「あなたが知っている風水」と
中国伝統風水は何が違うのか?
こんにちは。
風水コンサルティング見聞堂、風水大学の常見多聞です。
今回は、 一般によく知られている「風水」と、中国伝統風水は何が違うのか ということについて書いてみたいと思います。
「風水」と聞くと、
・玄関をきれいにする
・観葉植物を置く
・ラッキーカラーを取り入れる
・盛り塩をする
・鬼門や裏鬼門を気にする
・家具の配置を整える
・水回りをきれいにする
といったことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、こうしたものがすべて無意味だと言いたいわけではありません。
ただし、私が長年学び、実際の風水鑑定でも使用している 中国伝統風水 とは、その理論体系も、判断方法も、かなり異なります。
中国伝統風水を知る鍵は「羅盤」にある
中国伝統風水を説明するとき、非常に分かりやすいものがあります。
それが、 「羅盤(らばん)」 です。
羅盤とは、中国伝統風水の鑑定で使用される専門的な道具です。
一見すると、方位磁石が非常に複雑になったようなものに見えるかもしれません。
しかし、そこには単なる東西南北だけではなく、 風水判断に用いるさまざまな情報が何層にもわたって記されています。
中国伝統風水とは、単に「方位を見る技術」ではありません。
羅盤に記された情報が何を意味しているのか。
そして実際の鑑定で、 どの情報を、どの場面で、どのように使って判断するのか。
こうした理論体系を理解して初めて、本格的な中国伝統風水の世界が見えてきます。
現代ではスマートフォンやデジタル機器を使って方位を測定することもできます。
しかし、測定する道具が現代化したとしても、 その背後にある理論そのものが消えるわけではありません。
なぜ「簡単な風水」が広まるのか
羅盤を見ると分かりますが、中国伝統風水は決して単純ではありません。
覚えることも多く、理論も複雑です。
すると当然、
「もっと簡単にできないのか」
「もっと分かりやすい方法はないのか」
「すぐに実践できるものはないのか」
というニーズが生まれます。
そして、そのニーズに合わせて作られていくのが、 私がこの文章で便宜上 「ポップ風水」 と呼んでいるものです。
お手軽で、簡単で、分かりやすい。
そして「いかにも風水らしく見える」。
これはマーケティングとして考えれば、とても自然なことでもあります。
複雑な理論を何年もかけて学ぶより、
「この色を使えば運気が上がる」
「玄関にこれを置けばよい」
「この方角に観葉植物を置けばよい」
と言われた方が、分かりやすいからです。
ただし、 分かりやすいことと、本来の理論に忠実であることは別問題 です。
中国伝統風水には「流派」がある
中国伝統風水を理解するときに、もう一つ重要なのが 「流派」 です。
風水は一つの統一された方法だけで成り立っているわけではありません。
代表的なものには、
などがあります。(八宅派もありますが)
流派によって使用する理論や判断方法が異なり、 使用する羅盤も変わることがあります。
現代では複数の流派を学び、組み合わせて鑑定する人もいます。
つまり、
「どの流派の風水なのか」
「どの理論に基づいて判断しているのか」
ということは、本格的な風水を見極めるうえで非常に重要です。
私たち日本人は、中国伝統風水において「外国人」である
これは風水に限った話ではありません。
例えば、海外で独自にアレンジされた寿司を見たとき、 私たち日本人は、
「これは少し日本の寿司とは違うな」
と感じることがあります。
同じように、海外の人が侍や武士道をイメージして作ったものを見たときも、 日本人からすると、
「表面的には似ているけれど、中身は少し違う」
と感じることがあります。
中国伝統風水も同じです。
私たち日本人は、中国文化の中で生まれ発展した風水を学ぶ以上、 ある意味では 「外国人」 です。
だからこそ大切なのが、
です。
日本語で書かれた本だけを読み続けていると、 日本国内で独自に変化した情報だけを追い続けることになる可能性があります。
ところが中国の古典や原書まで遡って調べていくと、
「これはどこから生まれた考えなのか」
「これは本当に中国伝統風水なのか」
ということが、少しずつ見えてきます。
色・観葉植物・盛り塩・鬼門は風水なのか?
日本でよく「風水」として語られるものには、
・カラー風水
・インテリア風水
・観葉植物
・パワーストーン
・アロマ
・盛り塩
・片付け風水
・玄関(建物の個性を見ずに語る)
・トイレ(建物の個性を見ずに語る)
・水回り(建物の個性を見ずに語る)
・鬼門、裏鬼門
・いきなり生年月日を見る(建物の個性を見ずに語る)
などがあります。
ここで誤解してほしくないのは、 これらすべてが無関係だと言っているわけではない ということです。
問題なのは、
その土地、その建物、その環境固有の条件を見ずに、
いきなり一律の答えを出してしまうこと
です。
本来、建物にはそれぞれ違った条件があります。
立地も違えば、周辺環境も違います。
方位も違えば、建物の建築時期や構造も異なります。
それらを見ずに、
「玄関だからこう」
「トイレだからこう」
「この色だからこう」
と一律に判断することには限界があります。
では、中国伝統風水は何を見ているのか?
中国伝統風水には、非常に多くの理論があります。
その一つに、 「天・人・地」 「山龍・水龍」という考え方があります。
天の時、地の利、人の和という言葉がありますが、 中国思想には「天・人・地」という三つの観点から世界を見る考え方が繰り返し登場します。
風水でも同じように、 一つの条件だけを見るのではなく、 複数の要素を組み合わせて判断していきます。
また、山龍・水龍といった気の流れなどを読んだ上で、建物内外の風水の設計図を把握した上での処置が最重要課題となります。
中国伝統風水は、 単純に室内のインテリアだけを見るものではありません。
建物そのものだけでもありません。
土地、地形、方位、時間、周辺環境、建物の条件などを総合して読む体系 と考えた方が近いでしょう。
「風水らしく見える」ことと、中国伝統風水であることは違う
現代は情報が非常に多い時代です。
SNSや動画を開けば、 「これをすれば運気が上がる」 という情報が大量に出てきます。
しかし、
「風水らしく見える」ことと
「中国伝統風水」であることは同じではありません。
ここを見極める必要があります。
例えば、ある方法を10個試して、そのうち2つか3つで良いことが起きたとします。
すると人は、
「やっぱりこの風水は本物だった」
と考えたくなります。
しかし、本当にその方法が原因だったのかは別問題です。
人間には、バラバラの出来事をつなげて、 一つの因果関係のある物語として理解しようとする傾向があります。
これは心理学などで ナラティブ・バイアス と呼ばれる考え方とも関係します。
「これをやったあと良いことが起きた」
という一つの経験だけで、 その理論全体が正しいと判断することはできません。
本格的に学びたい人ほど「見極める目」が必要
私は、簡単な風水を楽しむことそのものを否定したいわけではありません。
それで生活が楽しくなったり、 部屋をきれいにするきっかけになったりするのであれば、 それはそれで意味があると思います。
しかし、
「本格的に風水を学びたい」
「本来の中国伝統風水を知りたい」
「風水を鑑定技術として身につけたい」
と考えるのであれば、 話は変わります。
その場合は、
・その理論の出典はどこなのか
・どの流派に属しているのか
・中国の原典に基づいているのか
・羅盤の理論体系とつながっているのか
・なぜその判断になるのか説明できるのか
といった視点を持つことが大切です。
本格的なものを求める人ほど、 「見極める目」 が必要になります。
中国伝統風水には、まだ知られていない深い世界がある
一般に知られている風水だけを見ていると、 風水は
「色」
「インテリア」
「玄関」
「開運グッズ」
のようなものだと思ってしまうかもしれません。
しかし、その奥には、 長い歴史の中で積み重ねられてきた非常に複雑な理論体系があります。
羅盤。
流派。
原典。
天・人・地。
山や水、土地、方位、時間。
こうしたものを一つずつ知っていくと、 「風水」という言葉から見えていた世界が、 まったく違って見えてくると思います。
「今まで知っていた風水は、その一部分に過ぎなかったのかもしれない」
そう感じたところから、 本格的な中国伝統風水への入口が始まるのではないかと思います。
最終的には、どんな情報と出会い、何を学ぶのかも「ご縁」だと思います。
私はこれからも、 私自身が学び、研究し、実際の鑑定経験を通して 「これは大切だ」と考えていることを、 できるだけ率直にお伝えしていきたいと思います。