三十二、子供父さん『花火で遊ぶ』の巻   
                  冬編
 この物語は、私の子供たちが小さいころに、
寝物語に話した物です。思い出したので書いて
みました。コメント等ありましたら、遠慮なく
お寄せください。お待ちしております。  
             
信くんが言いました        
『夏の話ばかりじゃなくて      
 冬のお話もしてくれないかな~。』  
お姉ちゃんも言いました      
『私もそう思うよ。』      
父さんが言いました        
『じゃ、そうしようかな。』    
そうして、父さんはお話を始めました。  
 子供父さんが、夏に、たくさんの楽しい遊び
をした事は、前に話したよね。夏だけではなく
冬も、もちろん、楽しんだんだ。冬は、夏とは
ちがう、楽しむ材料を、工夫したのさ。例えば、
そうだな、冬は、氷や、雪が、あって、それを
使って、楽しむ事もあったよ。学校に行く途中
にある、しも柱をわざと踏んで、しも柱つぶし
をやったりね。        
 池の氷の上では、石を投げて氷をわってみた
りね。石を氷の上に投げるとね、石が氷にぶつ
かって、薄い氷は割れるけど、少し厚い氷は、
なかなか割れないんだ。それだけじゃなく、石
が氷にぶつかるとその音が池の氷全体に広がっ
て『クワーン』みたいな音がする事もあったな。
 でも、雪の時は、特別です。学校でも、体育
の時間に、雪合戦をしたり、したしね。子供父
さんは、なんか、面白い事が無いのか、よーく
考えたんだ。夏には出来なくて、冬にしかでき
ない事で、楽しめる事を、考えたのさ。  
 家に帰ってきて、引き出しの中を、かきまぜ
ていると、面白いものが、見つかったんだ。そ
れは、夏にやり残した、『ロケット花火』でし
た。ロケット花火を、知ってるかな?空きビン
の口の所に、ロケット花火に付いている、棒を
差し込んで、倒れない様にして、導火線に火を
つける。すると、下に向かって火を吹いて、飛
んでゆき、空中で爆発するんだ。    
 子供父さんは、これを使って、面白い事が出
来ないか、考えたわけさ。      
 そこで、思いついたのが、ロケット花火で進
む、ソリの事なんだ。ロケット花火に、小さな
ソリを付けて、池の氷の上で、滑らせたら、面
白い事に、なりそうで、わくわくしたんだな。
子供父さんは、さっそく、計画を立て始めた。
 空を飛ぶ力を、前に進む力に、変えるんだか
ら、ロケット花火は、横に向けないと、前には
進まないなー。ソリは、出来るだけ軽い方が、
いいしなー。どうしよう。      
 そうだ、ソリは、軽いプラスチックで、作ろ
う!ロケット花火と、ソリは、しっかりくっ付
いていないと、ソリは、前に進まないので、セ
ロハンテープで、しっかりと、巻きつける事に
した。          
 子供父さんは、さっそく、作り始めました。
ロケット花火の、棒を切りとり、プラスチック
のソリを、テープで、しっかりと巻きつけます。
ソリは、プラスチックで、細い輪を二つ作りま
す。それを、ロケット花火に、セロハンテープ
で、巻きつけます。それで、ロケットソリの出
来上がりです。        
 ソリを二つ作り、池に行って、さっそく実験
です。氷の上にソリを置いて、ロケット花火に、
火をつけます。ロケット花火は、火を噴きだし
て、段々と、スピードを、出していきます。ス
ピードは出ますが、スピードが出て、速くなっ
た時には、花火が終わり、進むのが、止まって、
しまいました。        
 実験に一緒に参加したマサジが、言いました。
『火をつける時に、後ろに、壁が有った方が、
いいんじゃね、』と言ったので、氷で、壁を作
りました。          
 そして、実験の2回目です。ロケット花火に、
火をつけると、ソリはすぐに、スピードを増し、
池の向こう側まで、滑って行きました。  
 実験成功です。二人は、大喜びです。でも、
爆発の音を聞いて、かけつけた、大人が来たの
で、実験は、そこで終わりに、なりました。今
日のお話は、このへんで、終わりにしようかな。
             
信くんが言いました。      
『何で大人が来たのかな~』    
父さんが言いました。      
『馬がたくさんいる、公園なんで、    
 馬が、おどろくと、いけないからだと  
 思うよ。』          
お姉ちゃんが言いました。      
『そんな所で、遊ぶからでしょ!    
 ほんとにもう!』        
             
おやすみ ナスビに きゅうりに トマト