BGMとどうぞ ←クリック
「巡りあいの中で」
波と砂が出会うように
海辺の物語は始まった
尽きせぬ思いに包まれ
私は恋心を見つめてた
寄り添えば近づくほど
貴方はその姿を変えて
砂を揺らす波なのだと
我身を知らないでいた
ねえ打ち続ける私の事
いつも許してくれたね
いつも笑顔をくれたね
海と太陽が出会うとき
全てが照らされるとき
心を重ねる意味を知る
私は生きる意味を知る
寄り添えば近づくほど
貴方が私を受け止めて
砂を揺らす波にのって
我身を削り抱きしめる
ねえ繰り返す我侭でも
打ち付けるくるしみも
いつも許してくれたね
2010・10・31
自由詩人・松尾多聞
詩のボクシング全国チャンピオン大会が10月16日東京大手町日経ホールで開催され、私のチーム、北海道代表「アンチテーゼ」が準チャンピオンになりました。詳しくはここ。
札幌地区予選、北海道大会、全国チャンピオン大会と、すべて応援してくださった大西様ご夫妻。そして友人の益子さん。川田さん。 はじめみんな!ありがとう。
あるところに地獄と呼ばれる国があった。
その国ではお箸(はし)でしか食べ物を口にすることが出来ないにもかかわらず、そのお箸が腕よりも長いという。その地獄に住む人々は美味しいものを目前にしながら餓鬼となり苦しんでいた。
あるところに天国と呼ばれる国があった。
その国でも、お箸は腕よりも長いのだが、互いに食べ物を分け合い、相手の口に運んであげているという。その天国に住む人々は互いに愛し合い菩薩のような微笑みをたたえて暮らしていた。
テーゼ(正立・命題)とは何だろう?私たちが持つ常識とはなんだろう?
幸福も地獄も、本当は私たちの心の中に存在しているものだとしたら、この刹那に無数に変化を繰り返す心を把握する努力こそが大切ではないだろうか。
アンチ・テーゼ。
人は見えないものを信じようとはしない。まして信じていないものを垣間見ることが出来ようか。
私たちは探し求めよう。この生命に内在する理(ことわり)を。人間が持つ本当の力を。決してあきらめず信じながら。
http://homepage2.nifty.com/sapporo7king/283.mp3
「窓辺」
化粧を落として窓辺に
頬を照らし出す朝日は
私を励ましているかな
生きてきた意味さえも
貴方を待つ希望までも
私は見つけられないよ
ごらんきっと夢がある
ずっと二人で生きよう
同じ窓辺の貴方の言葉
遠い街の貴方への手紙
私は元気でいるからね
何も心配しないでいて
強がる文字は夢に似て
ペンは寂しく震えても
涙が私を励ましている
貴方の夢はかなうから
ここで私は待っている
そう貴方へ綴っていた
2009・12・27
自由詩人・松尾多聞
全国大会で朗読した私の作品です。
言葉を買い歩いた詩人がいた。彼は長い戦乱から逃れるため、幼くして故郷から隣国に預けられたのだ。彼は異国の空にあり、故郷への慕情をしたためるうちに、いつか詩人になった。
ある日、詩人は故郷への船に乗る。戦火に苦悩する人々へ労わりと癒しの言葉を綴り与えようとして。美しかった街の荒廃。肉親の離散。詩人は目を覆いながらも、既に自分が母国の言語を忘却していたことを知る。
詩人は言葉を探し歩いた。より深淵で美しい言葉を。そして、全てを奪われ貧困に窮する若
者達は、やがて詩人に言葉を売りに来るようになった。
「流浪」・「貧困」・「空虚」・「カオス」
若者たちが叫ぶ言葉を彼は書きとり、わずかばかりの硬貨を渡した。
「永遠」・「普遍」・「生命」・「融和」
彼は感動して若者たちを抱きしめ、心からの涙を流
した。
「愛」・「希望」・「夢」・「慈悲」
このとき彼は生まれてきた意味を知る。しかし、この言葉を購うものを彼は持ち合わせてはいなかった。
「愛」・「希望」・「夢」・「慈悲」
そしてこの言葉を売りに来た若者達へ彼は約束する。この言葉を戦争の当事者である王へ献上することを。そう、彼は彼の命を以ってこの言葉を購うことを決めた。
降りしきる雨の中、言葉を詩人に託した貧し若者達は刑場へ向かう道に列を成し、彼を見送った。口々に若者達が彼に与えた言葉を口ずさみながら。王があらがう彼らの言葉を故郷の大地へ染み込ませるようにして。
永く年月は流れた。いつか戦争は忘れられ、やっと人々に笑顔が戻った。
その街には4本の広いストリートが出来ていた。詩人が言葉を買うために歩んだ道である。
「愛の道」・「希望の道」・「夢の道」・「慈悲の道」
今は人々の笑顔が絶えないその街には「詩人の故郷」という意味の素敵な名前がつけられているという。
音楽BGM
←クリック
午 後 の 散 歩 道
いつか来た道なのに
何故か景色が新しい
君と二人歩んでいた
午後の急な坂を独り
階段をかぞえながら
落葉を踏んで忘れた
弾む息を見つめあい
一緒に笑っていたね
もう戻らない光を編み
またなぞってみる階段
木々達が私に優しくて
もう数えられないんだ
いつか来た道なのに
いまは季節が美しい
君と二人歩んでいた
午後の落葉の散歩道
音楽BGM
←クリック
「帰郷の空へ」
たったひとつのもの
そのはずなのにいつも
探し続け傷ついて
人は旅を終わらない
いつもここにある空
そのはずなのにいつも
他に求め嘆いては
人は心を引きずって
もう求めないで
そう比べないで
要求と対比の中に
幸福は生まれない
たったひとりのひと
そのはずなのにいつも
追われ何かに憧れて
無明の旅は続いたね
いつもいつも僕は
貴方を見つめ離れない
きっとこの自然のよう
貴方と共に生きている
もう大丈夫だよ
そう変わりはしない
どんなにくじけても
貴方の旅は終焉する
たったひとりのひと
そのはずだからいつか
裸身の心でもう一度
貴方の勇気を魅せて
いつもいつも僕は
貴方とここにいる
旅を終えた旅人を
腕枕で迎えてあげる
たったひとりの貴方の
心を抱いて溶けてゆく
2009/02/18
自由詩人・松尾多聞




