仕事柄、小型ビデオカメラの三脚を取り扱うことが多いのです。

写真は、

先日行われた幼稚園での記録撮影のヒトコマ。

 

 

それこそ、

最初独立したころ(2015年)は、

無理してVinten社の、ゴツい大型業務用三脚を購入して、

毎回大汗かきながら持ち歩いていましたが、

 

 

業界内の人間しかわからない価値基準で、

見栄を張ってもしょうがない。

・・・と、言うことで、

機動力重視で、

小型三脚を取りそろえるようになりました。

 

 

 

 

 

様々なメーカーの三脚を買ううちに、

それぞれ一長一短が感じられるようになり。

 

小型三脚に手を出し始めた当初、

デザインがかっこいいという理由で購入したのが、

こちらの「マンフロット」社の三脚です。

 

 

真ん中が空洞になっているんです。

 

ブリッジシステムとかいう、

中二心をくすぐる機構になっていますが、

正直、未だに効力がわかりません。

 

それ以前に、

パンの動きなどがぎこちなく、

この時初めて「三脚は油圧で動くものじゃないとダメだ。かっこつけで買ったらダメだ」と、勉強したものです。

 

よって、この三脚はほぼ動きのない、

無人カメラ用に使用することが多くなりました。

 

 

しかし、

無人だと良い意味で圧があり、

赤いボディと謎ブリッジシステムが、

他者から見ると、ただモノじゃない感を漂わせていて、

これはこれで良い買い物だったのかなとも思います。

 

ボディー自体も、大きさの割に軽いですしね。

 

 

 

続いて、

かなりがんばって購入したのがこちらのドイツの名門「ザハトラー」社の三脚。

 

小型三脚ですが、

やはりというか、

他社日本製三脚よりも割高な印象がありました。

ま、天下のザハトラーブランドだからか。

 

 

映像業界人的には、

ザハトラーのエゲつない安定感の、

業務用三脚のイメージがあるので(お金持ちのテレビ局が使っている)、

小型三脚であっても、ザハトラーのロゴが光る三脚と言うのは、

持っているだけでなんとなく凄腕のカメラマンになった錯覚を起こします。

 

 

でも、こんなことで優越感に浸るのは映像村の人だけで、

一般の方からすればなんのことやらって話なんでしょうが。

 

 

 

ただし、

やはり世界のザハトラー三脚。

5~10万円クラスの、安価な三脚とは一線を画する動きや粘りがありました。

 

これを味わったら、安い三脚には戻れない魔性の魅力。

 

カーボン製の脚も驚くほど軽量で、

ロケで背負って持ち運んでも、まったく苦に感じないほど。

 

値段に技術は比例する。

これまた勉強になりました。

 

 

 

が、

これまた矛盾するようなことを書きますが、

今現在、小型三脚を使っていて、

安定性と便利さで群を抜いているのがコチラ。

Libec社の10万円クラスの三脚です。

 

 

おわかりいただけますでしょうか?

パン棒が伸縮自在なんです。

 

 

このパン棒が長くなるというのが、

田中のような長時間の舞台撮影をする場面で、強力な武器になっており。

 

ずーっと立ちっぱなしで撮影する最中、

ちょっとイスに腰かけて、“撮りながら体は休憩する”みたいなシチュエーションで、

棒が長いと、座りながらも操作ができるといった芸当が可能になります。

 

意外やパン棒が伸縮する三脚セットというのが、

他社ではめちゃくちゃに高額なモデルじゃないとなかったりします。

 

そこで、天下のMade in Japanの平和精機工業こと、Libecの三脚ですよ。

 

10万円前後で、パン棒が伸び縮みして、なおかつ粘り気のある安定した三脚ワークを実現できるとか。

当社のような小規模映像事業者にとっては強い味方です。

 

なので弊社では、同モデルを複数台購入しました。

ロケも、舞台撮影も、これで対応OK。

 

 

いつか、

それこそザハトラー社のVIDEO20みたいなエゲつない三脚を所有してみたいという欲望はありますが、

その三脚の値段で買えるカメラやスイッチャーや配信の機材のほうが、よっぽど実用的だぞと、自分の内なる声が冷静に語りかけてくるのです。

 

 

 

世の情勢も変わってきましたが、

昔の映像フリーランスのカメラマンなんかは、

担ぎのどデカいビデオカメラ1台と、

Vinten社の青いケースに入った業務用三脚1本、

たったそれだけで、

依頼のあった現場を飛び回っていた印象があります。

 

 

そういう無頼漢なフリーの映像屋さんは、かっこいいなあと憧れたものです。

 

 

今の時代、映像屋には複合的な動きを求められて当然な現状、

機材はよりコンパクトに、よりコスパ良くというのが趨勢(すうせい)だと思われます。

 

そういう意味では、Libecの三脚はオススメです。

田中のような町のビデオ屋さんにもですが、

これから映像をスタートしようとする方にも、

ちょっと高い機材を持っておけば、

長い間楽しめる趣味になると思います。

 

 

ちなみに、冒頭で書いた、

無理して買ったVinten社の大型業務用三脚。

それこそ安い中古車くらいの値段がしましたが、

今では実家の竹馬とかが置いてある倉庫に、

いっしょに立てかけてあります。

 

あのお金があったら、ビデオカメラ2~3台買えていたんじゃ・・・とか、今でも思わないでもありませんが、

これもまた、高い勉強代だったと。

 

 

 

機材だけは相性があるので、

良いものに出会うまではトライ&エラーの連続です。

 

 

もしもこのブログの記事が、

これから三脚を買おうとする方の一助になれば幸いです。