震災後のメンタルケア(その4) ~解離症状~ | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

こんにちは。

サイコセラピストの棚田克彦です。

http://www.tanada-katsuhiko.com/index.php?FrontPage



このたびの東日本大震災により被害を受けた皆様には、

心よりお見舞い申し上げるとともに、

犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、

深くお悔みを申しあげます。



今回は、

解離症状

についてです。



以前にメルマガで書いたように、

トラウマ体験から1ヶ月以上症状が続かないと、

PTSDとは診断されません。




トラウマ体験による悲しみや苦しみを

受け止めきれずに、

心が凍りついたように固まってしまうと、


「辛いはずなのに、非痛感や不安、恐怖を感じない」


「無表情になる」


「ときどきボンヤリして上の空になる」


「現実の出来事がドラマのシーンや
 夢の中のことのように思える」


「怪我をしたのに痛みを感じない」


といった症状が現れます。



これらを解離症状と言います。




【解離症状】
 ・ 自分の心が身体から離れてしまったような感覚

 ・ 現実感や感情が失われ、何事も実感が涌かなくなる

 ・ 麻痺した、孤立した、または感情反応がないという主観的感覚

 ・ 自分の周囲に対する注意の減弱(例:ぼうっとしている)

 ・ 現実感消失

 ・ 離人症

 ・ 解離性健忘(外傷の重要な側面の想起不能)




トラウマ体験の直後から

PTSDと同様の症状がみられる人のうち、

解離症状を伴う場合には、

ASD(急性ストレス障害)と診断されます。


PTSDの発症が予期される状態です。



多くの場合、解離は、

一過性の症状として現れます。


すなわち、

解離症状の後、

トラウマ体験からしばらく経つと、

「悲しみを急に感じる」

「行動する気力を一気に失う」

等の症状が現れます。



解離症状は

周囲からは精神的に安定して見えるため、

症状だとは気づかれずに

「あの人は大丈夫だ」

と誤解されやすくなります。



また、

本人は感覚や感情が麻痺していて

判断力が鈍っているため、

「危険な状態にならないよう、身の安全を確保する」

「精神面を安定させ、PTSDの発症を防ぐ」等、

周囲が解離症状に気づいて

サポートをすることが必要です。




サイコセラピスト 棚田克彦



【追伸】

震災チャリティイベントとして、

トラウマケアの講座を緊急開催致します。

ご協力をよろしくお願いいたします。


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