『坂東竹三郎の会』すごくすごく良かったです。
演目の内容については後ほど。
とにかく、歌舞伎が本当に好きなお客さんばかり集まったなという客層。
開演5分ほど前にアナウンスで「携帯電話をお切りください」というのがありましたが、
他の歌舞伎の劇場のように係の人が一番前で「携帯電話の。。。」なんて、
無粋な説明はありませんでしたが、みんな言われないでもわかってます。
携帯電話の振動音なし、隣の人とのおしゃべりなし、
ビニール袋ガサガサもなし。
全員が舞台に集中です。
大向こうさんも多かったですが、自己顕示欲でかけまくる人はおらず、
ここぞというタイミングに、きっちりとかかります。
二人が見得をしているときにも、「音羽屋」、「松嶋屋」と分担して、
重なることなく、ツケの音に合わせてかかります。
『夏祭女團七』
なんと席は、花道の真横!
ということで、女團七役の猿之助さん、真横を通ります。
團七対義平次の「泥仕合」のあと、泥を落とし、返り血を落とすために
水を浴びる猿之助さん。
一昨日の記事に、かりなさんがコメントしてくださいましたが(ありがとうございました)、
今日は肩から水を浴びて、花道を去っていく前に(わざとだ、絶対わざとだ。)袖をしぼって、左右に払ってました。
濡れた~!!
鯉つかみの「Love水」に続いて、「亀水」も浴びましたよ。
代わって欲しい女性陣も多いにちがいない。
すいません、たむおが浴びてしまいまして。
何かご利益あるかしら?
伊右衛門さん
以下は記憶を元に書きますので、正確ではないかも知れません。
『東海道四谷怪談』の幕が引かれた後、
劇場中から温かい拍手。
鳴り止みません。
再び幕があきます。
伊右衛門役の仁左衛門さんが、照れる竹三郎さんを舞台中央へと促します。
中央のへ行くと仁左衛門さんと孝太郎さんで挟む形に。
薪車さんは一番下手へ廻って控えてます。
上手側から浴衣姿で猿之助さん花束をもって登場します。
壱太郎さんも。
下手からは隼人くん、男女蔵さんも登場。
黒衣さんから花束を受け取った仁左衛門さん、
竹三郎さんに渡して抱き合います。
続いて、猿之助さんからも花束、そして抱擁。
孝太郎さんからも花束が渡され、すでに涙が。
そして、隼人くんともハグ。
拍手が再び起こります。
竹三郎さんですが、感極まって
「私喋れないから、あんた喋って。」
と仁左衛門さんに言います。
困ったなという表情の仁左衛門さん。
「私が今、歌舞伎俳優をやってるのはこの人(竹三郎さん)のおかげなんです。
関西の歌舞伎が元気なくて、私も歌舞伎じゃなくて別の道になんて思っていたんです。
この人が元気に頑張っている背中を見て、私も歌舞伎で頑張れたんです。」
少し落ち着いて喋れるようになった竹三郎さん。
「お暑い中、かくも賑々しく足をお運びくださってありがとうございます。
これも松嶋屋さん、孝太郎さんをはじめ、猿之助さん、壱太郎さん、男女蔵さん、隼人さん、皆様のおかげです。」
「猿之助さんとはおばあちゃんと孫の役で私のこと『竹バア、竹バア』って呼んでくれますし、孝太郎さんとは母と娘の役で共演することが多く、今日は孫と娘とに囲まれて幸せです。」
「(松嶋屋)十三代目(仁左衛門)さんには、義父(四世尾上菊次郎)も私も大変おせわになりました。明日がお盆ですが、きっと早めに帰ってきて、劇場の上のほうで観ているんじゃないかと。」
猿之助さん
「この会は本当に素敵な会だと思います。竹三郎さんのことを好きな人ばかりが集まって出来た会です。これもすべて竹三郎さんの人格によるものです。」
竹三郎さん、再び号泣。
竹三郎さん
「こうしてこの会ができたのも松嶋屋さんをはじめ、みなさまのお力があってこそです。猿之助さん、孝太郎さんだけじゃなくて、壱太郎さん、男女蔵さん、隼人さんもこれから歌舞伎を背負って立つ人たちです。ありがとうございます。そして、なによりも劇場にきてくださる皆様のおかげです。僭越ながら歌舞伎をよろしくお願いします。」
孝太郎さん
「こんなおかあちゃんの会は今年で最後ですけれども、来年からは薪車君ががんばってくれると思うので、みなさん宜しくお願いします。」
仁左衛門さんの音頭で、舞台、観客全員で手締め(もちろん大阪締め)
「打~ちましょ パンパン
も~ひとつせ パンパン
祝おうて三度 パンパン パン」
『口上』のときのように、三方に礼。
観客の感謝の拍手の中、幕が引かれました。