欲しい物は沢山ある
いらない物も沢山ある
欲しいから、必要だから手に入れたのに…いらなくなる
欲しい物は存在しない
本当に欲しい物は既に持っている
当たり前のようにあるから気付かない
木が密集して森になる…
日差し、雨風から避けられるように葉を重ねたり
通路のように枝を重ねたり
動物達が暮らしやすいように日々考える
全身に日差しを浴びたいけど、動物達の笑顔を見たいから

一本だけだと…
日差しを浴びれて、雨水を飲める
どこを見る訳もなく遠くを見詰め、風に従い木は揺れる
足元に誰が居るのか分からない
知らないうちに誰かの為に

森でも木でも…
何かの為に自分は居て
皆同じ大地に建っている

永い年月を暗闇の地中で過ごし
永い日々を自分の世界しか見ていない
今は朝なのか?夜なのか?分からない
空がない暗闇

違う世界に憧れて一歩踏み出す

暖かい太陽、穏やかな風
暗闇にはない世界

いつまで歌えるのか?

どこまで飛べるのか?

分からない…

暗闇にはない不安

広い空に浮かぶ雲

時には風で速度を変えたり、形をも変える

時には気温で厚くもなり、薄くもなる

広い空に居たいがために、自分を変えていく

いつしかその雲は涙のように雨を降らす

雨が上がる頃には、空を喜ばせるために、綺麗な虹を映し出す

雲は知らない。雨で草木が喜ぶことを…