母は動かぬ体で夢見るように、 いつもニセコアンヌプリの美しい秋の風景を もう一度だけ みたいと泣いていました。

 あまりにも美しい世界。 気丈で才女だった母は いつか子供のようにはしゃいでいたことを思い出します。

 あのアンヌプリは 今僕の母の大きく美しい墓標として佇んでいます

Tamon&ToKu

アンヌプリ
作詞 松尾多聞
作曲 Toku 

  アンヌプリ★

〜亡き母の詩〜


1

いつか空に昇る前に

あの場所に行きたいな

朝日に照らされ雲海が

輝いたアンヌプリ


動かぬ体で夢見るように

母は涙を流してた

いま僕はそこにいるよ

あなたの写真を抱いて



2

紅く染まった羊蹄山

見つめ振り向き驚いて

こんなに美しい世界を

知らなかったと笑った


足の痛みも忘れ去り

母の涙まで輝いて

あなたが息子で良かったと

生まれてくれてありがとう


硫黄の匂いが懐かしく

一人で登るアンヌプリ

いま僕はここにいるよ

お母ちゃん見えるかい


3

ニセコの秋は深まって

広がるパノラマの物語

こんなに美しい世界に

いま僕は佇んで


動かぬ体で夢見るように

母は涙を流してた

いま僕はここにいるよ

あなたの写真を抱いて


硫黄の匂いが懐かしく

一人で登るアンヌプリ

お母ちゃんここにいるよ

お母ちゃん見えるかい


ここがあなたの夢場所

お母ちゃん見えるかい




2021年9月7日

自由詩人 松尾多聞