カイロ大学を首席で卒業したと主張している東京都知事の学歴詐称問題に興味を持ったので、下記のような記事を複数読みました。

 

 

 

 

これらの記事によると、論点は以下の通りのようです。

 

①カイロ大学へ2年生から編入した経緯

 →父親のコネを使って本来認められない途中学年からの編入をしたうえ、編入前に通っていた現地大学の語学研修コースを偽っている

②カイロ大学での成績

 →まともに勉強していないため、幼稚なアラビア語しか話せず、首席のはずがない

③カイロ大学の卒業

 →当時卒業していないことは本人が同居人に認めているが、その後カイロ大学やエジプト政府が卒業を承認している(卒業証明書の真贋、大使館HP掲載の声明文について、都知事が工作した疑い)

 

ここでは主に③を扱います。

 

まず、複数の証人がいるので、都知事がカイロ大学を在籍当時、卒業した事実はないと考えられます。

しかし、カイロ大学やエジプト政府(駐日本大使館)が現在卒業を承認しているので、話がややこしくなっているのです。

 

通常、学歴詐称とは、本人が一方的に詐称したり、偽造された卒業証明書などを用いたりするもので、大学が卒業を承認することはありません。

以前もプロ野球監督の夫人がコロンビア大学卒と学歴詐称して、公職選挙法違反となった事例があります。

 

ところが、カイロ大学では、偽りの卒業証書を大学職員が交付するなど不正が横行してきた(エジプト国自体)ようなのです。

つまり、都知事の件は、大学が、そして政府までもが、卒業していないものを卒業していると偽って承認しているところに特殊性があるのです。

 

告発者たちは、「在籍当時に必要な単位を取ったり卒論を書いたりして大学を卒業していないのだから、卒業を称するのはおかしい」と主張しています。

一方、都知事は、「大学が現在卒業を認めているのだから、卒業は事実である」と主張しているわけです。

 

要するに、在籍当時に卒業していないという実態をみるのか、大学がのちに卒業を承認したという形式をみるのかの違いですね。

そもそも、卒業を認定するのは大学なので、在籍当時卒業が認定されなかったとしても後に認定されたのであれば、卒業を称してよいと考えるのは一理あります。

もちろん、後に卒業が認定されたのは、日本で権力をもつようになった都知事に利用価値があると考えるエジプト国が恩を売るためであって、不正だインチキだと主張するのも理解できます。

よって、両者の主張はどちらも間違いとは言えず、今後も平行線のままではないでしょうか。

 

長くなりそうなので、次回に続きます。