お札になった人物の似顔絵を描く、という課題が与えられたので
現一万円を見て福沢諭吉を描いた。 「言われてみれば似ている」と
言う程度の出来だ。
もっとメタメタに崩して特徴を大袈裟にしてソックリといわれるよ
うなものが描きたいのだが、どうしても写実的な仕上がりになって
しまう。
一コマ漫画もそうだ。 超ナンセンス的なものがそれにあたるのだが
こちらもなかなか満足するものは描けない
自分の描いた過去の作品で、こんなような傾向のものが面白いと
思っている。 ただし、見る人に通じなければただの悪戯描きに
しか映らない。 それは描き手にとってつらいことであるが、口に
だしてぼやいているうちはダメだ。 そんな手間があったらもっと
描かなければ。
亡くなった、ふくやま朗さんの晩年は毎朝目が覚めると「さあ、今日も
絵が描けるぞ」。 と毎日が楽しくてたのしくてたまらない。 と言
っていた。 ご本人から直接聞かされていた私は「いつか自分もそう
言う境地にならなければ、と思ったものだがまだ、一向にその気配は
ない。 人生、いかに甘い生き方をしてきたかがバレバレだ。