モデリング | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

NLP(神経言語プログラミング)の本質は、モデリングです。


モデリングとは、「モデル(お手本)となる人物を見つけ出して、彼/彼女らのマネをすることで、モデルと全く同じ結果を作り出す技術」のことをいいます。


モデリングののテクニックを使うと、苦手意識や自信のなさが原因で躊躇してしまうような行動や、本来であれば身に付けるまでに長い期間かかってしまうような技術を、短期間で、効果的かつ効率的に習得することが可能になります。


NLPの始まりが、バージニア・サティア(家族療法)、フリッツ・パールズ(ゲシュタルト療法)、ミルトン・エリクソン(催眠療法)といった天才的なサイコ・セラピストたちのモデリングであることは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。


「マネをする」ポイントには、「言葉」「フィジオロジー」「思考パターン」の3つがあります。


「言葉」には、「言語」と「周辺言語」の2つがあります。「言語」とは、発言の内容や言い回しのことで、「周辺言語」とは、声の調子(スピード、トーン、抑揚など)のことです。


「フィジオロジー」とは、表情、姿勢、ゼスチャー、呼吸の仕方、目線の使い方などを意味します。


「思考パターン」とは、何を信じているか(信念)、何を大切にしているか(価値観)、何に意識を向けているか(心の焦点)といった、物の見方や考え方などを指します。


これら「言葉」「フィジオロジ-」「思考パターン」の3つのうち、初めの2つは見たり聞いたりすることで外から直接知ることができますが、最後の「思考パターン」は心の中のプロセスなので、外から直接観察することはできません。


ですから、モデルの「思考パターン」について知るためには、本人に質問して確かめるか、その人の発言や行動などから想像してみるしかありません。


わたしはあるお笑い芸人の大ファンなのですが、その常人の理解を超えた芸風の訳を知りたいと思い、その方の「信念」や「価値観」がわかるような発言を調べてみたことがあります。


以下は、ある人が集めてくれた、その芸人の方の発言のリストです。



●1クールのレギュラーよりも、1回の伝説


●目の前で悲しんでいる人を見つけたら、何とかして笑わせたい。そのためだったら警察に捕まってもいいし、寿命が縮んでもいい


●俺の夢は、のたれ死にだ!


●「気持ち悪い」って言われることには慣れたけど、たまに「死ね!」って言われるんだ。俺は言ってやりたいよ。「こんな人生、死んだも同然だ!」ってね


●俺のライブにきているやつらの顔を見ていると、結婚はおろか、恋愛もまともにできないんじゃないかっていうような奴らばかり。だけど、俺はそういう奴らのためにこそ、お笑いをやりたい


●生まれたときから目が見えない人に空の青さを伝えるとき、何て言えばいいんだ!こんな簡単なことさえ言葉にできない俺は、芸人失格だよ!


●これをやったら次回出られなくなるんじゃないかなんて考えないようにしている。人間いつ死ぬかわからないから、その時のすべてを出し切りたいんだ。俺はいつ死ぬかわからないし、見てくれてる人だって、いつ死ぬかわからない。視聴者が最後に見た○○○(名前)が手抜きの○○○(名前)だったら申し訳ないだろ?



誰の言葉か判りましたか?


正解は「江頭2:50」さんです。


そのメチャクチャで型破りな発言や行動から、彼に嫌悪感を感じる人もいるようです。


しかし、こうやって彼の発言から彼が大切にしていること(価値観)や、彼が信じていること(信念)を想像してみると、彼のやりたいことがわかるような気がしませんか?



【まとめ】

「成果を出せる人」と「成果を出せない人」との違いのように、「結果」の違いを作り出す原因は「行動」の違いにあります。

そして、そうした「行動」の違いを作り出す原因は、「内面」の違いにあります。つまり、「何を信じ(信念)」、「何を大切にし(価値観)」、「何に意識を向けているか(心の焦点)」といった内面の「思考パターン」の違いが、その人の「行動」の違い、ひいては、その人の「生き方」の違いや「人生」の違いまでも作り出してしまうのです。

ですから、モデリングのテクニックを使って“なりたい自分”を目指す際には、服装や行動、言葉使いといった外見をマネするだけではなくて、内面も合わせてマネするようにしてみましょう。