皆様こんにちは。
ホラーなテレビは1人では見れない!
バルトレージュの田村です。
今回は真面目なホラー話です。
苦手な方は今すぐブラウザバックをお願い致します。
基本的には事実ですが、一部プライバシーの為にフィクションを付け足している所もあります。
4年程前の事でしょうか。
愛車に車検の時期が来たので、近くのガソリンスタンドにお願いする事にしました。
距離は車で30分くらいでした。
初めて訪れる場所でした。
次の日も仕事で車を使うので、代車の依頼はしていました。
運の良い事に、最近入ったばかりのミニバンがあるそうです。
右後方の低い位置に大きな傷がありましたが、
年式も新しいらしく、前のオーナーさんもそんなに長く使ってはいなかったそうです。
傷に少しの違和感はありましたが、「こんなものだろう」と
特に深くは考えませんでした。
時期的には今と同じくらいでしょうか。
日が長い季節ではありましたが、
帰る頃にはどっぷりと日も暮れていました。
30分程の運転でしたが、僅かに不穏な空気が車内に漂っていたのを覚えています。
違う車を運転しているからそう感じるだけだろう、と
家に着く頃にはそんな考えに至っていました。
その夜
慣れない車の運転で疲れていたのか、私は熟睡していました。
その時、私の左の耳元で
「かえして!」
という若い女性の声が響き渡りました。
私は慌てて飛び起きました。
私は一人暮らし。
お隣さんも両側は男性で、女性の声など聞こえるはずもありません。
何より、耳元で確かに聞こえたのです。
まるで、この部屋に誰かがいるような……。
その日はドキドキが中々収まらず、それ以降は上手く寝つけませんでした。
翌朝
少し気乗りはしませんでしたが、車に乗らないと仕事には行けません。
私は不安を覚えながらも充分に注意して、会社まで運転しました。
睡眠不足もあるのでしょうが、その日は身体が重だるく
仕事に身が入らなかったのを覚えています。
また、色々考えが巡ってしまっていました。
かえして、とはどういう意味だろう?
車に関係している可能性が高い。
もしかして、車のもとのオーナーさんの想いが強く
“私の車を”返して
という意味ではないだろうか?
私はそう仮説を立てました。
そして、ガソリンスタンドの方から連絡が来ました。
無事に車検が終わったようです。
ここで私は思いつきました。
ガソリンスタンドの方なら、元の持ち主が女性なのか知っているに違いない。
私は仕事終わりにその足でガソリンスタンドに向かいました。
そして担当の方に「あの代車の元のオーナーさんはどんな方だったんですか?」
と質問してみました。
すると、
「元はおじいさんが乗っていたみたいで、免許を返納するにあたって、車が不要になったみたいです」
との事でした。
女性ではなかったのです。
私は更に考えました。
もう1つの説はこうです。
免許を返納するには、本人の同意が一番難しいと聞きます。
おじいさんは、事故を起こしてしまったのではないでしょうか?
その時に例の傷が付いた。
そして、お孫さんから
“もう免許を”返して!
と言われたのではないか?
身体の不調は1週間程続きましたが、その後は徐々に回復しました。
それからしばらく経って
私は車検の事など殆ど忘れていました。
信号待ちで、とある警察署の前に私の車は止まりました。
電光掲示板には、死亡事故の無発生記録日数が載っています。
記録は74日。
逆算すると、74日前には残念ながら死亡事故が起こってしまったという事です。
私は何気に何月何日に起こったのかを計算しました。
すると、代車を借りた日の1週間程前の日付だったのです。
額から嫌な汗が流れ出ます。
ここからは私の想像です。
前のオーナーさんが、あの車で死亡事故を起こしてしまった。
傷の位置が低かった事から、被害者は子供?
重大な事故なので、当然免許は返納。
車はガソリンスタンドにやってきた。
そして、あの言葉の主は
亡くなったお子さんの母親の生き霊で
“私の子どもを”返して!
と、今でもあの車のドライバーに訴え続けているのかも知れません……




