町の何か所かの大木や、電柱の上に、

今カササギが巣作りをしています。

 

初めて鵲の巣を見たときは、その大きさに驚きました。

こちらでは、かささぎのことを、「かちがらす」または「かち」と呼びます。

 

昔、秀吉が朝鮮から持ち運び、戦勝を予告する鳥という意味で

そのように呼ばれるようになったとか。

 

カラスとは言いながら、その姿も鳴き声も全然違います。

 

初めて鵲を見たのは、福岡県、久留米市の路上でした。

胸が真っ白でそのほかは美しい黒、尾が長く姿の奇麗な鳥でした。

 

確か、30年ほど前のことです。その時にカササギ=かちがらす、ということを知り、それから幾年後に当地に引っ越して来ました。

 

カササギは佐賀県の県鳥です。

当時は道を歩けばどこにでもカササギはいました。それも群れで。

写真は撮り放題です。

 

でも、いつごろからか、あまり見かけなくなりました。

先日、営巣中の巣を二つ見つけましたが、

スマホを向けると、すぐに飛び去り、なかなか撮らせてくれません。

 

あるときは、4羽で一つの巣を作っていました。

巣作りは、仲間の共同作業なのでしょうか?

 

カササギはそのあとの悲劇を知らないようです。

 

苦労して巣を完成させたとしても、電柱の巣は人の手によって

容赦なく取り壊されてしまいます。

 

この町には欅の大樹が至る所にあるのに、

鵲は何故、その木の天辺を選ばないのでしょうか?

きっと、高さが物足りないのでしょね。

カラスから身を守るためには電柱の高さがちょうどいいのかも

知れませんが、毎日大きくなっていく巣を仰ぐたびに

切なくなる野菊です。

 

今日も夕方の青い空に、昨日より幾分成長した月が

ふわりと浮かんでいました。

 

鵲(かち)の巣の人目の及ぶ高さかな   野菊

 

一途てふ危ふきものよ恋の猫        日本伝統俳句カレンダー二月号記載