私は料理が嫌いだ。
いやむしろ献立を考えるのが嫌いだ。
「今日は黒毛和牛でじっくり煮込んだビーフシチューにしましょう!おほほ!」
「今日はいい金目鯛が手に入ったから金目鯛の煮付けよ!おほほ!」
こんな風にぜいたくな食材が自由に手に入り、好きなだけ料理ができる。
こんな環境だったら、そんなに献立に悩まないと思う。
でも月々の食費には限度があるので、こんなことはやってられない。
それでも
「おいしくて、適度に品数があって、栄養のバランスも良くて、マンネリじゃなくて、お安くあがる献立」
そういうものをできれば考えたいと思うから非常に苦しいわけで。
なぜ、私はこんなに苦しいのか。
先日も鮮魚売り場で値段も手ごろなコチやゼンメが売られてたではないか。
なぜ私はあれを購入しなかったのか、煮付けにしたらおいしいのに。
で、今熊夫が選んだサーモンの切り身を見ながら気づいた。
「要は熊夫と桃助が好き嫌いするからメニューがワンパターンになるんやんけっ!」
コチもゼンメも小骨が多くて確かに食べるのが面倒。
でもおいしいやんっ!
熊夫はアジの干物さえ骨をいやがる。
「あんたらのせいで私はくるしんでるんやんっ!」
カキはいや、魚の骨はいや、栗ご飯はいや、デザートにブドウは種が面倒・・・
主婦をはじめて十数年、やっと気づいた。
やつらの好き嫌いが私を苦しめる原因の一つだったのでしたよ。