この人の声と歌が入るだけで、音楽の雰囲気が変わる。
というか、どんな種類の音楽でも、自分の音楽として引き寄せてしまう磁力。

Elvis Costello が、HIPHOP の The Roots とコラボしたアルバム、 "Wise Up Ghost"
Wise Up Ghost/Blue Note Records

¥2,256
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カントリーやクラシックなど色々な音楽ジャンルとコラボ組んできたコステロといえども、ヒップホップとは。
ちょっと相性悪くないか?

自分の苦手なジャンルでもあるだけに、初めてその動きを聞いたときは、イメージがわかずにちょっと微妙と思ったものです。
ジャケットもそっけないし。

でも一聴は百聞にしかずですからね。
前向きな興味でもって、聴き始めました。

The Roots の出す低く締まった音。
ヒップホップ系の隙間だらけの音。
その隙間をコステロのボーカルが充たしていく。
コステロのボーカルが聴こえてなくても、その余韻が音楽を充たす。

何がベースにあろうと、コステロのボーカルがあの人のメロディで聴こえた途端に、そこはコステロミュージック。
The Roots が主導権を握ったであろう曲では、コステロのボーカルにはメロディが乗ってきてませんが、それでもコステロのいつものボーカルに聴こえるから不思議。

しかし、Tripwire のバックメロディ、あの名作 Spike の名曲 Satellite まんまじゃないの。自らのパクリ?それともパロディ?

もしかしたら、アルバムもコラボも、シャレでやってるのかもしれないと思ったり。

この曲はふたつのベクトルがうまく融合してると思います。


ヒップホップに引っ張られてるコステロ。


イントロ、まんま Satelliteだと思います。


ところが。

最初は新鮮だったのだけれど、その後何度聴いても違和感が消えません。

本来なら大きな馬力を出せるエンジンが、リミッターをかけられて思うような馬力を出せていないような、可動域の大きな関節がギブスによって動きが制限されているような、そんな窮屈さを感じます。
彼の歌が自由に跳ね回れていないというか、聴いていて爽快感が得られません。

まあヒップホップという、もともと地面を這うようなテンションの音楽をベースにしているから仕方がないのだけれど、この音楽とコステロとの相性が、今一歩自分の好みに合わないのかも。
あと、やっぱり自分とヒップホップとの相性だなあ。

自分にとってコステロの魅力が生かされているとは言い切れず、真剣に聴き込もうという意欲に欠けるアルバムになっているのが残念。