大叔母は私の父方の祖母の妹。

明治生まれになると思う。


娘時代に警察官とお見合いし、結婚するべく話が進んでいった。

ほどなく大叔母はその警察官の子をお腹に宿すことになる。


しかしその後、その警察官にはすでに妻子がいたことがわかる。

今では考えられないことだけど、そうだったのだ。


大叔母は子供を出産したと同時にその子を里子に出すことになる。

その後生涯独身だった。


私はその大叔母にたいそうかわいがられた。

大叔母の住む長屋に行くと、お絵かきが好きな私のためにスケッチブックとサインペンが用意してあった。


でも私が大叔母になついていたのは短期間でその後の長い長い年月を大叔母はその長屋で一人で生活していた。


大叔母が体調を崩し入院したとき、母がその長屋を片付けに行った。

さながらゴミ屋敷だったと言う。


親族の中で私が一番好きなのはこの大叔母だった。