四十八、子供父さん『多摩川で遊ぶ』の巻 
                                           魚捕り編
           
 この物語は子供達が小さい頃に寝物語に
話した物です。思い出したので書いてみま
した。コメント等ありましたら、遠慮なく
お寄せください。お待ちしております。
           
 子供父さんが、自転車で、かなり遠くま
で、遊びに行ったのは、前に話したかな?
今日は、川まで、魚取りに行った時の事を、
話すね。        
 その前に、魚捕りの方法について、話そ
うかな。魚を、捕る方法は、いくつかあっ
たけれどね。子供父さんが、知っていた方
法は、3種類ぐらいかな。    
 1つは、魚釣りだな、そうそう、釣り堀
で、やったやつ、なんだけれどね。これは、
上手に、やらないと、釣り堀みたいには、
簡単には、釣れないんだ。    
 だいたい、釣り糸を、垂らして、釣れる
のを待つなんて、子供父さんの、性格には、
合っていませんでした。    
 つぎには、そうだなー、大きなビンや、
わなに餌を仕掛けて、次の日に、わなに入
った、魚なんかを、捕る方法だな。でもこ
れは、わなをしかけた、次の日もまた、川
に、行かなくては、ならなかったから、時
間が、がかかるんだな。    
 子供父さんは、川エビを、捕るのに、こ
の方法を、使った事があります。その辺に
ある、小枝や、草の茎を、ひもで、まとめ
て、川に、沈めておくんだ。すると、木の
枝の間が、安全だと思った、川エビが、潜
り込む、と言うわけさ。    
 えっ何だって?川に、エビが、いるのか
だって?知らないのかも、しれないけれど、
川エビは、日本中にいてね。ハサミの付い
た手が長い、手長エビや、普通の長さの、
芝エビなんかだね。大きさは小さいものが、
多かったね。大きくても8cmぐらいだね。
 でもね、これは、油で揚げて、塩を振っ
て、食べられるんだよ。次の日にその、小
枝ごと、そっと、持ちあげて、網の上に置
いて、ゆするんだ。すると、小枝の間から、
驚いたエビ達が、逃げようとして、飛び出
すのさ。もちろん、そこを捕まえる、わけ
だけれどね。        
 えっ何だって、魚捕りは、どうなったか、
だって?そうでした、そうでした。魚は四
手網と言う、魚捕り専門の、網を使い、捕
りました。四手網と言うのは、四角い網の、
四隅に竹を曲げて繋げる、やつだ。竹は曲
がるので、曲げて付ければ、網が、四角に
広がって、伸びて、四角い網ができるんだ
な。それだけではなく、その四角い網の4
つの辺の内3つの辺は少し網が上に持ち上
がっていて、脇から、魚が逃げられないよ
うに、なっているんだ。    
 そいつを、川の方から、岸の方に向かっ
て動かして、小魚や、水辺にすんでいる虫
なんかを捕まえるのさ。捕った魚や、虫な
んかは、大きなビニール袋に、水をたっぷ
り入れて、自転車の前のカゴに入れて、家
まで運んできます。家に帰ってからは、水
槽に入れて飼うんだな。    
 えっなんだって、魚は分るけど、虫が分
らないだって?そうだね~、どんな虫か教
えましょうね。捕まえられた虫で、多かっ
たのが、トンボの幼虫の、ヤゴだね、これ
は、飼っていると、後から、トンボになる
から、楽しみなんだ。      
 ヤゴにも、何種類もの種類があってね、
大きいヤゴ、小さいヤゴ、細長いヤゴ、何
かが、多かったね。      
 水槽の中に1本棒を入れておくとね、そ
こに、ヤゴが登って来て、トンボになるの
さ。子供父さんは、何回か、ヤゴが、トン
ボになるところを、見た事があるよ。  
 そーだなー、有る夏休みの朝早く、子供
父さんは、目が覚めてしまい、水槽の所に
行って、捕ってきた魚なんかを、見ていた
のさ。          
 すると、水の中の棒の所に、大きなヤゴ
が来て、棒を登り始めたんだ。子供父さん
は、どこまで登るのか、見たくなって、じ
ーっと、していたんだな。物音でヤゴを、
おどかしたく、なかったから、なんだけれ
どね。やがてヤゴは、棒の先っぽまで来て、
そこで、止まったんだ。    
 そのヤゴは水槽の中で、一番大きな、ヤ
ゴだったから、どんなトンボが、出てくる
のか、楽しみだったんだ。    
 やがて、ヤゴの、背中が割れて、中から、
柔らかそうな体と、くしゃくしゃの羽が出
て来た。出て来たばかりの、トンボは、細
い足で、ヤゴの抜け殻に、しがみついてい
るようで、ふらふらして、いたんだな。
 けれど、しだいに、体と羽が伸びて来た。
それを見て、子供父さんは喜んだ。どうし
てかと言うと、トンボの中でも、一番大き
な、オニヤンマだ!!でも、動くと、トン
ボを、おどかす事になるので、動けません。
 静かに動いて、お婆ちゃんに、トンボの
事を、伝えようと思いました。子供父さん
は、お婆ちゃんの、部屋に行きました。で
すが、お婆ちゃんは、まだ寝ていました。
 えっ、なんだって?小さなヤゴや、細い
ヤゴは、どんな、トンボになったか、だっ
て?そうだね、小さなヤゴは、塩からトン
や、赤トンボになったね。細長いヤゴは、
川トンボや、カボゲロウに、なったね。
えっ川トンボって、何にだって?川トンボ
はね、羽が赤黒くて、体が細くて、トンボ
らしくない、トンボでね、ひらひらと、チ
ョウチョ見たいに飛ぶんだ。カゲロウも、
ヒラヒラ飛ぶけどね、川トンボにくらべた
ら、少し小さめだったんだ。それに、カゲ
ロウは、止まる時には、セミみたいに、羽
を畳むのさ、分ったかい。    
 今日のお話は少し長かったかな。この辺
で、今日のお話は、終わりで言いかい?え
っ!もっと話して、ほしいだって?分りま
した。          
 えーっと。他にいたのは、エビだよね。
そうそう、川エビの事だけれどね。(ザリ
ガニではありません。)これは、大きくな
ると、小さな、体から抜け出して、大きな
体になるんだ。だから、体が大きくなるた
んびに、抜け殻が、水の底に、沈んでるん
で、分るんだ。抜けたエビは、しばらくは、
白っぽくなっているんで、すぐに分るけど
ね。          
 他には,タガメや、ゲンゴロウ、なんて
のもいたね。でもね、タガメや、ゲンゴロ
ウは、飛んで、逃げられるから、いつの間
にか、いなくなるんだな。なんだって?お
魚の話がまだだって?じゃあそれはまた今
度にしましょう。      
今日のお話は今度こそこれでお終いです。
           
信くんが言いました。      
『色んなヤゴがいるんだね。』  
お姉ちゃんが言いました。    
『色々なトンボが見れたんだね。』  
父さんが言いました。      
『今度捕りに行こうか?』    
二人が言いました。      
『そだね~。』      
           
おやすみ ナスビに きゅうりに トマト