過去記事で気まぐれな天才と書きましたが、やっぱり天才だったことが確認できました。

John Frusciante 最新作 "Enclosure"

Enclosure【ボーナストラック+2、高音質Blu-spec CD2、超ロングインタビュー.../BounDEE by SSNW

¥2,300
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まだ回数は聴いてません。
でも1回聴いただけで、これは素晴らしいアルバムであることがビンビン伝わってきます。

今回は日本盤を買いました。
ボーナストラックもついてるし、値段もそんなに高くないということで今回は日本盤を選んだのですが、これが正解。
彼のロングインタビューが実に興味深い。

一昨年の年間ベストに匹敵した前作 "Pbx Funicular Intaglio Zone" も実に刺激的で素晴らしいアルバムでしたが、そこから始まった音楽創りのベクトルは、このアルバムにも一貫しているということです。

それは音楽の中に対立的な要素を入れるというもの。
曲の中で、自分が自分と戦う。
具体的には、伝統的な曲創りを非伝統的なプロデュースで破壊する、ということだったそうです。
スローな曲に高速なドラムを入れる。
美しいパートに、コードと対立するストリングスを入れ、不協和音を創る。
アナログな歌とギターから入った伝統的なソングライティングに、ドラム主体のエレクトリックミュージックをかましていく。

シンガーソングライターであり、プログラマーでもある彼だから、発想できる方法論。
伝統的な曲創りのスキルと、エレクトロニックミュージックのプロデューサースキルの両方を兼ね備えているから結果を出せる、方法論。

伝統的な曲創りを非伝統的なプロデュースで破壊する。
そこから新しい音楽を生み出す。

まさしく、前作で感じた印象そのもの。
溜飲が下がる思いでした。

この違和感と緊張感の醸成によって生み出された音楽は、やはり格別です。







しかしこれだけの音楽を創るための明確なベクトルと具体的な方法論を思い描けるのは、限られた才能の持ち主だけでしょう。
そしてそれを確実に実体化してしまうのも。

曲創りの天才が、歌がべらぼうにウマい歌手が、瞬間的ひらめきで創ってしまう音楽も魅力的であることは間違いなけれど、こうやって理論的にコンセプチュアルにアプローチされた音楽が素晴らしいものになっているのも、とても魅力的です。