Beck 6年ぶりのアルバムです。
"Morning Phase"

Morning Phase/Capitol

¥1,513
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非常にしっとりと穏やかに、Beck的カントリーフォークが展開されます。
Sea change と同じメンバーによるものだし、同傾向と言われるのもうなずける。

繊細で上質。
広がりのあるサウンドスケープ。
まさしく自分好みの音。

今までのBeckのロックは、刺激的ではあるけれど、どこか独特のアクがあってそこが自分にフィットしきれないところがありました。
しかし今作は違います。

ここまでアクを薄めてしまっていいのかというくらい、BeckではあってもBeckではないくらいに、ある種のニュートラル感が出ています。

しかし逆説的だけれども、そのことでどこかに一抹の不満が残ったのも確か。
Beckなら、これくらいのクオリティを出して当たり前で、自分たちが想定できないワンステップに踏み込んでくれるのではないか。
濃密なサウンドにプラスアルファの何かをもたらしてくれることをどことなく期待していた。

悩ましいところです。

でも聴きこむに連れ、この6年間に彼に起きたさまざまなことを知るに連れ、Beckは自分自身のために、このアルバムの制作が必要だったのかもしれない、と思うようになりました。

自分の中の何かを溶かすために。
自分の中の何かを癒すために。
新たにやってくる朝を受け入れるために。
同じ何かを抱えているリスナーのために。

この音とこのサウンドスケープとイマジネーションが。

どちらかというと、この2曲続く地味目な流れが好きです。




光の目覚め。朝にふさわしい輝きにあふれたタイトル。サウンドスケープも素晴らしい。


最近、いいなあと思うものにはこんなサウンドスケープを持つロックが多くなりました。
自分も溶かしたい何かを抱えているのか。

あんまりそんな感じもないけれど、最近の世の中はあまりも不安と不測に溢れていますからね。
たまの休日くらい、穏やかにゆったりと質感の高い音楽に浸りたいのも確かです。