幼児虐待 | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

こんにちは。

サイコセラピストの棚田克彦です。

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最近、奥さまの幼児虐待に悩む旦那さまからのご相談があり、

カウンセリングを行なうことがありました。



幼児虐待の原因となる主なリミッティングビリーフの一つに、

《成長してはいけない》があります



《成長してはいけない》を持つことは、

その人が心理的に子どものままで

居続けることを意味します



心理的にまだ子どもであるため、

義務感や使命感が希薄です。



その結果、

「依存的で、自分で解決しようとしない」

「自分の力で深く考えられない」

「最後までやり遂げられない」

「いつも時間に遅れる」

「うっかりミスを繰り返す」

といったような子ども的な振る舞いを示します。



また、

心理的に子どもであるだけでなく、

身体的な発育の遅れや、

容姿、服装が実際の年令よりも幼い等、

外見的にも子どもであることが現れることも

多いようです。



男性のロリータ・コンプレックス

(幼女・少女にのみ性欲を感じる異常心理)、

女性のファーザー・コンプレックス

(娘が父親に愛情を感じ、母親を憎む無意識的感情)

の原因にもなります。



《成長してはいけない》は、

自分の子どもが成長するに連れて、

自分を必要としてくれる幼くて可愛い子ども

でなくなってしまうことを恐れる親によって

刷り込まれます。



「お前はまだ小さくて幼いから、出来ないのよ。

お母さん(お父さん)が代わりにしてあげるね」

と親が何でもしてしまうので、

子どもは、

「成長しない方が愛される」

「私が成長するとお母さん(お父さん)が悲しむ」

と思い込み、

《成長してはいけない》が刷り込まれるのです。



さて、

《成長してはいけない》を強く持つお母さんが

幼児虐待に走りやすい傾向があるのは、

精神的に成熟した大人として子育てをすることが

困難だからです



子どもの欲求よりも自分自身の欲求の方が大切で、

自分の欲求が子どもによって妨げられると、

カッとなって理性を失ってしまうのです。



私には3歳の娘がいますが、

子育てをしていると、

自分の欲求を抑えてでも子どもの欲求を

優先してあげなければならないときが

たくさんあります。



自分が風邪をひいていて体調が悪いときでも、

子どもは公園に遊びに連れて行ってもらえないと

機嫌が悪くなります。



お母さんがどんなに疲れていて、どんなに眠たくても、

夜中に赤ちゃんが泣けば、

起きてミルクをあげないといけません。



ところが、

《成長してはいけない》を強く持っていると、

自分の欲求を子どもに妨げられたときに

カッとなって理性を失い、

大人の精神状態でいられなくなってしまうのです。



たとえ精神状態が子どもであったとしても、

当然、

身体と腕力は大人です。



自分の欲求を通すために

幼児(赤ちゃん)に対して

大人の身体と腕力で暴力をふるえば、

それが取り返しの付かない事態を

引き起こしてしまうことがあります。



幼児虐待は、

子どもにも、

親にも、

双方に大きな身体と心の傷を残します。



本来、

親子の双方に対して

幸福感を与えてくれるはずの子育てが、

親子の不幸の原因となってしまうことに

心が痛みます。




サイコセラピスト 棚田克彦