良い人は悪い人、悪い人は良い人 | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ
こんにちは。

サイコセラピストの棚田克彦です。

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夫婦間や親子間、恋人同士や

遊びのグループや仕事の組織など、

その構成に複数(2人以上)のメンバーが

関与するシステムの悩みや問題の

原因を診立てる際に重要な考え方の一つに、










一見して良くみえる人は、実は悪い人。
悪くみえる人は、実は良い人










というものがあります。










被害者が実は加害者。
加害者が実は被害者










と言い換えられる場合もあります。










例えば・・・










「酒乱、DVで妻(彼女)を傷つけるどうしようもない男」

には、

「どうしようもない男を見捨てることなく我慢強く献身的に支え続ける女性」

が必ずセットで存在します。










●酒乱・DVを繰り返す男 => 悪い人

●どうしようもない男の世話を続ける女性 => 良い人










という訳です。










初めはしぶしぶカウンセリングに

連れて来られた男も、

次第に今までの自分を心の底から反省し、

酒と暴力を止めます。

新しい仕事も見つけて、

少しづつですが

まともな夫婦(恋愛)関係を取り戻し始めます。










すると、

不思議な現象が起こります。










妻がお酒を買ってきて、

夫の目に付くテーブルの上に

お酒のビンを黙って置きます。










もちろん、

妻本人は無意識です。










そして、

お酒を飲んで酔っ払った夫に対して

夫の機嫌を損ねるようなセリフを吐き

ケンカを吹っかけます。










これもワザとではありません。










そうして

再び夫の酒乱とDVが繰り返され、

その苦しみに耐える妻の生活が始まります。










一体何が起こっているのでしょうか?










この状況を解決するためには、

夫と妻の両方のカウンセリングが必要です。










そして経験的には、

本当の原因を作り出している妻の

カウンセリングの方が、

本人にその自覚がないこともあって

非常に困難を極めます。










この事を指摘すると

怒って来なくなる方が大半です。










自我状態が不安定な人は、

不健全な形で互いが寄りかかって

関係がもつれている姿勢を心地良いと感じ、

健全な形で互いが自立して

自分の足で立っている状態を不安に感じます。











そうした人は、

自分が人から必要とされる事を必要とします











そのために、

「この人は私の助けがないと自分一人の力では生きていけないんです」


といった状況を無意識に作り上げ、

他人を加害者にすることで自分を被害者に仕立てるのです。










代理ミュンヒハウゼン症候群

『一見して良くみえる人は実は悪い人で、

悪くみえる人は実は良い人』

『被害者が実は加害者で、

加害者が実は被害者』

という見方をすると

その力動を理解することができます。










【代理ミュンヒハウゼン症候群】

出典:ウィキペディア

この症例は子どもを持つ母親に多く見られ、

その傷付ける対象の多くは自分の子供であり、

子供に対する親心の操作であったり、

懸命または健気な子育てを演じて他人に

見せることによって周囲の同情をひき、

自己満足することも挙げられる。





【事例1】

1998年、福岡県久留米市で、

1歳半の女児が20代前半の母親から

抗てんかん剤を飲まされた。

嘔吐や下痢、痙攣(けいれん)などの症状で

入院するが、1週間ほどで回復し退院。

ところが1ヶ月後に救急車で病院に運び込まれた。

女児は意識障害を起こしていて揺さぶっても目を開けず、

「発作が起きる」という母親の訴えで、

抗てんかん剤を少量投与すると、

いきなり血中濃度が高まり、中毒状態に陥った。

同じ薬を大量に飲まされていた可能性が高かった。

病院が調べると、母親が自分の神経痛で、

二つの病院からその薬を処方されていた事が判明。

女児は他に、水を1日2リットル以上も飲まされていて、

水中毒による低ナトリウム血症を起こしていた。

担当の医師は「うちの子、難しい病気なんでしょう?」

と繰り返し聞いてくる、よくいる心配性なお母さんという感じだった。





【事例2】

1996年、アメリカ合衆国オハイオ州で、

ヒラリー・クリントンから表彰されたこともある

フロリダ州の母親が児童虐待の容疑で逮捕された。

難病と闘う8歳の少女と、けなげな母親として、

しばしばメディアに登場していたが、

実は、娘に毒物を飲ませたり、

バクテリアを点滴のチューブに入れたりしていた。

その少女、ジュリー・グレゴリーは、200回の入院、

40回以上の手術を受けて、内臓の一部を摘出されていた。

逮捕後、母親には判決が下り、

出所後も女児に接近禁止令が下されており、

現在も手紙のやり取りだけで、会っていない。

(以上、ウィキペディアより引用)










表面的な見せ掛けの構造は、

●母親に負担を強いる病気の子ども => 悪い人(加害者)

●献身的に子どもの病気の世話を続ける母親 => 良い人(被害者)

というものです。

この見方では問題の解決を計ることはできません。










●病気になって心理的に不安定な母親に役割を与える子ども => 実は良い人(被害者)


●病気にさせた子どもの世話をすることで自我の安定を得る母親 => 実は悪い人(加害者)

という構造に気づかなければ

この問題を解決できません。










『自分が人から必要とされる事を必要とする』


という問題は、

セラピスト、カウンセラー、コーチ、

そして、

私のように心理セミナーの講師をしている者にとって

他人事ではありません。










(クライアント)

   「先生、私を助けて下さい!」

(セラピスト)

   「あなたを絶対に見捨てないから、私について来なさい!」
   
   →【深層心理】「私を見捨てないで。もっと私を愛して」










(受講生)

   「先生は素晴らしいです。先生を尊敬しています!」

(セミナー講師)

   「あなたはユニークで重要な存在です。これからもがんばりなさい!」

   →【深層心理】 「私に自己重要感を与えてくれる限り、
              私はあなたを受け入れます」










心理系のセミナーで良く見る光景ですが、

こうした関係性は危険です。

共生関係(共依存)が起きています。










セミナー講師(セラピスト)が

自分の心理的安定を得るために

自分が人から必要とされる状況を

無意識に作り出しています。










講師が受講生に

自分の心理的お世話をさせています。










このとき、

【見せ掛けの構造】

●講師に世話をされる受講生 => 悪い人(加害者)

●受講生の世話をする講師 => 良い人(被害者)







【隠された本当の構造】

●心理的に講師の世話をする受講生 => 実は良い人(被害者)

●心理的に受講生に世話をされる講師 => 実は悪い人(加害者)











こうした問題を引き起こさないために、

セラピーのクライアントや受講生との関係性で

私自身が具体的に気をつけていることが

幾つかあります。










●背広を着ない、教室外では先生っぽい態度や発言を避ける

講師(私)が背広を着たり、先生っぽい態度や発言をしていると、

クライアントや受講生が本来は父親や母親に向けるべき感情や

両親との未完了の問題を講師に対して投影(投射)することがあります。

「私はもっとお父さんに認められたかった!」「私だってお母さんに

もっと愛されたかった!」等。

そうした理由で、以前は背広を着て仕事をしていたのですが、

数年前からラフな格好で仕事をするように変えました。

その結果、境界性/自己愛性パーソナリティ障害の人から

「理想化とこき下ろし」のターゲットにされることが

ずいぶんと少なくなったような気がします。

それから、教室外ではできるだけ受講生の方とは友人のように

付き合うようにしています。

ただし、また別の理由から、セラピーのクライアントと

個人的な知り合いになる事は強く避けています。










●講座の卒業生に対してセラピスト同士として接する

私が教える「プロセラピスト養成講座」は、

近年、セラピストを志望する方と同じ位かそれ以上に

「自分の悩みを解決したい人」が受講されます。

つまり、私は受講生に対して

「セラピストとクライアント」という関係性で

接することになります。

しかしながら、受講生が講座の中で

自分の悩みを克服したあとは、

互いに自立した人間同士(セラピスト同士)として

接するようにしています。

決していつまでも相手を「クライアント扱い」しないように

気をつけています。










9月スタートの(第9期)(平日第3期)は、間もなく募集を締め切ります。

悩みの表面的な解消を避け、

クライアントの問題の本質を見抜いて

徹底的に根本解決してあげられる能力が身に付きます。

世界最高峰の実践的なセラピー理論&技術を修得し

心理のプロとして社会に貢献できる即戦力を育成します。

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  ★棚田克彦のセミナー

     『プロセラピスト養成講座 無料体験説明会(東京)』
 
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●全日程とも、内容は同じです

【日時】
   8月30日(木) 19:00-21:00
   9月13日(金) 19:00-21:00

【場所】
   千代田プラットフォームスクエア
   http://x.vu/274709

【参加費】
   無料

【詳細とお申し込み】
   http://x.vu/274710










会場でお待ちしています!










棚田