カナダのインディバンド、 Viet Cong のデビューアルバム。
Viet Cong/Hostess Entertainment

¥2,253
Amazon.co.jp
今の若い世代の人にとって Viet Cong (ベトコン)と言っても聞きなれない固有名詞的な響きしかないだろうけど、オヤジ世代の人間にとっては、グループ名に使われるのに複雑な思いのある言葉。
アメリカ人などは、相当嫌な気がする人が多くいるでしょう。
「南ベトナム民族解放戦線」というのが日本語訳で、1960年に南ベトナムで結成された、反米、反帝国主義のゲリラのことですね。
ベトナム戦争の中心でもあります。
特にアメリカは、相当な戦闘員を投入しても勝利は得られず、無差別テロやアメリカ兵捕虜への残虐な行為が頻発したこともあり、高齢な人たちから見れば、アルカイダやISのような理不尽集団でしかないでしょう。
まあ、そんな名前をグループ名に付けるカナダ人の勇気というか無謀さには、若干呆れながらも、目指す音への過激性の表れかも、などと若干の期待もこめながら、このアルバムを聴いたのでした。
全体的には、シューゲイズ的な音像をベースにしながらのポスト・パンク。
耳から麻痺性のガスを投入されて、だんだん脳と感覚が停止させられていくような音のカタマリという印象です。
そこはかとなく感じられる浮遊感もこの感覚を増大させる。
ボーカルはシューゲイズにありがちな、くぐもってエコーがらみでメロディレスなもの。
その割には、ギターはさほどノイジーでもなく、ベースもしっかりと聴こえ、キーボードもフィーチャーされていて、サウンドデザインも比較的しっかり考えられてるかな。
浮遊感とか麻痺的というのは、多分に3曲目に引っ張られて感じているところもあるけど、単調なギターフレーズやドラムスパターンが、聴き手がイメージするよりも長くリフレインされることでもたらされていると分析。
単にシューゲイザーと割り切れないし、クラウトロック的な部分もあるし、それぞれの良さを取り入れながら、グループ名にひっかかりを持たせてうまくシーンに入り込んできた。
メンバーはWomenというグループ(知らない)のメンバーだった人が多いらしく、デビュー盤とは言っても、新人バンドではないことが、手堅く作れた要因でしょうか。
アルバムはなかなかの完成度だと思います。
自分は後半の方が好きかな。