数ヶ月前、佐吉と散歩していると、前方にスーパーの買い物袋を両手に持ち
足元もおぼつかないご老人が必死になって歩いていました。
途中途中でしゃがみ込みながら休みを取り、なんとか買い物に出かけたようでした。
流石に、足腰を鍛えるレベルではないと思い、佐吉を連れていたので
あまり自由が利きませんでしたが、荷物位なら運んであげられると思い
「お家まで運びますよ」と声をかけました。
ご老人はとても助かったという雰囲気で「ありがとう」と仰り
一緒に歩いていたのですが、佐吉もいてなかなか荷物も大変だったので
一旦、走って自宅前まで行き、家の前に佐吉をつなぎ、ご老人の所へ戻り
ご自宅の場所を聞いて、家の前までスーパーの買い物袋を二つ届けました。
結構重かったです。中身は全て食料だったと思います。
我が家の方はアップダウンが激しいため
結局ご老人は、スーパーから重い荷物を抱え、高台を一度登り
また下り少し登るという道筋を幾度か通っていたと思われます。
ご老人の身体には結構キツイです。お1人で住んでいるのか?
そこまでは聞けなかったので「近くですので、何かあったら声をかけて下さい」
と言いましたが、とても喜んで下さって「またお願いします」と仰ってました。
今朝、公園で満開の桜を佐吉と愛で、帰り道にいつもあまり通らない
その老人宅の前を通ったら・・・・・・
家の前にたくさんのお花が手向けてあり、明らかにそのご老人が逝ってしまわれたようでした。
お爺さんは、その後、きちんとご飯を食べられたのだろうか?
私の方から声をかけに出向いた方が良かったのじゃないか?などと考え胸が痛みます。
「頑張って歩いてたのを私は知っているから。」
とだけ呟き、ご冥福を祈りました。心が少し軽くなりました。知らせたかったのか?
そんな気もします。
食料品の調達に苦労されているご老人がいるという現実は
しばらく私を苛むかもしれませんが、多少のお節介も必要だと感じました。
ひもじい思いで逝かれたのではないと願いたいです。安らかに逝ったと信じたいです。