今日、母に頼まれた本をネットで注文した。「いのちの贈り物」という本で特発性間質性肺炎と戦う家族の記録が書かれているらしい。普段、一切本を読まない私もこれはちょっと読んでみたい。
母は言った。この本のことは新聞載っていた広告を見て知ったらしいが、いつもなら全く見ないところ(欄)に書かれていたものなのに、今日たまたま気づいた!と。ちょっと興奮気味だった。きっと「虫の知らせ」だと。なんか違う気がするけど、本人はそれで納得しているからいいか。
やっぱり今でも考えてしまう。「あの日、無理にでも病院に連れて行っていればもしかしたら、今まだ生きているかもしれない。それも、自宅で、それまでとさほど変わらない状態で生きているかもしれない」と。父自身も家族も納得の上でのことだったから今さらどうということはないのだが、「もしあの時、もう一度人工呼吸器をつけていれば、話はできなくても意思表示くらいできる状態の父がまだ生きていたかもしれない」とか。まあ、後者の方はあり得ないことではあるけど。あの状態では呼吸器をつけても1週間はもたないと医師から言われていたから。
でも、父は間質性肺炎と診断されて3年半でその病気との闘いを終えたが、充実した3年半だったと思う。在宅酸素を始めるまでは大好きなゴルフにも数回行ったし、何度も温泉旅行に行ったりしたし、孫ともたくさん遊んだ。ドライブにも外食にも、バーベキューにもピレスパの副作用がなかったから、日焼け止めにUVカットグッズに身をまとって本当にいろいろ出かけた。最期の最後まで父らしい姿のまま生涯を終えた。今でもしっかり覚えている。すごく穏やかな、本当に寝ているような顔で棺に入っていたことを。安らかに眠って欲しい。