北海道には楽しみがある。地図が好きな人にはたまらない楽しみだ。
それは、日本海側、オロロンラインを除いて、ほとんどの地名が「アイヌ語」なのだ。だから調べていると、その土地の歴史や特徴がわかり、楽しくなるのだ。しかし、反対に言えば、私たちシャモ(和人)がアイヌの国を奪ってしまった歴史も見えてくる。
アイヌ語の地名には、人間として一番必要な生活の糧である「水」を現したものが多い。
例えば朱鞠内、稚内、札内・・・「内(ない)」がつく地名は「沢がある」との意味なので山間地か高台に位置していることが分かる。水が早く流れるとの意味も内在している言葉だ。そして「ワッカ」とは「飲める綺麗な水」の意味なので「稚内」の水は最高だったのだろうと想像してしまう。「カムイワッカ」は神のみが飲む水なので、人間には適していない。
また、当別、然別、士別・・・「別」がつく地名は「水が滞るところ」という意味で、そこの水はそのまま飲めない。いわゆる「平野」や「盆地」についた名前だ。
オロロンラインは「小樽」、「岩内」、「余市」・・・など、和名が続く。その理由は、江戸の古くからニシン漁で栄えたこの地では北海道の海産物(昆布、鮭、貝)なども捕獲され、北前船で本州に送られた。和人が商売のために住み着いたのだが、北海道開拓使が「住んでいる土地に小学校を建てれば、その土地に地名を与える」ということになったのだ。
※集団入植してふるさとの地名を使った「福島」や「新十津川」、「北広島」なども。また、キリシタン団体が「神の国」構築目指して入植した「上ノ国町」などもある。
厳寒の北海道で苦しい生活を強いられていた和人たちは「夢」を持った。
みんなで、集会場であり、避難所であり、文化であり、希望であり、夢である小学校をお金と労働を提供して建てたのだ。そう、世界でも初期の「非営利団体 NPO」はこうして北海道で生まれた。そして町の名前をいただいた。「ふるさと」それを人々は構築した。
写真は今朝の↑札幌のランドマーク「手稲(ていね)山」だ。石狩平野を望む865Mの連邦。
テイネとはアイヌ語で「湿ったところ」という意味で、昔は湿地帯が広がっていたことがわかる。詳しく言えば、大昔、石狩平野は海だった。大雪山に発起する大河「石狩川」の西流により、手稲山がその流れを食い止め、そこに堆積地が出来上がってきた。それが石狩平野であり、札幌だったのだ。
石狩川は大氾濫を繰り返した。その湿地帯はほんらい、畑など作れる場所ではなかった。しかし、明治の人々は大きく蛇行したあの大河を「堀り」直線とする大工事を行う。明治15年。石狩川は直線になり、堤防が完備され完成した。涙。人の手で大河を掘ったのだ。今も札幌市北区から石狩にかけて、その工事の後である、取り残された大蛇行の跡が「三日月湖」として多数残っている。この難工事のために囚人たちを含め、どれだけの命が失われたのかは計り知れないものだ。
さらにそこに、人々は「客土」を行い、畑を作って産業を起こしたのは、まだ最近のことだ。しかし、その人々の営みはいま、世界的な都市として花咲いているからすごいと唸ってしまう。アイヌの人々の知恵と協力をいただいて、私たちの祖先が行った偉業は世界遺産にも勝る宝物だ。
そして、平野。地吹雪、ホワイトアウト。この恐ろしい冬の現象は、どれだけの人々の命を奪ったことだろう。そして、人々は平野を区切るように「防風林」を植えてその被害を防いでいた。石狩平野にはいまでも、これらの防風林が数多く現存し、景観を守ってくれている。
防風林を透かして朝陽が登った。(写真、今朝)
冬の木立を影としながら冬の太陽は登りゆく。僕は夏には見られないその景色に、先人の歴史を想い、背筋が伸びた想いがした。
命をかけたから、命を守るための偉大な事業が構築された。
いま、建設の基礎工事や国立競技場など、、、様々なイカサマ問題がこの国でぼっ発している。そしてそれは氷山の一角だろう。いったい、この国の武士道はどこへいったのか。悲しくなってしまう。
音楽BGM
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防 風 林
アスファルトに沸立つ雨が降る
雨をすり抜ける風は温度を失い
焼けつく胸を冷却しようと寄せる
幾千万の夜を越えて
秋を迎える大地の鼓動を聞いた
飾られた全ては幻に消えていく
そうだね僕は一人で生きてきた
泣きながら何もわからないまま
でも今なら話すことができる
信じて欲しいから本当は淋しいから
貴方へ僕の鼓動を伝えたい
僕に沸立つ雨が降る
心をすり抜ける風は想いを君へ運ぶ
僕が本当の僕を知ったから
雨に光る遠い防風林は浮かんでる
ここにおいでと呼んでいる
今までもこれからも何人も守るため
悔しくて負けないでいた僕を呼ぶ
僕を包んで守ってくれる場所がある
遠くにいる貴方に伝えたい
雨は降ることをやめて
故郷へ急ぐ僕の車の跡には
跳ねあがる水滴が虹になった
北海道十勝平野にて:松尾多聞
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