扇打法よ永遠に
扇打法よ永遠に
「喝」「あっぱれ」の張本勲氏が死去した。子供の頃、日本ハムの大打者で、真似をよくしたが、あれで打つとボールが飛ばない。よほど体が強かったんだろう。特に手が強くないと無理。
巨人に入ってからは王貞治という偉大過ぎる打者がいたけど、二番手の打者として王さんを支えていたように思う。張本さんについてはパ・リーグのファンのおっちゃんから「とても怖い人」という評判を聞いていた。何しろ当時の浪商だ。その校名だけで箔が付くというもの。
引退後、自他ともに厳しいイメージがあったせいか、管理業には進めなかったと思う。それは門田博光さんと同じ。さて、TBSで出演した頃から、強面の裏にある優しさがTVを通じて分かった。大沢さんとのコンビは面白かった。大沢さんの前では弟分だったな。
さて、張本さんが被爆者であるのは世間では知られていたが、ご本人は長らくそのことを語っておられなかった。余りにも悲痛な体験について触れることは、他人がとやかくいうことではない。しかし、8月6日はカレンダーからなくしてほしい、という新聞のコメントを読んだ小学生から「いや、逆でしょう、語ってください」と言われてから「はっとした」となり、大いに語るようになられた。
はだしのゲンをはじめ、僕ら世代は数多くの体験を聞かされ、読んでいる。その中でも一番印象深かったのが、張本さんの体験である。野球では空前絶後のNPB3000本安打。語り部としても影響力はナンバーワン近いだろう。見事な広角打法である。
また親世代の大選手が亡くなった。
僕みたいな立場の人間としては「理性に彩られた狂気」である核抑止論を脱臼・宙づり・解体するための理路を作らなくてはならない。平和だから野球ができるし、楽しめるのだ。合掌。
読書メモ:『同志少女よ、敵を撃て』
『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬著、早川書房=9119)
独ソ戦で活躍した女性狙撃兵を題材にした戦争小説。著者はロシア研究一家の人。女性兵士、狙撃兵、体制間絶滅戦争、帰還兵問題。非常に多面的な問題を織り込んだベストセラー。宇露戦争という悲劇的な状況もあり、売れた。
印象に残ったことの言葉の羅列。エレンブルグの詩への嫌悪感。女が忘れられる戦争、女が「求められない」戦争。人間をいかに歪めるか。幼馴染を「カチューシャの歌」を頭に流しながら狙撃する時の気持ち。「空」あるいは「無」になる狙撃の瞬間。「友達と仲良くする方法を教えてほしいって」「それはいい。それは大切だ。私たちも、それを教わらなければね」 戦時性暴力はどの国でも深刻な問題だった。男だらけの軍隊における、ホモソーシャルの団結手段としての性暴行。
セラフィマが戦争から学び取ったことは、(中略)命の意味だった。
心地よい英雄的な物語。美しい祖国の物語。
いたましい悲劇の物語、恐ろしい独裁の物語。
そしてそれは、独ソのどちらでも、男たちの物語だっ た。
物語の中の兵士は、必ず男の姿をしていた。
読書メモ:『大阪 裏の歩き方』
『大阪 裏の歩き方』(花田庚彦著、B.カシワギ、用心棒勝男協力、彩図社)
和歌山市駅に難波のラーメンの名店、丈六がある。その店にこの本があり、実は店主の知人が取材協力しているということで購入。
読んだ感じ、裏社会につながる売春や薬は、維新行政でかなり締め上げられて、大阪の街は確かにクリーンになったようである。こういう連中と接触のある街で維新が強いのも分かる。
それよりも、気になったのは良い店の紹介。性風俗には興味がないので、食べ物で気になったことを記録しよう。釜ヶ崎からは「たまりばけんちゃん」「焼き鳥ジロー」。たこ焼きの「浪花屋」(長居駅近く)、「象屋(の豚玉)」(玉出)、「三好屋(立ち飲み)」「栄屋(マグロ)」(堺東)。
ホラーなのはカレー肉の話。でも、人肉は美味しくないと聞いている。