文楽『双蝶々曲輪日記』米屋の段 | はじめての歌舞伎!byたむお

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歌舞伎レポートの後は、
文楽レポートです。







「相撲場(角力場)の段」、「引窓の段」がよく上演されますが、
今回は通しです。



双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
 堀江相撲場の段/大宝寺町米屋の段/難波裏喧嘩の段/
 橋本の段/八幡里引窓の段





・相撲場の段

長五郎が松香大夫さん、堂々とした大人物の貫禄。
長吉は芳穂大夫さん、短気、負けん気の強いやんちゃな気性。
二人の掛け合いでした。
人形でも、やっぱり相撲取りデカい!
という印象でした。



相撲場の段と米屋の段の間に「井筒屋の段」があります。
今回は省略。おもしろいんですけどね~。
歌舞伎のレポートをご覧下さい(コチラ




・米屋の段

う~ん、どうなんですかね。
さっきまで対立していた長五郎と長吉の関係が変わる場面、
という意味では大事な場面ですが。

まあ、文楽、歌舞伎でありがちな展開なんですが。


ストーリーを紹介します。



素人相撲のチャンピオン、長吉さんは喧嘩は強い。
でもそこをガラの悪い連中にうまいこと利用されているフシもあります。
米屋の息子ですが、お父ちゃんが亡くなっても、
フラフラと仕事しないヤンキーですな。
実家の米屋は姉のお関がひとりで切り回しています。

長吉は大相撲の関取の長五郎と対決の約束をしています。
しかし、姉のお関さんは近所の人たちとお参りに行ってくると、
留守番を頼んで出て行ってしまいます。

仕方なく、人に頼んで長五郎を呼びつけると、
喧嘩の続きがスタート。
刀を抜いて切り掛かる長吉ですが、
そこらへんにある米俵を軽々と持ち上げて受けとめます。

米俵から米粒がパラパラ。
小道具さん、仕事が細かいっす、

そこへ外から「長吉の大泥棒め」と声がかかります。
「この長五郎、泥棒相手に喧嘩などできぬわ。」
と長五郎は喧嘩を中断しちゃいます。

やって来た連中は、前日に長吉が喧嘩をしていた相手の仲間。
「長吉に喧嘩で負けた後、縞の財布が無くなっていた。」
とのこと。

「何を!この長吉、喧嘩をしても盗みなんてするものか」
怒る長吉。

そこへ帰ってきた姉のお関。
お前の潔癖を晴らしてやろうと、
長吉の服がしまってあるたんすの引き出しを開けると、
なんと、縞の財布が。

お関は、
「うちの弟が申し訳ありません」
と謝り、お金を返します。

俺はやってないのに。
泥棒扱いされたとなったは、男が立たぬ。
もはやこれまで、自害しようとする長吉。

何かを見通して、それを止める長五郎。
「弟思いの姉をもって幸せだな。」
長五郎は意味深な台詞。
長五郎の境遇については『引窓の段』で明らかになります。

「よく止めて下さった。」
奥から出てくるのは、姉のお関。

実は、懲りずに喧嘩ばかりしている長吉を改心させようと、
お関がうった芝居。
さっきの窃盗被害を訴えていた人たちも、
ぞろぞろと戻ってきました。

お参りに行くと言って出ていたお関さん、
お寺の人とかにも変装してもらって
芝居をしてもらっていたのでしょうか。

長吉は、
ここまでして自分を更生させようとした姉の思いに心を打たれて、
今日を限りに喧嘩をやめると誓います。







(う~ん、どうなんすかね~。この展開。無理がある気もするんですが。
たむおだったら、余計人間不信になって、さらに非行に走るかも・・・)




長五郎もその心意気に感動して、これまでの喧嘩は和解、
どころか義兄弟の契りを結びます。

『夏祭浪花鑑』の団七と徳兵衛のような関係ですかね~。



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本日はこれぎり~。