初めてみた王子様のような

たかし君に私は恋をした

けど、付き合いたいとか

私のものにしたいとかは

思わなかった

それはたぶん、

私なんかにはもったいないと

そう思うから。

中学では特に部活もしていなかった私は

家に帰ってひたすら

ギターを弾く毎日が続いた。

それは、

彼と少しでも近づくための

必死な私なりの抵抗だった


たかし君と出会って

1ヶ月が経った頃、彼がうちに遊びにきた



まなみちゃーん

ギター頑張ってる?



そういうと私の部屋へずかずか入ってくる

たかし君



いやぁ難しいなぁ



ぎこちない私にたかし君が



ここの指でやるといいよ



そういって

私の人差し指をつかんで

弦を抑えさせた

初めて触った異性の手

どうしようもない緊張感から

汗が止まらなくなった私は

恥ずかしさのあまり



うんわかった

もう大丈夫



冷たい態度もう絶対嫌われた

目を見る事ができない私

手にかいた汗をぬぐい

唇をかむ

その様子に気づいたかのように



今度またくるね



優しい声をかけてくてた

たかしくん



また話しちゃった・・・

どきどきがとまらない私は

しばらくその場で呆然とした





今現在

キスをする仲になるとも知らずに・・・






気候晴れ

気温20℃

春らしい暖かくて涼しい季節


部屋にいる私はソファにすわり

黒くて大きいボディ

自分でバイト代貯めて買った

エピフォンのアコギを抱えて

角が削れてぼろぼろのピック

を手にもつ

ギターの音色


懐かしい

あの人と出会ったとき

離れた時

いつも私はギターを弾いていた。


私と彼を繋いだギターが

今の私の心のよりどころ



まなみ

20歳大学生

いたって普通の女

人並みの頭で人並みの運動神経

人並みの恋をしてきて

どこにでもいる大学生


私の大好きな人

たかし君

24歳

兄の友達

社会人2年目

私とは到底つりあわないほど

カッコよくて頭よくて

モテモテででも、彼女一途



まなみとたかし君

絶対に繋がらない関係

出会ったコロのまなみはそう思っていた




『出会い』


おじゃましまーーーす



私が部屋でギターをしている時

玄関から男の人の声が聞こえる


兄貴の友達かな


特に気にする事もなく

ギターの練習をする


えっと・・・難しいなF


ギターを始めて1ヶ月

何か趣味を見つけようと思って

手を出したのがギター

何かにあこがれたとか

フォークが好きだとかそんな理由は一切なく

ただカッコイイからという理由で

誕生日に買ってもらったギター


今日はこのへんでいいかな


痛くなった指先にはマメができて

つめもぼろぼろだけど

わたしは毎日夢中になった練習をした



まなみ~

ご飯よ~



母のいつものご飯ときの合図

毎回声でけーと思いながら

居間へといく



こんばんわまなみちゃん



そこにいたのは

背が高くてすらっとして

まるで白馬の王子様か?

ってくらいキレイな男の人


兄貴の友達カッコイイな


それが私の第一印象だった



一緒にご飯を食べていると



まなみちゃんいくつ?



14歳です



えっ!中2?見えない!!

同じ年でも違和感無いよ!

可愛いね!


えっ?今可愛いって言った?

高校生になるとそんなの気軽に言えるの?



どきどきした気持ちを隠して

人見知りの私は

カオを真っ赤にして

その場を去る。



すると、彼が部屋に突然きて



まなみちゃんギターしてるの?

さっき聞こえてさっ

俺弾けるんだよね?

教えてあげるか?



いいの?実はこのコードが難しくて



たかし~?お前ここにいたのかよ

いくぞ~


兄の邪魔によって一瞬の漫画のような

シーンが終わった



今度くるとき教えてあげる

じゃあね。




初めて人を好きになった瞬間だった

初めてこの人とずっと一緒にいたいって

もっと話したいって思った。

こんな出会い

どこにでもある出会いで

進展はしない出会いで



だけど、今、


私は彼を想い

彼は私を想う


だけど、


つながらないの。











つづく