先日訪れたロケ地。夕焼けが綺麗だった。


ドラマ「大恋愛」の撮影が終わり、19日はリーディング「シスター」の公演、21日までテレビ番組の収録などがあり、その後はライブの打ち合わせや、レッスンなど、年末の休みまでまだまだ忙しい日々がつづく。

来年4月のライブに備え、6月ごろから歌のレッスンに力を入れているのだが、その甲斐あってか、ずいぶんと声が変わってきたと感じる。

そもそも、踊りは言葉を発しない。

その代わり、ステップで構成された振付や音楽がある。それは芝居に置き換えれば、台本と演出のような役割ということになるのだろうか。

これ、細かく書いていくと、本一冊にも収まりきれないほどの大きなテーマだ。

歌に力を入れるようになってわかってきたのだが、バレエダンサーの身体は、「声」の身体とは対極にある。

そもそも、声を出すには、息の流れが重要だ。息のコントロールは、声の表現の土台とも言えるもの。

しかし、、、

私は、息を吐くことがなかなかできなかった。振り返ってみれば、踊る時に大きく呼吸をすることなんてなかった。

踊る時の呼吸は肺式の呼吸。腹式呼吸によって大きく腹筋が動いてしまったら、身体の中心軸を保つことができない。踊りに限らず、激しい運動をしているときは、腹式呼吸にはならないのではないか? 飛ぶ、回るなど、瞬発力で動くようなステップが連続しているときは、ほぼ息を止めていたと思う。

歌の専門家が必ず言うのは、「身体を緩める」ということ。

筋肉が硬まっていると、声が響かないのだそうだ。
体の中心が緩んでいればいるほど良い、というような感覚らしい。

踊りとは真逆の身体なのだ。

もう4年くらい前になるだろうか。ニューヨークに、芝居や発声のレッスンを受けに行ったことがあった。

発声の先生は、日系カナダ人。大ベテランから新人まで、あらゆる層の俳優たちの指導をしてきた方だ。その先生はおっしゃった。

「ダンサーはなかなか身体を緩ませられない。筋肉が強いせいもあるが、それよりもメンタルの理由の方が大きい。みんな、お腹を膨らませることに抵抗があるからだ」と。

それは、そうなのだが、そういうことを聞くほどに
「じゃあ私は、やってやろうじゃないの」と、闘争心に火がつく。体型が変わることに恐れを抱きながらも、「声を獲得したい」という欲望にしたがって邁進することにした。

正直に明かせば、お腹まわりは踊っていた頃とは全く違っている。

でも、「もう踊るわけではないから」ということで徹底的にやっているのだが、思わぬところでその効果もあった。

腹筋が緩んできたことで、椎間板ヘルニアで痛めていた腰が改善されてきたのだ。

腹筋や背筋は、身体の中心を支える重要な筋肉。それを、今までとは真逆の方向に動かし始めたら、体全体が変わってきのだ。

楽になってきたというか。

本来、私のように身体を酷使してきてしまったら、この歳で古傷を改善するのは、なかなか難しいことなのだが、歌に力を入れるようになって、ありえないほど腰が良くなってきた。

思わぬ副産物だ。

といっても、ここに至るまで10年近くの時間を要している。踊りをやめた直後から発声のレッスンはしてきているのだが、身体が変わってきた実感が得られるようになったのはここ1年くらいの話だ。

女優として活動してみようと決めた時、本当に女優として出発できるようになるまでには、10年くらいかかるのだろうな、と漠然と思った。

その通りだった。

新たな身体。新たな幕開けだ。

来年は、ライブ以外にも色々とやりたいと思っています。

まずは健康に気をつけること。

頑張ります!

皆さま、良いお年を。