「どわぁーーっ!僕をここから降ろしてくでぇー!」
嗚呼、あれは悲惨な出来事。。。運命とはかくも残酷であり、それに翻弄される人間の悲しいことよ。。。生き地獄の恐ろしさがここにあった。
数年前のこと、
仕事で他社を尋ねた。営業の佐藤クンはいつもの笑顔で迎えてくれた。気のいい青年で笑顔が人懐っこい。
仕事を済ませた帰りかけに、彼が、
「僕達も出かけるので途中まで送るよ。」と言ってくれた。
これはラッキー!早速頼んだ。そしてもう一人同乗して出かけることになった。
それは、この会社の技術部長の高橋さん。寡黙で職人肌の55才。高倉ケンさんにクリソツってことで女性の社員にも人気が高いナイスガイだ。
「高橋です。よろしく。。。」野太い声。射すような目力。うぅーん、かっこいい!
そして、社用のクラウンが発車した。お二人は前の席。僕はいちおうゲストと言うことで後部座席についた。運転の佐藤クンは緊張気味。
でも、人事ながら僕には心配があった。。。たまに居るのだが、ハンドルを握ると性格が歪む人。気のいいヤツだが佐藤クンもその一人なのだ。
そして、最初の交差点で信号に引っかかった私たち。長い信号待ちが終わり車が左折しようとしたその時だった。
子犬であろうチワワを連れたご婦人が横断歩道を渡ってきた。手には大きな荷物。大変そうだ。チワワが足にまとわりつく。よつれるご婦人。
ありゃりゃ、今度はよつれたはいいが、買い物袋からドックフードを落とした。
「チッ!」
佐藤クンは早速の舌打ちだ。高橋さんはやはり寡黙。腕組みをしている。
やっと荷物を拾ったご婦人は、あわてた様子で歩きだそうと必死だが、犬がじゃれる。
そして、彼は切れた。。。
「いい年かっぱらってスカートなんかはくから、もたつくんだ!いいから早く歩けよ ブス!」
嗚呼、荒れている。小さな声だけれど車内の二人には筒抜けだ。
すると聞こえたのか?ご婦人が何度も執拗にこちらを振り向くではないか!(ああ、まずい!)
「デブだからノロマなのか?デブは外に出て歩くなよ!ブス!」
(それにしても佐藤クン。君は性格変わりすぎだ。)
やっとご婦人が横断歩道を渡りきり、車は再度出発。そして直線にはいってしばらくしてからだと思う。
今度は両手を頭に廻して、高橋さんが初めてポツリと静かに語った。
「あれなぁ。俺の女房だ。」
ドッカ--ン!
僕はあわてた!でも、どうしていいか分からない!いたたまれないではないかぁ!その場をどんなことをしても繕うことができない。
「だぁーー!ここから飛び降りたいーー!」
恐る恐る運転席に目を移すと、すでに佐藤君はブロンズ像になっていた。(君は、、、どうする?これから。。。)
えっと、、、「ここでいいです。ここで。」僕は用事を思い出したと告げ、ブロンズ化した彼を置き去りにして途中下車したのはゆうまでもない。
そして何故か?下車した僕の頭の中では
がリフレインしていた。
「嗚呼。平成残酷物語」シリーズも第1弾を終わりましたが、まだまだ続きます。すべて実話なんですが、もっとエスカレートしますよ。お楽しみに。
音楽BGM
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君 は 流 れ 星
You are a shooting star.
空から星が降ってきて
君になったよ
空に大きく字を書いて
名前をつけたよ
かすれた声で呼んでいる
もう降ることのない
星空に向かって
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