翻訳中の試験報告書の中に「共洗い」という言葉が出てきました。


おお、これは!


去年の忘年会で今はアメリカ赴任中のボスから教わった業界用語ではないですか!



私はお酒が飲めないのでジュースを飲んでいたのですが、ボスがウーロン茶を注ぎに来てくれた時

じゃ、共洗いするから」と私のグラスを取ったのです。

ポカーン( ゚Д゚)ぽかーんとする私に「あ、これ化学用語でしたね」とその意味を説明してくれたのでした。



以下、Wikipediaより引用


共洗い(ともあらい)は化学
分析 時に行う準備作業の名称である。

液体 容器 に採り、当該の液体に対する化学的分析を試みる場合に、液体採取に先立って行われる作業であって、もっぱら次のような手順で実施される。

  1. 洗浄済みの容器に、分析対象の液体を適量採る。
  2. 容器を十分振るなどして、容器内部を分析対象の液体を用いて洗浄する。
  3. いったん容器から液体を(おおむね)除去する。
  4. 改めて、分析対象の液体を分析に必要な量だけ容器に採り、実際の分析を実施する。

共洗いの主たる目的は、容器内部に付着している、分析対象となる液体以外の物質を、予め除去することにある。同時に、容器洗浄に用いた水分 が付着していることで、分析対象の液体の濃度 に影響を与えることのないようにする目的もある。



つまり


ビールを飲んでいたグラスに焼酎を注ぐ際焼酎ですすいでから焼酎を注ぐ


ということなんだそうです。


日常で使うことはないですよ~。酒宴でこんな言葉使うのは理系くんならでは!




さて、「共洗い」は英語でなんと言うのか。


普段仕事上で使っている英辞郎 にもライフサイエンス辞書 にも載っていない!

こんなときはGoogleであたりをつけて表現を探します。

(今回だったらwashとかrinseでネイティブが書いたと思われる科学論文から近い表現を検索)




で、こんな訳でどうでしょう?


"rinse out (the container) with a separate portion of (liquid)"



インターネット上の表現が玉石混合なのは重々承知ですが、最近、著作権問題でお騒がせな『Google Books』が役に立っています。Googleの検索結果にGoogle Booksが入っていると書籍の内容が読めちゃう優れものです。英語表現の「裏を取る」にはやはり出版物の信頼性が高いですからね。



そうそう、Wikipediaは裏取りとしては使ってはいけないメディアですね。でも大雑把な知識を得るためには役に立つと思います。


ペタしてね


以下、当初掲載時についたコメントです


1 ■共洗いと英文公報

こんにちは。

共洗いに関する記事、とても興味深く拝読いたしました。

多くの方々に参考になるように思い、こちらでも記事にさせて頂いております。

http://ameblo.jp/saglasie/entry-10305510158.html

もし不都合などあれば、お知らせください。
よろしくお願いいたします。

翻訳者を応援!Asako 2009-07-23 10:54:16

2 ■有益な情報ありがとうございます

>翻訳者を応援!Asakoさん
大変勉強になりました。
また、まだまだ自分の裏取りの甘さにも気がつきました。
ありがとうございます!

tammy@翻訳修行中 2009-07-23 11:03:07