私のセッコク栽培は五年ほどで、風蘭の四十数年、ミヤマムギランの十数年に

比べて日が浅いこともあり、あまり上手く行っていません。

それでも他の植物のミズコケ栽培で身に着けた自身の方法で作りながら、

長生蘭同好会の展示会に出して、そこそこの出来になっているのを確認しました。

 

ここ数年の栽培で分かった問題点は、素焼鉢使用での水遣りが充分できずに、

鉢によって成長のバラツキに大きな差が出やすいことです。

東日本大震災による温室の傾きにより排水に支障が出て、セッコクに必要な

鉢群へまとめての大量潅水が出来ず、噴霧器の噴流による一鉢ごとの水遣りに

なっているのが、乾きが速くて手が回らない夏場に問題を生じています。

 

素焼鉢は多くのメーカーがあり、よく使う2号や2.5号鉢でも口径や肉厚に差があり、

水を遣った後のミズコケの乾きにも差が出て来ます。

本来は全ての栽培素焼鉢が、水を吸って茶色になるまでの水遣りが必要ですが、

私のところでは外棚で雨に当てた時にしか、そのようにしていません。

 

5月からミヤマムギランのスリット鉢への切り替えを行い、この鉢の水持ちの良さ、

通気性も意外によいことが分かり、セッコク用に2.5号と2号鉢を調達しました。

一部のセッコクを素焼鉢からスリット鉢へ差し替えで試験し、様子を見て来ました。

鉢が重量を感じないほどに軽くて、水遣りをするかの判別もしやすく、作落ちなど

栽培への懸念もないので、全数を差し替えることにしました。

 

セッコク用の素焼鉢とスリット鉢 

左が素焼鉢の2.5号と2号、中がスリット鉢の2.5号と2号です。

右端は八角の小型プラ鉢で内容量は2号と2.5号の中間になります。

この鉢は日本長生蘭連合会の堀籠会長が長年普通苗株の栽培に使っていて、

素晴らしい作になっています。堀籠さんは関東長生蘭同好会の会長でもあり、

私は例会の競りで栽培品を数鉢手に入れて確認しています。

スリット鉢はこの鉢に通じる特性があると考えています。

 

セッコクのスリット鉢への差し替え

スリット鉢は鉢縁が薄くて外径が小さいので、プラ籠内に余裕が出来ました。

従来素焼鉢を12収めていたのが、スリット鉢を15を入れることができました。

背の高い株や繁っている株には、2号素焼鉢6個をスペーサーに入れています。

これで丁度12鉢がきれいに収まりました。

 

差し替えた鉢の状況

私の入院スケジュールの関係で、作業を突貫で行い昨日全ての鉢が終了しました。

時間がなくて作業の詳細は記録していません。

仕上がった全体の状況は次回の記事に載せることにしています。

 

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