見や法則の理解が進んだとしても、

心理学の全ての問題が解決するわけではありません。






なぜ、学校でイジメがなくならないのか?

なぜ、子どもが不登校(ひきこもり)になるのか?

なぜ、善良な社員から構成される企業で組織犯罪が繰り返されるのか?

なぜ、悲惨な戦争やテロによる報復の連鎖が繰り返されるのか?

・・・・・等。






こうした問題の多くは、

課題を抱えた個人や、問題の加害者や被害者のみに注目して

その人物の心にアプローチをしても根本的な解決は見込めません。






ここで必要とされるのは

凝縮系物理学的なアプローチであり、

単なる烏合の衆ではない家族や組織、国家といった

意味のある相互作用を持つ人間の集団において

現れる特異な現象の発見や法則の解明を行う心理学です。






これには家族療法やファミリーコンステレーション、

プロセス指向心理学のワールドワーク等があります。

そういえば、POPのミンデルはMIT出身の元物理学者でしたね。






また近年においては、

本来は素粒子物理学的なアプローチを採用している

ゲシュタルト療法や交流分析といった心理学も、

「関係性」や「場の理論」、「システム理論」等の

凝縮系物理学的なアプローチを積極的に

取り入れています。






しばしば私の講座で受講生から

「ビリーフチェンジ(素粒子物理学)と

ファミリーコンステレーション(凝縮系物理学)を

どのように使い分けるのか?」

と質問を受けることがあります。






その答えは、

素粒子物理学と凝縮系物理学の使い分けと同じです。






解決したい悩みや問題の原因が

一個人の無意識の心の中にのみ存在する場合には、

ビリーフチェンジによるアプローチが最も効果的で効率的です。






たとえば、

問題の原因が幼少期の母親との愛着関係に

存在することが判明している場合には、

ビリーフチェンジで愛着のビリーフを取り扱えば良いのです。






にもかかわらず、

個人の愛着の問題をあえて家族システム

の問題とみなして大がかりに取り扱うならば、

「牛刀を以て鶏を割く」になりかねません。

それはセラピストの自己満足に過ぎません。






一方、

問題の原因が個人の心の中にではなく

集団の関係性(集合無意識)の中に

存在することが分かっている場合には、

超電導現象の解明に量子統計力学の理論が

必要であったのと同様に、

ファミリーコンステレーションやPOP等の

システミックなアプローチが必要となります。






えーと、

まだまだ書きたいことは山のようにたくさんあるのですが、

「明日の朝は早起きして朝ご飯にホットサンドを作ってくれ」

と子どもたちから頼まれているので、

今晩はこれ位にしようと思います。






以下は、ワークショップ情報です。






拙著の新刊発売を記念して、全国で出版記念ワークショップを開催いたします。


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【出版記念】
 <ファミリーコンステレーション>ワークショップ
  『ウルトラディープヒーリング』

【東京会場】
 2015年12月26日(土)-27日(日)10:00-18:00
【大阪会場】
 2016年 1月 9日(土)-10日(日)10:00-18:00 
【沖縄会場】
 2016年 2月20日(土)-21日(日)10:00-18:00 
【仙台会場】
 2016年 3月26日(土)-27日(日)10:00-18:00 
【札幌会場】
 2016年 4月 9日(土)-10日(日)10:00-18:00 

※日程は順次追加されます。

【詳細・お申込み】
http://www.tanada-katsuhiko.com/index.php?UDH
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本来、『ウルトラディープヒーリング』は

ファミリーコンステレーション限定のワークショップですが、

今回の出版記念ワークショップでは

私のお家芸のビリーフチェンジも適宜織り交ぜて、

両者を比較しながら体験していただく予定をしています。

また、

今回のブログの話しの続きを聞きたいという

大変奇特な方が万一いらっしゃれば、

様子を見ながらリクエストベースで

物理学と心理学の接点のお話もアリかもしれません。









一般社団法人 日本プロセラピスト養成協会 代表理事
心理セラピスト 棚田克彦









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【出版記念 無料プレゼント(PDF27ページ)】

『運命が変わる!
“トゥルー・センテンス(真実の言葉)”の作り方&使い方』

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