ADD/ADHDの改善に向けたアンカーリングテクニック | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

タナダ式NLPのブログでは、従来より行なっているNLPのビジネス分野への応用例の紹介に加えて、2007年からはTherapeutic NLP(治療的NLP)』と称して、NLPの発端であるセラピー分野における研究の紹介にも力を入れていく予定です。



早速ですが、第一回目はADD/ADHDの改善に向けたアンカーリングテクニックの紹介をします。



ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠陥・多動性障害)は、多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害の一つと言われており、注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴があります。ちなみに、DSM-IV-TRではADHDは行動障害に分類されています。



そして、ADHDのうち多動のないものを、通称ADD(Attention Deficit Disorder:注意欠陥障害)と呼びます。



以下は、『ADD/ADHDの改善に向けたアンカーリングテクニック』のスクリプトです。



↓↓↓↓↓以下、スクリプト↓↓↓↓↓



私はこれまで、たくさんの子ども達と関わってきたよ。そして、1つのことに集中はできるけれどもリラックスをするのが苦手な子ども達や、リラックスをするのは得意だけれども1つのことに集中するのが苦手な子ども達を見てきたよ。そして、君にはリラックスをしながら、同時に、1つのことに集中できる、そんなすばらしい能力があるよ。みんなが出来ることじゃないよ。そして、これからは今までよりもずっとずっと上手にできるようになるよ。



さあ、これから君と一緒に、ちょっと面白い体験をしてみようと思うんだけど、どうかな(子どもからのYESを待つ)



それじゃ、今までに1つのことに上手に集中できたときのことを思い出せるかな?たとえば、学校で本を読んでいたときかもしれないし、家の中でTVゲームをしていたときかもしれない。もしかしたら、外で友達と遊んでいたときかもしれない。何でもいいから、今までに1つのことに上手に集中できたときのことを思い出してもらえるかな?



そして、1つのことに上手に集中できたときのことが見つかったら、その時のことを思い出しながら、右手の人差し指を挙げてもらえるかな?(子どもの人差し指が上がるのを待つ)



出来たね、すごいよ!さあ、次は、1つのことに上手に集中できたときに、どんな気持ちがしたか思い出せるかな?自分の集中力を、友達や先生、お父さんやお母さんに自慢したくなるような、そんな良い気持ちかもしれないよ。そして、その時の良い気持ちを思い出せたら、もう一度、右手の人差し指を挙げてもらえるかな?(子どもの人差し指が上がるのを待つ)


すごいね!また出来たね。ちょっと、面白くなってきたね。



それじゃ、もう一度、1つのことに上手に集中できたときのことを思い出して、良い気持ちになったら、右手の人差し指を挙げてもらえるかな?(子どもの人差し指が上がるのを待つ)



ほら、また出来たね!何回でも出来るね!いつの間にか、君が気付かない間に、昨日までの君よりも、ずっと、ずっと、1つのことに集中するのが上手になっているが分かるかな?これからは、家でも、学校でも、外でも、友達と遊んでいるときでも、宿題をしているときでも、本を読んでいるときでも、●●●をしているときでも(→必要に応じて付け加えてください)、君が好きなときに集中できるよ。これは、“君が”持っているすばらしい能力だよ、分かるかな?



それじゃ、これから、君がそのすばらしい集中力をいつでも好きなときに使えるようになるためのやり方を教えるよ。君が何か1つのことに集中したいと思ったら、君がそのときにやることは、



1.  深呼吸をして、

2.  少し止めて、

3.  そして、息を吐き出しながら、「1つ・・・」「1つ・・・・」「1つ・・・」って繰り返し心の中で言うんだ。



深呼吸をして息を吐き出しながら「1つ・・・」「1つ・・・・」「1つ・・・」って繰り返すと、とても簡単に1つのことに気持ちが集中するよ。周りの人も、そして、君自身も、きっと驚くよ!そしたら、自分のすごい集中力を、友達や先生、お父さんやお母さんにも自慢したくなるような、そんな良い気持ちになれるよ。これからは、いつでも、どこでも、好きなときに、「1つ・・・・」「1つ・・・」「1つ・・・」って言うたびに、良い気持ちになれるよ。



↑↑↑↑↑以上、スクリプト↑↑↑↑↑


このセッションができるためには、すでにある程度のリラックスや集中ができる必要があります。必要であれば、漸進的弛緩法などを組み合わせましょう。また、クライアントとセラピストの間にすでに信頼関係が構築されていることも必要です。


この「1つ・・・」「1つ・・・」「1つ・・・」による集中力強化の方法は、私も使っていて、とても役に立っています。受験勉強中の学生さんや資格試験などを控えた社会人の皆さんにも使っていただけると思います。


今回は、ここまでです。




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※『Therapeutic NLP(治療的NLP)』のシリーズは、専門家に向けた内容です。